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梅雨の時期必見!雨水タンクを自作して洗車や水やりをエコにしよう!

雨水タンクとは、屋根に降り雨どいから排水される雨水を溜めておける容器のことで、洗車や草花への水やり、夏場の打ち水などいろいろな用途に利用することが可能です。エコ生活の一環として小規模ではありながら、設置する一般家庭も多く見られるようになってきています。

専用の雨水タンクであれば、遮光処理がされているのでタンク内に藻が繁殖するようなことがなく、中には雨どいから雨水を給水する専用の器具もセットされているものもありますが、ここではこのような専用の雨水タンクを用いることなく、安価にそして十分に機能する雨水タンクの作り方を紹介したいと思います。

【準備するもの】

■雨水を溜める容器(ポリバケツ、農業用タンクなど)
■遮光ネット
■小屋用の板
■防腐剤
■ペットボトル
■ホース
■ホース継ぎ手

【雨どいから雨水を取り込む】

雨水を効率よくタンクに溜めるには、なんと言っても屋根に降った雨水が既に集まってきている雨どいを利用するのが一番手っ取り早いでしょう。

家屋にもよると思いますが、屋根に降った雨水は複数個所の雨どいへと集められ下水・排水口へと流れていると思います。 効率よく降った雨水を溜めることができるように、できれば雨の降っている日に外へ出てみて一番排水量が多い雨どいを見つけて、これを利用することをお勧めします。

【雨どいをカットする】

利用する雨どいが決まったら、設置する雨水タンクの高さに合わせて雨どいをカットします。 ちょっと勇気が必要ですが、これをやらないことには始まらないので思い切ってノコギリなどを使って切断しましょう。
(失敗して短く切りすぎたとしても、ホームセンターなどで数百円で手に入ります)

【ペットボトル製の給水器を作る その1】

用意した雨水タンクはプラスチック製のポリバケツで、雨どいからの給水器具にはペットボトルを利用します。 一般的に雨どいの形状には「丸型」と「四角型」とがあるので、それに合ったペットボトルを用意してください。ここでは四角型の2リットルの清涼飲料水のペットボトルを用意しました。

【ペットボトル製の給水器を作る その2】

ペットボトルは半分の辺りでカットし、給水口となるポリバケツのフタにはペットボトルの口が入る穴を開けます。 ねじ込むようにして入るようなギリギリの穴を開けてあげると、設置した際グラグラせず風で飛ばされるようなことを防ぐことができます。また、ペットボトルにはキッチンで使用する水切りネットを装着してあげると、雨水に混ざって落ちてくる葉っぱなどの不純物をある程度除去することが可能です。

【雨どいから離れても給水OK】

雨どい直下に雨水タンクを設置できないようであれば、写真のようにペットボトルをつなぎ合わせるようにすると、ある程度離れたところにでも雨水を誘引してあげることができます。

【雨水タンクに出水口を設ける】

ホースとホース継ぎ手を使って雨水を取り出せる取水口をポリバケツ下部に設けます。穴はホースがギリギリ通るほどの大きさにし、ホース継ぎ手を差し込むことによって、ポリバケツとホースとが密着するようにします。 ホース周りにコーキング剤などを塗ってあげることによって、水漏れを防止します。 ここで使用しているT字のホース継ぎ手は容量UP用に拡張性を考慮して用意したもので、I字(ストレート)のものでも構いません。

用意したポリバケツは45リットルですが、この容量で十分な雨水の量である場合は、ここに直接蛇口を付けてあげてもいいと思います。 蛇口の取り付けが不安・水漏れが心配であれば、穴は開けずにポリバケツのフタを開閉して「ひしゃく」などで雨水を汲み出してあげるのも一つの手段です。

【オーバーフローの穴を設ける】

雨水タンクが満水となり余った雨水は、本来の雨どいの排水口へと流してあげるように、オーバーフロー用の穴も開けてあげます。

【大容量の雨水タンクにする】

もっと大容量(200リットル以上)の雨水を溜めるようにするために、農業用として市販されているタンクを追加しても良いでしょう。我が家では、ポリバケツを一次タンク、農業用タンクをメインタンクとして設置してあります。

どちらも専用の雨水タンクとは異なるため、藻が繁殖しないように日光対策を施してあげる必要があります。

【雨水タンクを遮光し、藻を撃退】

一般的に草花にとっては、雨水は水道水よりも適していると言われます。 もともとは雨水である水道水ですが、消毒のためのカルキ(塩素)や、おいしい水にするためのミネラル分(マグネシウムなど)を加えて飲み水として調整しているためと思われます。

