車用の12Vで光るLEDライトの配線方法と自作ランプの作り方【その1】
文字を表示するランプであればの総称であるサインランプは非常に様々な種類があります。
今回は上の写真のような透明なボードにイラストやメッセージなどを光らせるサインランプの作成方法をご紹介します
自動車で使用できる12v用の配線で作成します。カーイルミネーションとして使用できるので是非挑戦してみましょう。
【今回使用する材料と道具】
・透明プラスチック製フォトスタンド(写真右上)
※スタンド・サインランプの基本になる材料です。透明であれば多少色がついていても問題ありません。今回は100円ショップで購入できるものを用意しました。
・白色LED(写真中央)
※ホームセンターや電子部品専門店で購入できる裸LEDです。白色を用意しましたが好みに合わせて色を選ぶこともできます。
・シガープラグ(写真右下)
※自動車のシガーソケットから電源を取り出す為のプラグです。ホームセンターや自動車用品店で購入可能です。
・電子工作用単芯ケーブル(写真中央下)
※電子配線用の配線です。ホームセンターや電子部品専門店なので購入可能です。
・熱伸縮チューブ
※絶縁用の熱を加えると伸縮するチューブです。配線の絶縁用に使用します。
・グルーガン
※配線の絶縁用に使用します。
・U字モール(写真左下)
ベニアなどの端処理をおこなうためのモールをLED配線の格納用に使用します。フォトスタンドの板が収まるサイズのものを選びましょう。
【定電流ダイオード(CRD)】
・定電流ダイオード(CRD)
※LEDの回路を組む上で非常に便利なダイオードです。抵抗とは異なり抵抗値などの計算を行わなくてもLED発光を制御することができます。電気部品専門店で購入可能です。(詳細は記事内で解説します)
【難易度:★★★☆☆(中級程度の電気工作)】
作業工程は初級程度の電気工作作業で作成可能ですが、中級程度の電気工作の知識が必要です。
※電気工作は自己責任において行いましょう。
【U字モールの加工】
最初にLED配線を格納するU字モールを作成します。
※フォトスタンドの下部にモールをはめ込むのは、LED配線の目隠しを行うためです。機能的な意味はありません。
今回は下部にLEDを配置するサインランプを作成しますが、LEDの位置は自由に配置して構いません。
※LEDを上部や左右に配置するなどアレンジしてみましょう。
プラスチック用のノコギリを使用してモールを切断します。
※ノコギリは木工用ノコギリでも代用可能です。
U字モールの加工はこれで完了です。
※モールは配線用のの目隠しなので好みに装飾するのも良いでしょう。
【LEDの配線図】
LEDの簡易的な配線図は上の図のとおりです。
LEDは白熱電球とは異なり“極性”があるので+と-に注意して結線する必要があります。
【LEDの解説】
LEDにはアノード(+)とカソード(-)という極性があります。上の写真では左側がアノードで右側がカソードです。
LEDは極性通りに配置して、適正な電流と電圧を加えると発光します。
【CRDの解説】
CRDもLED同様に極性があります。上の写真では右側の青い目印がカソードを示しています。
CRDは「定電流ダイオード」という名前の通り“一定の電流を流す”という特性があります。今回は15mAのCRDを使用しました
電気部品としては単価の高い部品ですが、自動車のように電圧変動のある電源で使用する場合には抵抗を使用した回路よりも安定するというメリットがあります。
【LEDの配線】
「LED配線図」にあるようにLEDはアノードとカソードを直列に配置させます。
自動車のバッテリーの電圧は12v程度なのでダイオードを直列で3個までであれば発光させることができます。
LEDは熱に弱いということから作業を円滑に進めるためにも「電子部品用フラックス」を使用して行いましょう。
※電子部品用フラックスが無い場合にはハンダゴテの予熱を十分に行い手早く作業を行いましょう。
配線図に沿って、先ずは“1個目LEDのカソード部分”にハンダ付けを行います。
