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男の憧れ、ハードボイルド!でも結局どういうことを指すの?

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2014.04.21

タフで何物にも屈しない……

ハードボイルドって問答無用で恰好いいですよね。響きからしてすでに恰好いいですからね。映画なアニメ、漫画や小説に至るまでハードボイルドは溢れ返っています。それらに憧れ、真似をしたくなってしまう気持ちは男ならば誰しもわかることでしょう。

しかし、実際にハードボイルドを実践するには多くの困難がつきまといます。憧れているからこそ、それは虚構であり現実と区別してしまうことは簡単です。とはいえ、ハードボイルドについて深く知ることもまた、格好いい大人の生き方をする上で不可欠なことなのです。

そもそもハードボイルドって?

なんとなく、「これはハードボイルドだ!」と感じることはあるかもしれませんが、いざそれについて考えてみるとハードボイルドがゲシュタルト崩壊しかねません。では、そもそもハードボイルドとはどういったものを指すのでしょうか?

ハードボイルドの語源が「固茹で卵」であることは誰しも知っていることでしょう。しかし、元々これは創作にまつわる話なのです。そのためには少しばかり小説の文体の話をしなければなりません

文章の書き方にはおおまかにわけて一人称、二人称、そして三人称があります。その中でも三人称は色々な分類があり、例えば「太郎はコンビニに行った。そのコンビニで花子は立ち読みをしていた」というのは三人称です。

しかしここに「太郎は花子に遭えるかもという淡い期待を抱いてコンビニに足を向けた。花子は太郎の顔を見たくないな、と考えながら立ち読みをしていた」という、登場人物の心境や状況を全て含んでいるものを「神視点」と呼びます。

読者は登場人物の気持ちを全て知ることができます。現在ではこういった文体は少なく、主人公まわりに焦点を当てた三人称が一般的ですが、そこから主人公の考えている感情を極力省いた文体、それがハードボイルドなのです。

読者は主人公が「本当は」何を考えているのかわかりません。愛した女との別離も恰好いい言葉でスカし、本心を直接伝えることはありません。こういった感情を排したものこそが、そもそものハードボイルドの源流なのですね。

一般的なハードボイルドのイメージ

しかし現在はハードボイルドというと「葉巻か紙巻タバコを格好よくふかしてトレンチコート着てバーでバーボンやブランデーを静かに飲む」といったイメージが一般的ではないでしょうか。確かにこれは格好いいもので、思わず真似をしたくなってしまいます。

あとは、「どんな状況にも屈しない」、「権力にも屈しない」、「感情をストレートには言わない」そして「絶望的状況でも軽口を叩く」といったものが挙げられます。ハードボイルドな主人公には必ずといっていいほどこの要素が入っています。

ですが、実際にこれをやることは困難を極めます。沢田研二さんの名曲「カサブランカ・ダンディ」には「背中を向けてタバコを吸う」というフレーズがありますが、実際にこんなことをやったらすぐに嫌われてしまいます。

警察に職務質問をされて「警察にお別れを言うのはどうやらできないらしい」なんて言った日には洒落になりませんし、本当にまずい状況で「女のためとはおれも焼きがまわった」なんてことを言う余裕なんてありませんよね。

ハードボイルドとは、心の在りよう

となると、実際にハードボイルドを実践するのは難しいということになってしまいがちですが、そんなことはありません。ハードボイルドは恰好をつけるためにやるものではなく、あくまで生き方、心の在りようこそが本質であるからです。

ハードボイルドな登場人物は枚挙にいとまがありません。ですがハードボイルドの在り方を端的に表したものとして素晴らしい台詞があります。それがチャンドラーの生み出した屈指のハードボイルド主人公、マーロウの「強くなれば生きていけない。優しくなれば生きる資格がない」という言葉です。

これこそがハードボイルドの本質、つまり「どのように生きるか」ということです。ハードボイルドにとって、バーボンもトレンチコートも、小道具はあくまでそれを引き立たせるものであり、本質が伴っているからこそ説得力のあるものです。

端的に言ってしまえば、弱音を吐かず、表には出さないまでも人のことを思いやり、黙々と自分のやるべきことをやる男ということになります。この簡単そうで難しいことをやることこそ、ハードボイルド足り得ると言えるでしょう。

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