草花への水遣りにと溜めておく雨水であるのに日光が当たって藻が繁殖してしまえば、水が腐ってしまう原因にもなり草花にとってもよくありません。

藻は植物ですので、日光の当たる場所を好んで繁殖していきます。 雨水タンクに日光を当てなければいい訳ですから、園芸用の遮光ネットを利用したり、雨水タンク全体を覆うような小屋を作って日光を遮ってあげれば解決できます。 遮光ネットで覆っただけでは、日光は遮れても雨水や霜・雪などの影響を受けてしまうので、日光対策を二重にして雨水タンクそのものを長持ちさせるために、これらの両方を施してあげました。

【雨水タンクを守る小屋作り】

使わなくなった「すのこ」を流用して雨水タンク(メイン)の小屋を作りました。すのこは板同士に隙間があるので、この隙間を埋めるように一度バラバラにした上で、雨水タンクのサイズに合わせて天井と側面の壁部分の5枚分を作りました。 このままで使用すると、雨風にさらされてすぐにボロボロになってしまうので、防腐剤を塗って防腐処理を行うことによって小屋そのものが数倍長持ちするようになります。

【屋根を作って、防腐効果を長持ちさせる】

防腐剤が乾いたら、小屋を組み立てて雨水タンクにかぶせるように設置します。 小屋の下から顔を出している黒いビニール状の物体が園芸用の遮光ネットです。小屋には屋根も設けてあげることによって、防腐効果を長持ちさせてあげます。ポリバケツには遮光ネットを巻き、アルミ断熱シートをその上からかぶせました。

【利便性の良いワンタッチニップル】

農業用タンク専用の蛇口(バルブ)は、ホースが装着可能なサイズに変換すれば利便性が向上します。 これにより、リールホースに付いているワンタッチニップルも着脱可能なので、散水・洗車にも苦労なく雨水を利用できます。

【水量計で雨水残量を把握する】

遮光ネットと小屋で覆われた雨水タンクは目視で雨水の残量を確認するのが困難なので、雨水タンクに入り込むホースの直前に、Y時のホース継ぎ手を使って分岐し透明のホースを接続してあげました。 さらに、この透明ホース内には釣具の「浮き」を入れてあって雨水の残量を一目で確認できるようにしてあります。

【サイフォンの原理を活用しよう!】

ここで図を用いてここで紹介した雨水の一次タンクのポリバケツとメインタンクの農業用タンクの関係を説明させてもらいます。 両タンクは雨水で満たされたホースで連結されていて、サイフォンの原理が作用し続けている状態にあります。

サイフォンの原理とは空気の存在しない管で接続された容器内の液体は高い位置から低い位置へと移動して、等しい高さで吊りあうというものです。液体が移動する際、もともとの高い位置よりもさらに高い所(赤枠部分)を通過するのもこの原理の特徴です。

例えると、石油ストーブなどの燃料タンクに、灯油を入れてあるタンクから灯油を入れるシュポシュポ(正式名称:石油燃焼器具用注油ポンプ)がこれにあたり、灯油タンクを高い位置に置けば、それより高い位置にあるシュポシュポを通過して、自動で燃料タンクに灯油が移動してくれます。 ここにサイフォンの原理が作用しています。

この原理の説明にある管とはホースであり、容器=雨水タンク、液体=雨水となります。

サイフォンの原理が作用し続けている状態であれば、
■一次タンクに雨水が溜まればメインタンクにも雨水が自動で溜まる
■メインタンクの雨水を使用すれば、一次タンクの雨水も自動で減る
■両タンクの雨水の水位は常に同じである
の関係が永久的に保たれます。

逆に、ホース内に空気が入ってしまったりホースがゴミで詰まったりすると、この原理が作用しなくなってしまいます。メインタンクの雨水は全て使い切らず、ホース先端が水面から出ないようにオモリをつけるなどして空気が入らないようにします。 また、雨水にはホコリ・チリ・黄砂などが混ざってしまうので定期的にタンク内部を掃除してホースが詰まらないようにすることも必要です。

防腐剤も日数が経過すると効果が薄れてくるので、定期的に塗り直してあげましょう。

【最後に】

雨水は前述した用途のように水道代の節約になるだけでなく、
■断水時のトイレの水
■災害時の手洗い、食器の下地洗い
■火災の初期消火のための防火水槽
■大雨の際の河川への負担軽減
などなどいろいろな用途に利用可能です。

自治体によっては、雨水貯水設備に伴う補助金制度もありますので、これを活用すればさらに安価に雨水タンクを設置できると思います。

容量UPのために用意したT字継ぎ手の左側には、ポリバケツが2個追加設置してあります。その気になれば、同じ要領で理論上はいくらでも追加設置が可能です。

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