続いて“1個目LEDのカソード部分に2個目LED”のアノード」を配線します。
定規を使い配線の幅を揃え“2個目LEDのカソード部分に3個目LED”を配線します。
LEDの連結はこれで終了です。
LEDのハンダ付けが終了したら、続いて“CRDのカソード部分に1個目LEDのアノード”を配線させます。
最後に“白い配線を3個目のカソード部分”にハンダ付けを行います。
配線の順番は電源+→CRD→LED1→LED2→LED3→電源-になります。
このままではLEDの端子部分が剥き出しなので、ショート対策としてグルーガンを使用した絶縁を行います。
LEDの端子部分を中心に絶縁処理を行います。
CRDのアノード部分の端子を適度に切り取り、黒い配線をハンダ付けします。
熱伸縮チューブをCRDと配線のハンダ付け部分に被せ熱を加えて配線の絶縁を行えばLEDの配線は終了です。
フォトスタンドの幅と同じサイズに切り取ったU字モールに作成したLEDユニットを挿入します。
用意したモールの種類によっては加工が必要な場合もありますが、U字モールはある程度伸縮性があるので広げて挟み込むように設置しましょう。
LEDを設置したU字モールにシガープラグを接続します。
今回は“黒い配線は+”、“白い配線は-”という配線を行ったのでシガーソケットの極性に合わせて配線を行いましょう。
シガーソケットは中心部分が+、外周部分が-です。
※配線に関してはシガーソケットの説明書などを参考にして行いましょう。
シガーソケットの+と-を確認したらLEDユニットを配線します。
配線前に熱伸縮チューブを配線に挿入しておきます。
※結線後には熱伸縮チューブを入れることはできないので、必ず結線前に熱伸縮チューブを挿入しておきましょう。
+-共に熱伸縮チューブを挿入したらシガーソケットの結線を行います。
十分にハンダゴテを予熱してハンダ付けします。
※このハンダ付けはLEDから距離もあり熱によるLED破損の可能性も低いので安心して行えます。
ハンダが冷えたことを確認したら熱伸縮チューブをハンダ付けした部分に被せます。
※熱伸縮チューブはドライヤーを使って縮めます。今回使用した細い熱伸縮チューブであればドライヤーの熱でも十分に縮みます。
シガーソケットとLEDユニットを接続すれば電気工作は終了です。
【フォトスタンドの加工】
作成したLEDユニットをフォトスタンドに取り付けるのですが、LEDの突起によってモール内側にフォトスタンドが入りません。
LEDを削ることはできないので、フォトスタンド側を加工します。
加工を行う箇所がずれないように、フォトスタンドとLEDの重なる箇所に目印を付けます。
LEDの長さと幅を目検討で良いのでマーキングします。
フォトスタンドのプラスチックは割れやすいのでドリルで穴を開けてから加工を行います。
後の工程で拡張可能なのでドリルのサイズは問いません。
ドリルで穴を開けた後はプラスチック用のノコギリを使用してフォトスタンドに切れ込みを入れLED用の窪みを作ります。
フォトスタンドはプラスチック2枚で構成されているので、3箇所×2枚の合計6箇所の加工を行います。
サイズが小さい場合には棒ヤスリなどを使用して削ることで調整しましょう。
※ニッパーなど圧力を加えて切断するタイプの工具ではプラスチックが割れてしまうので、ノコギリかヤスリを使用した加工を行いましょう。
LEDに干渉しないように切込みを調整したらフォトスタンドの加工は終了です。
フォトスタンドの固定用のパーツを取り付ければLEDスタンド・サインランプ本体は完成です。
【本体の完成と通電チェック】
LEDスタンド・サインランプの通電チェックを行ったのが上の写真です。周囲が明るい状態でも写真のように光を確認することができます。
このままでは光る写真スタンドですが、次回の作業でサインランプとしての加工を行います。
【まとめ】
サインランプの作成はLEDユニット部分を完成させれば残る作業は非常に簡単な作業です。
次回の作業を応用すれば自分の好みのサインランプを作成することができます。