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損害保険のあるべき姿はアンダーライティングとうリスク分析にある

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2014.01.22

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自動車保険で『等級保存契約』という契約があったことをご存知の方は少ないだろう。数年前、彼女とのデート中で保険談義となり出てきた言葉だ。

今は死語となっているが、保険談義で『それ、良いね。』と彼女が即答した言葉だ。だが、『保険は如何にあるべきか。』を説明すれば彼女の意見は180度変わった。

『等級保存契約』は架空契約だ。自動車を運転していない時期に、最低限度の保険を掛け割引を進ませておく契約だ。自動車に乗ることを見越して、免許を取る数年前から対人保障のみの保険を掛け割引を進めておく。免許を取り、車を運転する時に、きちんとした補償内容に切り替えるというものだ。

本来、自動車保険の等級割引は運転者の無事故を評価したものだ。一見グッドアイデアに思えるが、保険の公正性を無視し悪用した契約だった。この『等級保存契約』の手製チラシが保険管轄官庁の役人宅にポスティングされたことから、業界内で架空契約一掃の動きが始まった。管轄官庁から指示が出たからだ。今は車を所有し免許を持っている者しか契約販売できない。あらゆる手製チラシも使用不可となった。

保険ルーツのアンダーライター

日本の損害保険は公正の観点から様々なルールが定められているが、この保険の考え方は16世紀にイギリスで始まった。当時の保険はアンダーライターが保険内容と金額を個々に引き受けるか否かを決めていた。保険を引き受ける者が保険内容が書かれた書類の裏にサインをしたことから、保険引受者をアンダーライターと言った。リスクを考え、保証額を考え、それらに見合った保険料を考え、保険を引き受けていた。

例えば、ナッツを船で輸入するなら、カビが発生するリスクがある。ナッツが詰まった樽内でカビが発生すれば樽内のナッツは全滅だ。そこでアンダーライターは、リスク軽減を提案する。

樽内のナッツを小分けして袋に入れ樽詰めすればカビの伝染による全滅は免れ、小分け単位でのリスクになる。保険料も軽減できる。こういったリスク軽減を考え保険料を安くする。本来の損害保険で行われる業務で損害保険の醍醐味の一つだ。

営業マン達の自動車事故が多い場合は、安全講習会、シュミレーターの導入、場合によってはビデオカメラを持ち込み事故が起きにくい運転の徹底を図る。恒常的なビジネスリスクは、自己負担を意味する免責金額を設定する。万一のための保険ではあるが、保険提案と同時に事故を減らす努力がなければ、保険料は鰻上りにアップするだけだ。こう考えると、損害保険はクリエイティブな要素の多い仕事だ。

金融緩和が起こり、損害保険各社は損害保険に専念できなくなった。保険体系がシステム化され、本来あるべきアンダーライティング機能が押入れの奥に押しやられ、表に出ている表記された割引適用や複数の保険組み合わせに終始するようになった。

保険は事故をカバーすると同時にリスク軽減の提案がなされる仕事だったが、割引合戦の相を呈している。さらなる発展を望むなら、本来あるべき姿に立ち返るべきだ。

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