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愛用の腕時計を選ぶ(1)腕時計の歴史から知るクォーツの利点

「腕時計なんて面倒なだけですよ。今はコレさえあれば十分です」と、二十代前半の若手たちに言われた。ネットで調べると腕時計をしていない若者たちが増えている。

逆に高級なブランド腕時計も人気が高いようだ。ダイバーを含めたアウトドア志向の人たちや水泳やジョギングなどのスポーツをする人たちは相変わらず腕時計をしているようだが、街で遊ぶことを主とした若者たちにとっては確かに携帯で十分だ。

しかし社会人になり取引先訪問や商談の場で時刻を知るために携帯を取り出していると不格好で印象的にマイナスになるばかりか、携帯を取り出すことすら忘れてルーズな時間管理になりかねない。

そこで愛用の腕時計を1つは所有しておきたい。『普段使い』の時計としてどんなものを選ぶか?デザイン的に愛着の持てるモノ、機能性の優れたモノ、視認性の優れたモノ、狂わないモノなど色々あるが、誰しもがリーズナブルな価格で最高のモノを選びたいと思うだろう。

腕時計が作られた経緯は砲撃手が砲撃のタイミングを計るために懐中時計をベルトで腕に巻きつけたことから、ドイツで軍用品として作られたことに始まる。

当時のドイツ皇帝はジラール・ベルゴに依頼し作らせた。彼が作った腕時計は懐中時計並みの大きさで網目の金属製ケースカバーがついていた。視認性としては低い。その後も1900年前後に腕時計が作られていたが、女性の装飾品のひとつでオーダーメイド色が濃かった。

最初に一般向け量産品として作ったのは、高級ブランドの1つであるオメガ社が1900年に作られ1902年に広告までしているが、女性用が中心だった。男性用腕時計はカルティエ社が1906年に作った『サントス』が最古になる。

時刻を知るには視認性を考えよう

今の腕時計の役割は時刻を知るという機能と多機能性とファッション性の三面がある。まずは一番大切な時刻を知る視認性が最大のテーマだ。長く使うなら、一瞬で時刻が判る方が良い。さらに何分後に予定時刻がくるのか、が一瞬で判断できる方が良い。

数年前に艶消しブラックで統一された『ファントム』に始まり、一面真黒なスティルス時計が流行した。黒の統一感というファッション性、自分にしか判りづらいという優越性がトレンドとなった。視認性を捨てファッション性を誇張したモデルだ。だがビジネスの場としては視認性が高い方が良い。

さらに時計選びで考えたいのは、夜間の視認性だ。太陽が沈んでからの行動時間が長くなっている冬などは夜間に時計を見て時刻を確認する時が多い。夜間の視認性は主に3つのタイプがある。ボタンを押してバックライトや各種ライトが光るタイプ、蓄光性の夜光塗料を塗布したタイプ、自動発光のトリチウムライトを使ったタイプの3タイプだ。

一通り使用して思うのはボタンを押さずに視認できるものがベストだった。蓄光タイプは時間とともに見えにくくなりがちなので、自動発光のトリチウムガスを封印したトリチウムライトが良かった。ミリタリーウオッチに多い。トレーサー社、ルミノックス社、ウェンガー社などが販売している。

精度と電池寿命

ソーラーなら電池交換不要、電波時計なら高精度な時刻。そう思って、一時期はソーラー電波時計を使用していたが、今はクォーツ時計を愛用している。クォーツ時計も誤差は月に十数秒の誤差でしかない。誤差ゼロとはいかないが、機械式時計に比べれば高精度ではある。

十数秒の誤差も日常のビジネスでは殆ど問題ない。電池寿命も二十年以上の寿命を誇っているのでソーラーである必要性を感じない。海外と日本を頻繁に往復する国際的なビジネスマンなら必要かもしれないが、海外に行くのも年に数度になるとクォーツ並みの精度が確保されるのならファッション性を考えた方が良いように思う。

『クォーツショック』という言葉をご存じだろうか?一カ月の誤差3秒のクォーツ時計『アストロン』を1969年に開発したセイコー社が開発後特許を公開したため、急速に技術が進歩し市場をクォーツ時計が席捲したことをいう。

それまではイギリス・スイス・アメリカの機械式時計が主流だった腕時計市場が、1970年代にクォーツ時計に圧され、統合、倒産を繰り返すようになった。

特にアメリカは第二次世界大戦前後に数十社あった腕時計会社はタイメックス社を残し、倒産・苦境に追い込まれてしまった。高い技術力を誇るスイスでも統合されエタ社が大部分の市場を支配するようになった。

世界規模で大きな影響を与えたクォーツ時計だ。発売当時は新車以上の販売価格のクォーツも今は20分の1以下の値段で手に入る。異論多々あるだろうが、安価になったクォーツ時計はソーラー時計でも電波時計でもないが十分に魅力的だ。

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