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「誤報ありき」の東スポ伝説。でも実は、信頼される新聞だった!?

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2013.09.18

裁判所すら認めた「東スポは誤報新聞」

「ガセネタの宝庫」と言われる東京スポーツ(東スポ)。のっけからこんなことを書くと東スポから名誉毀損で訴えられそうだが、そんな心配はあるまい。何しろ過去にはこんな例があったのだから。

80年代、ロサンゼルスを舞台に数々の「疑惑」でマスコミに追い掛けられた故・K.M氏。K.M氏は各マスコミに名誉毀損等で民事訴訟を起こし、なんと弁護士なしの自分の答弁だけで約8割の勝訴を勝ち取った(本人談)。弁が立つことでは右に出る者がいないとさえ言われたK.M氏だが、その面目躍如といったところか。

しかし、そんなK.M氏も敗れた相手があった。それが東スポである。K.M氏が訴える名誉毀損に対し、東スポ側はこう反論した。

「東スポの記事を信じている読者などいない」

なんと、東スポ自身が自ら「誤報新聞」だと主張したのである。しかも、裁判官は東スポの主張を支持、一審でK.M氏は敗訴となった。つまり、司法も「東スポは誤報新聞」と認めたのである。

だが、さすがに二審では「とてもジャーナリストの主張とは思えない」として東スポの言い分を却下、K.M氏の逆転勝訴となった。もっとも東スポも、まさか裁判所であんな主張が通るとは思っていなかったのだが……。それでも、民事裁判勝率8割のK.M氏に対して一度は東スポが勝ったという、見事な快挙ぶりである。

ブチギレた女性アイドルに対する東スポの記事

やはり80年代、絶頂を誇っていた超人気女性アイドルのA.N。だが晩年はスキャンダルにまみれ、東スポにとって格好の餌食となった。あるテレビ番組で、東スポ特集を行った。東スポの記者はアポなしの独占インタビューのためにA.Nの自宅へ行き、テレビカメラが記者を追う。

記者がインターフォンを押すと「どなたですか?」とA.N本人の声が聞こえ「すいません、東京スポーツですが……」と記者が言った途端にインターフォンはガシャンと切れた。記者が何度もインターフォンを押し続けると、ようやくインターフォンに出たA.Nの怒声が聞こえてきた。

「帰ってください!天下の東スポでしょ!?ちゃんと読んで知ってるんだから!いつも嘘ばっかり書いて!二度と来ないでください!!」

およそ女性アイドルとは思えない罵声を浴びせ、記者に喋る隙を与えずにインターフォンを一方的に切った。「これじゃインタビューは無理ですね」と記者が同行のテレビクルーに言い、諦め顔で帰って行った。

翌日、東スポの紙面にはこんな文字が踊っていた。

「A.Nは東スポの愛読者だった!」

さらに記事では「A.Nは本紙記者の独占インタビューに対し『東スポ?知ってますよ。いつも読んでいます』と答えた」と書かれていた。恐るべし東スポ、A.Nより一枚上手だった。

「マスコミは東スポだけでいい!」

全く信用されていない東スポだが、心から信じている人物がいた。それが長州力である。1995年に週刊プロレス(週プロ)が東京ドームでプロレス・オールスター戦を開催する、とブチ上げた。これに真っ向から反論したのが、当時は新日本プロレスの現場責任者だった長州力だ。

「出版社がオールスター戦を主催してもいいのか!?」というのが長州の言い分だった。もっともこれは、長州は週プロの編集長だったY氏との大きな確執があったせいでもある。長州はY氏のバッシング記事に怒り心頭だったのだ。長州は記者会見でY氏に対する非難を浴びせ、さらには、

「(プロレス)マスコミは東スポだけでいい!」

と持論を展開した。ハッキリ言って、プロスポーツがマスコミの存在をないがしろにするなんて、時代錯誤も甚だしい。その発想が、現在のプロレス衰退を招いたという気がしてならない。

もっとも、当時のY氏の報道は明らかに行き過ぎていたので、長州の言い分もわからないでもないが……。それでも一つだけ確かなのは、長州は東スポを信用していたということだ。

そもそも、東スポだって79年にプロレス・オールスター戦を主催していたのだ。その時は批判の声など出なかった。それだけ東スポは、プロレス界から信頼されているマスコミだったのである。

新日本プロレス元レフェリーのミスター高橋が「プロレスは勝ち負けが決められたショーだ」という内容の暴露本を出版した時も、東スポは無視した。あのゴシップ好きの東スポがである。東スポはあくまでもプロレス界を守ろうとしたのだ。

かつての東スポ、力道山、馬場、猪木の時代には、常にプロレスが一面トップだった。だがプロレス人気が低迷して以来、東スポにおけるプロレス記事はめっきり減ってしまった。代わって一面を飾るようになったのがゴシップ記事である。

世間からは「誤報新聞」と呼ばれる東スポ。そんな東スポを最も信頼していたのがプロレス界だった。東スポの紙面をプロレス記事で埋め尽くす日々が再びやってくるだろうか。

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