自分と似ている相手を好きになる心理学。近接性の要因とは?
人は自分の近くにいる人や、考え方が似ている人を好きになる心理が働きます。好きになってもらうためにはどうすればいいか?近接性の要因という心理学を紹介します。
好きな人、嫌いな人
人は、どうして好きな人と嫌いな人がいるかをご存知ですか?実はこれには様々な要因が複合的に重なっていて、どれか一つという風に特定する事は難しいのです。と言いますのも、好き嫌いの判断基準は人それぞれだからなんです。
私はマッチョな男性が好き!という人がいるかと思えば、私はマッチョは気持ち悪いという人もいます。細マッチョがいいなっていう人もいれば、ちょっと太った人が良いっていう人もいます。
これは、人それぞれ過去の経験の積み重ねから来る価値観や考え方がまちまちだからです。しかし、抽象的に言いますと、好き嫌いの判断基準は感情的なものと、利害的なものがある様なんです。
感情的なものというのは、一緒にいると心地よい相手とか、一緒にいると愉快で楽しい相手というのは好きな相手として、一緒にいて心地よくない相手とか、不愉快な相手というのは嫌いな相手として捉えます。
利害的なもので言いますと、この人といると勉強になる相手とか、この人といると成長出来るという人は好きな相手で、この人といると勉強にならないとか、この人といると成長が止まるという様な相手は嫌いな相手となります。
しかし、これら個別の好き嫌いがそれ程大きく決定づけているのでは無く、あくまでも一つの要素としての話ですから、実際にはこういう感情的なものと、利害的なものの総合判断だという事です。では、好き嫌いの前段階で、好意を持ちやすいか持ちにくいかという事についてお話ししましょう。
自分と似た相手には好意を持ちやすい?
実は人は、自分と似ている意見の人や、似ている価値観の人に好意を持ちやすいのです。似ている部分が多ければ多いほど、相手の考えている事が理解し易かったり、相手の考えている事が読みやすかったりします。
その推測によって行動パターンが想像出来る事で、安心感や心地よさを生みます。その心地よさが、好意となって表れるのです。
人は自分と似ていない人を遠ざける?
では、考え方が違ったり、価値観が違う場合は人は好意を持ちにくいのでしょうか?実は先ほどの真逆で、そういう相手と一緒にいても居心地が悪かったり、不愉快であったりして、だんだん嫌な気持ちになってくるのです。ですので、結果的にそういう人は無意識のレベルで遠ざけていく事になるでしょう。
近接性の要因ってなに?
考え方や価値観が似ていると好意を持ちやすく、考え方や価値観が違うと好意を持ちにくいという事を説明しましたが、では、相手との距離感も好意を持つかどうかに対して関係があるのでしょうか?
実は、近い距離感で何度も繰り返し会っていると、その相手には好意を持ちやすいのです。しかも、もともとあまり興味が無かった相手であっても、何度も繰り返し会っているうちに、だんだん興味を持っていくのです。これを近接性の要因と呼んでいます。
こう聞くと思い当たる事はありませんでしょうか?職場のチームと毎日の様に顔を合わせていると、だんだん仲良くなって行きますよね。また、会社の寮に入った事がある方はお分かりかも知れませんが、隣の部屋の人とは仲良くなりやすかったりします。こんな風に近くにいる人は近接性の要因によって好意を持ちやすくなるのです。
熟知性の法則ってなに?
実は、人は考え方や価値観が似ている人同士や、距離感が近い人に好意を持ちやすいというだけでなく、自分の事を理解してくれる人に対しても好意を持ちます。これを熟知性の法則と言います。
人は、自分が認められたいと思っていますし、自分の事を分かってもらいたいとも思っています。ですので、相手の事をしっかりと認めてあげたり、分かってあげたり、尊重してあげると、好意を持たれやすくなるのです。
そのためには普段から相手の事に興味を持ってヒアリングをしないといけません。しかし、いきなりヒアリングをすると抵抗を感じる人もいますから、先ずは自分のプライベートな情報を相手に提示してあげないといけません。そうやって相手の気持ちを少しずつほぐしながら、先ずは相手の事を知りましょう。
接触回数が増え距離感が近づくと、更に相手は自分の情報を与えてくれやすくなりますから、そういった事を意識しながら接していると、どんどん仲良くなるでしょう。
そして、自分が相手にとっての良き理解者になってあげて下さい。理解者になれば、今度はまたあなたにだけの相談なんかもしてくる様になります。そうなったらまた相手は秘密の情報を開示してくる事になるので、あなたは一段と相手にとっての理解者となる訳です。
熟知性の法則。相手に興味を持って、相手を良く知り、そして相手からの好感度を上げて行って下さいね。