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淡路島でのダブルヘッダー第二弾!公式記録員はつらいよ……

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2013.10.10

恐怖のメール

以前ここで、筆者が数年前に関西独立リーグの公式記録員として淡路島でのダブルヘッダーを担当した、と書いた。淡路島まで片道2時間半かかるわ、弁当を食う暇もないわ、ギャラは1試合分だわ、交通費は削られるわで、二度と淡路島でのダブルヘッダーなんて引き受けるもんか、と固く心に誓った。しかし、あの時から1ヵ月半ほど経った頃……。

「9月22日は空いてますか?」というメールが担当者から携帯電話に送られてきた。担当者とは「可愛い声のウグイス嬢」として野球マニアには結構有名な女性である。

しかし、このメールに嫌な予感が走った。いつもなら「●月●日、▲時から■球場でお願いしたいのですが」という文面になのに、今回は日にちだけで場所も時間も指定していない。これは怪しいぞと思い、即座に返事せず日程表を見た。日程表には「13時、淡路佐野」と書かれている。

そ~れみろ、やっぱり淡路島だ。ちょっとイジワルしてやろうと思い「球場はどこ?」と返信した。「淡路なんです」と汗マーク入りで返事が返って来た。どうしようかと迷っていると、すぐに彼女から電話がかかってきた。「お願いできますか?」と。可愛い声で頼まれると断れない。シングルだし、まあいいか。

「わかった、午後1時からやね」
「いや、それが……。午前10時半からなんです……」
「ま、まさか……、ダブル!?」

雨天中止で日程が押したために、この日はダブルヘッダーに変更したらしい。まんまとしてやられた。一旦OKを出してしまったら、ダブルヘッダーだからといって断れるわけがない。結局、二度とやるまいと心に誓った淡路島ダブルヘッダーを引き受けるハメになった。可愛い声の女性は得だ。

ウグイス嬢の葛藤

かくして前回から2ヵ月後に、また淡路島を訪れた。何しろ人手不足なので、今回は助っ人を呼んだ。野球経験者の友人が放送室を覗きたいと頼んできたので、ノーギャラでスコアボード操作をやってもらおうと思ったのだ。

前回、忙しくてスコアボード操作できなかった主催球団の責任者に許可を取ろうと連絡したら「そりゃもう助かります。弁当も出します」と大喜びだ。弁当はどうせ食う暇がないので筆者の分をあげるつもりだったのだが、まあまた晩飯にすればいい。

放送室には筆者と友人と、今回初コンビとなるウグイス嬢。友人のおかげで球団責任者は球団業務に専念できた。それでも、淡路島には誰も来たがらないので人手不足に変わりはない。

前回は夏真っ盛りだったが、今回は9月下旬とあって淡路島は涼しくて気持ちがいい。心地良さからか、選手達もミスプレーは少なく、公式記録員泣かせのややこしいプレーもほとんどなかった。試合も快テンポで進み、思ったよりも楽できそうだ。

ホームチームのリードで9回を迎えると、ウグイス嬢がなぜか緊張している。ホームチームが勝つと、ヒーローインタビューをしなければならないからだ。

「(ホームチームには)勝ってほしいけど、いっそのこと引き分けにならないかなあ」なんて言っていたら、ビジターチームが追い付いて本当に引き分けになった。「あ~、せっかくインタビュー原稿を考えたのに!」なんてウグイス嬢は嘆いている。現金なものだ。

選手にとって地獄の日程

第一試合が終わると、第二試合開始までの僅か30分で集計しなければならない。シングルだと1時間ぐらいの時間があるのだが、ダブルヘッダーは慌ただしい。

第二試合が始まると、今度はいつものように(?)ミスプレーのオンパレード。またもや公式記録員泣かせだ。二試合目ということで、選手達も疲れていたのだろう。

5回を終了し、グラウンド整備の時間を利用してトイレに行った。トイレには審判員も来ていて、声をかけられた。

「今日は進行が早くていいね」
「でも、第二試合はエラーが多いですね」
「まあ、しゃあないやろ。昨日は住之江(大阪)でナイター、今日は朝から淡路島でダブルやろ、さらに明日は神戸でダブルやて」

これにはビックリした。3日間で5試合のハードスケジュール。そりゃミスも多発する。雨天中止が多かったので、こんな強行日程になったらしい。これじゃ淡路島でのダブルヘッダーでも文句は言えない。何よりも選手達が大変だ。

第二試合はホームチームが勝った。緊張するウグイス嬢を「さあ、行っておいで」とグラウンドに送り出した。ヒーローインタビューで、ウグイス嬢はいきなり言い放った。

「決勝打おめでとうございます!昨日は住之江でナイター、今日はダブルヘッダー、明日は神戸でダブルヘッダーと大変ですねえ」

あー!筆者と審判員の会話を利用しやがった!トイレから戻った後、ウグイス嬢にもこのことを話したのだ。緊張していると言いながら、相当したたかである。

こうして二度目の淡路島ダブルヘッダーが終わった。なかなか楽しい体験だったが、やっぱりダブルヘッダーはもう二度と(三度?)したくない。

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