業務報告の作成が早い人に聞いた手早く仕上げる3つのテクニック
当塾を辞め、晴れて教師となったT君が先日表敬訪問をしてくれた。職場に来たT君は、学生アルバイト達に様々なアドバイスをしていた。
傍らで聞いているとT君の成長を嬉しく思う。学生アルバイト達にとっても、年齢的に近い先輩の言うことは身近な助言者として素直に聞いている。T君の助言で一番印象的だったのが、業務報告を手早く作成するコツだった。T君自身、講師を始めた当初は業務報告を作成するのに1時間も2時間も要していただけに、言葉に重みがあった。
仕事形態は塾の講師で、授業を行った後、帰る前に必ず業務報告をノートに記入することになっている。新人ほど業務報告記入時間が長く、ベテランは数分で記入している。目的は、進捗状況の把握、理解度の把握、特別講習日程表の参考、急な代講者の参考といったところだ。昨日まで学生だった講師も同じように書かなければならない。アルバイト達にとっては、日々頭を悩まされている事だ。彼のアドバイスを整理すると3点だった。
始業前までに予定業務を記入しておく
業務終了後に報告書を書くのが普通だが、報告書作成を早くするコツは事前に書いておくことだと言う。業務報告書の体裁を考えなくて良い場合は尚更だ。事前に本日の業務予定を2~3行間隔で記入しておけば、行間を埋めれば作成終了だ。
予定したが実行しなかったことは二重線で消す。次の業務時に『前回やろうと思ったが出来なかったこと』として残る。次の仕事の予定も立てやすい。始業前10分で箇条書きし仕事に入る。しかし決まったフォームがある場合は箇条書きしたことなどを消さなければならない。付箋などにメモとして書いておく手を使おう。
新人達の質問は「予定を先に書いて仕事内容が変わってしまったらどうするのか?」「予定しても出来なければ書き直さなければならないから面倒ではないのか?」といった類だった。T君は「今日やる仕事が全て変わる事はない。全て出来ない訳ではない。少しの労を惜しんで後の大労を招くようでは、いつまでも時間がかかるだけだ。」と言い切っていた。
頻繁に使う言葉はパターン化、記号化しておく
どんな職場でもベテランがよく使う方法だ。毎日の業務報告には決まったことを書くことが多い。それを定例文とし活用する方法だ。2週間分の業務報告を見直してみると良い。数か所、同じことを書いていることに気付くはずだ。それが定例文だ。ベテランほど業務報告に手間取る新人を不思議に思うのも、そのためだ。
塾では、『A中学は教科書○ページまで、塾は△ページまで進んだ。』営業なら『○件訪問し、△件商談した。商談内容は・・・』。上司がライバル情報に敏感なら他者情報も加える。
フットワークが軽い上司なら上司の得意分野(金融、経済、ゴルフ、スポーツなど)などの話を商談で持ち出し、相手の手ごたえを記入しておく。販売員なら『○の売れ行きが好調(△件)□の売れ行きが悪い(×件)』。加えて、売れると思って仕入れたが売れなかった物やトレンドを記入したい。
成果と注意点を中心に記入する
○△×で客の反応や売れ行きを記入したり、略語化して記入する。塾では理解度や進度だが、例えば営業では、新規取引先を『新』見込み取引先は『見』と言った具合だ。地域密着営業なら担当エリアをA,B,C,Dで区切っても良い。『A済、BCD未』といった具合だ。提携フォームがあり、上司からの指示があれば別だが、そこまで明確に決まっていなければ簡素化していく。ダラダラ報告を減らせばよい。
出来るだけ記号を使う。数字の確認が面倒な場合は記号化する。しかし記号化すべきでない場合もある。特に上司が確認している部分は数字である方が良い。同じ○でも満億度75%なのか90%なのかが明確だからだ。90%なら次手は打たなくても良いが、75%なら軽く打とう、と上司は判断する。上司の微妙な判断になる場合は数字の方が良い。