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コスパを考えると、世界一強い軍隊が見えてくる。大艦巨砲主義の罠

大艦巨砲主義という言葉があります。

第二次世界大戦の頃まで、海戦において勝ち負けを左右するのは、敵よりも大きく、装甲も厚く、より大きな大砲を積んだ軍艦を持つ国が勝つ、という思想で、日本でいえば、戦艦大和、武蔵が大艦巨砲主義の代表となっていますね。

大和武蔵があれば、どこと戦争しても勝てる。そう信じていた軍部の人は多かったと思うのですが、実際あまり活躍の場がないまま、飛行機の攻撃により沈んでしまったわけです。

結果としては、大戦が始まってまもなく、航空機による攻撃の方がはるかに有利であることがわかったことと、一隻のコストがあまりにも高く、国家の財政を傾かせるくらい予算と時間がかかるのに、やられる時には短時間でやられしまうことがある。

そうした経験から大艦巨砲主義というのは、古い兵器思想の代名詞のように言われています。

しかし、ホントに古い思想なのでしょうか?

アメリカのニミッツ級原子力航空母艦は、建造費が60億ドルを超えていると言われています。これだけではありません。航空母艦というのは100機近い航空機を積んでいるわけで、この航空機の金額だけでも数千億円、武器弾薬、燃料もろもろそして6000人の乗員。

年間運用費だけで500億円以上かかると言われており、もしニミッツ級が航空機を積んだまま撃沈されると、一兆円を軽く超える損失になると思われます。なんか、これって大艦巨砲主義と同列になっているように思うのですが・・・

そうした事態にならないよう、実は航空母艦単独で動くことはなく、1隻の航空母艦を中心に、10隻ほどの護衛艦、潜水艦、補給艦などを組み合わせ、空母打撃群というシステムを組んで行動しています。

これで、各艦合わせて300発以上のミサイルを発射でき、何がきても防御できる。としていますが、ここに大きな落とし穴があるように思うのです。ガチで国家対国家の戦争になったとき、どんな攻撃を考えるでしょうか?

飽和攻撃という考え方があります。

もし、空母打撃群が300発までの飛翔体に対応できるのであれば、対応能力以上の数の対艦ミサイルを500発同時に撃ったらどうなる? という考え方です。

相手の対応能力がパーフェクトであっても、算数で残り200発は目的艦船に向かえることになります。フレアやジャミングはあるにしても、有効な防衛手段をなくした艦船に、かなりの数が命中すると考えるのが妥当です。

ちなみに、現代の軍艦は大戦中の戦艦のように重装甲を持っていませんから、被爆には脆弱で、数発命中すれば大きな軍艦を撃沈できる可能性が高い、空母や護衛艦の何隻かを撃沈できるかもしれません。勝負は一瞬で決まります。

対艦ミサイルは消耗品で、ハープーンクラスで一発5000万円程度、500発撃ったとして250億円、当たっても外れても消耗する金額です。でも250億円の消耗で1兆円以上の損失を与えられたら・・・笑いが止まらないでしょうね。

大艦巨砲主義の誤りは、相手も同じ土俵でくるはず、という前提で戦術を組んだことです。航空母艦が、高額な攻撃機で攻撃するからといって、相手も航空母艦とか、高額な航空機で攻撃してくるとは限らないのです。

航空機にしても、最強と言われるF22が230億円をはじめ最新のジェット戦闘機は軒並み100億円近くします。いくら高額でも、飛行機は当たれば落ちます。

そして高額すぎて、大戦の時のような大編隊はあり得ない時代になっています。では、一機100億円のジェット戦闘機5機の編隊に、一機2億円程度のスポーツジェット機50機に各一発、スパローミサイルを積んで一気に50発という飽和攻撃を仕掛けたら・・・

速度差が大きいので、E2Cなど早期警戒機などの誘導が必須になりますが、スパローミサイルは1発1500万円で射程40km、中距離からの攻撃になりますが、一般的に装備は短距離のサイドワインダーが多いうえ、こちらは中距離からの一撃離脱、被害は考えられず、50発7億5千万の出費になりますが、100億円のジェット機を1機でも撃墜できたら、ボロ儲けです。

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