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「イチロー」の原点は外国人選手!?野球選手の登録名あれこれ

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2013.07.23

登録名ブームの火付け役となったイチロー

メジャーリーグで活躍を続けるイチロー。本名が鈴木一朗というのはよく知られるところ。まだ日本にいたオリックス・ブルーウェーブ(現在のオリックス・バファローズ)時代、当時監督だった仰木彬が若手のイチローを売り出すために、平凡な本名をやめて「イチロー」という登録名にしたところ、その途端に大ブレーク。

年間210安打という当時の日本記録を打ち立て、一躍スーパースターとなった。名は体を表すというが、イチローの場合も登録名がピタッとはまったのだろう。もちろん、本人に実力があったことは言うまでもないが。

相撲取りは四股名、ボクサーやプロレスラーはリングネーム、芸能人なら芸名を使うが、プロ野球選手が本名(苗字)以外の名前を登録名とするのはタブー視されていたように思える。しかしイチロー以降、登録名がブームとなった。でも、登録名はイチローが初めてではない。イチロー以前から多くの選手が登録名を使用していた。と言っても、外国人選手だが。

個性豊かな外国人登録名

2013年に亡くなったアニマル・レスリーは本名をブラッド・レスリーといい、阪急ブレーブスに在籍した抑え投手だった。三振を取るたびに雄叫びをあげ、相撲の懸賞金を受け取るような手刀を切る仕草をし、勝った時には歩み寄った捕手と握手……と思いきやパンチを浴びせるという、まさに動物のような選手だった。

こうしたパフォーマンスはアメリカでも有名で「アニマル」というニックネームだったが、阪急に入団した時、そのまま「アニマル」を登録名にしてしまったのである。アニマルは引退後、日本の芸能界入りしたが、芸名を「亜仁丸レスリー」とした。

その阪急でチームメイトだったブーマー・ウェルズ。外国人初の三冠王を達成した。本名はグレゴリー・ウェルズだったが、2m・100kgという巨体から放たれる打球は160mの場外弾を連発し、「ブームを呼ぶ男」という意味から登録名が「ブーマー」となった。

阪急はオリックスの前身球団だから、オリックスは伝統的に登録名が好きな球団なのかも知れない。イチロー以降のオリックス外国人選手では、ダグ・ジェニングスの登録名を「D・J」とし、史上初のアルファベット登録名となった。

他球団ではブーマー以前に、南海ホークス(現在の福岡ソフトバンク・ホークス)に在籍したフランク・オーテンジオという選手がいたが、登録名はなんと漢字の「王天上」世界のホームラン王である王貞治の上を行く、という意味での登録名だったが、期待はずれの成績で寂しく日本を去った。

ロッテ・オリオンズ(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に入団したレオン・リー。ロッテには既に兄のレロン・リーがいたが、兄は当然ファミリーネームの「リー」と名乗り、弟はそれと区別するためにファーストネームの「レオン」を登録名とした。言わば「イチロー」の原点である。

西武ライオンズ(現在の埼玉西武ライオンズ)に在籍したテリー・ウィットフィールド。ファミリーネームが長すぎるという理由からか、こちらも登録名はファーストネームの「テリー」となった。おかげで、とんでもないとばっちりを受けた外国人選手がいる。

近鉄バファローズ(後にオリックスと合併)に入団したテリー・リー。こちらはファミリーネームもファーストネームも他球団の選手に使われていたので、仕方なく両方をくっつけて「テリーリー」という、しまらない登録名となった。もし西武のテリーが普通に「ウィットフィールド」と名乗っていれば、テリーリーは堂々と「テリー」という登録名になっていたに違いない。

当時は1球団の外国人は3人(一軍枠は2人)という制限があったので、他球団であっても外国人選手の登録名はなるべくかぶらないようにしようとしていたのだ。

そういえば、史上最強の助っ人と言われた、阪神タイガースのランディ・バースも一応は登録名である。バースのスペルはBASSで、本当は「バス」と発音するのだが、打てない時には「ポンコツバス」とヤジられ、ホームランを打つと「阪神バス爆発」なんて新聞の見出しになると困るから(阪神電鉄は阪神バスも運営している)、登録名を「バース」としたのだ。

怪しい登録名というと、大毎オリオンズ(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に在籍したマニーという投手。本名をここで書くのはちょっとためらわれるが、思い切って書くとフランク・マンコビッチと言った。本人にはなんの責任もないのだが、ファミリーネームをそのまま名乗らせるのはマズい、と球団は考え、「マニー」という登録名となったのである。

当時はまだ、ファーストネームを登録名にするという発想はなかったらしい。日本語がわからないマニーは、なんで名前を変えさせられるのだろうと不思議に思ったに違いない。登録名ひとつとってみても、色々な事情があるものだ。

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