本場ではない? 日本の中華についての雑学
近所にあって、お手頃な値段で、バリエーションがあって、美味いといえば・・・?そう、中華です。
今日は、日本の中華の雑学について、説明していきます。
1.中華料理とは
そもそも、中華料理っていったい何なのでしょうか。大雑把に、「中国で食べられている料理」のこと、と言ってよいのか。実は、日本では「中華料理」と「中国料理」を区別している人たちもいます。
「中華料理」と言った場合、日本でアレンジされた料理のことを言い「中国料理」とは、中国本場の料理であるらしいのです。
言葉遊びのようにも思われますが、どうやら、日本の「中華料理」は、アレンジありきであることが、一部の人たちからすれば前提となっているといえるようです。
実際に、中華料理屋では、長方形の机が用いられることが多いそうですが、中国料理屋では丸テーブルが用いられるなど、本場に近い雰囲気があるそうです。
したがって、「中華料理」とは?と聞かれた場合、「中国の料理を日本人の口に合うようにしたもの」と言った方が正しいのかもしれません。
2.分類の違い
次に、前提知識として、日本の中華料理の分け方と、中国の八大料理の違いについても説明しておきます。まず、日本の中華の場合、よく挙げられる中国の地方料理「北京料理」「上海料理」「広東料理」「四川料理」という分け方です。
一方、中国の場合、「広東料理」「四川料理」「福建料理」「山東料理」「安徽料理」「江蘇料理」「湖南料理」「浙江料理」と一般的には分けられるようです。
分類からすでに、日本の中華とは違いますね。このようなことからも、中華料理が本場の中国料理とはとは少し違うものである、ということが言えますね。
個人的には、美味しければいいじゃないか、とも思いますが、中国の方などを食事にご招待する場合、少し気を付けておいた方が良いかもしれません。
3.日本の中華の歴史
では、日本の中華の歴史は、どういうものなのでしょうか。日本に中華料理が入ってきたのは、江戸時代初期の長崎だそうです。当時は、卓袱料理と呼ばれ、現在でも長崎ではその名残があるようです。
また、ラーメンは、水戸黄門が最初に食べた、という俗説が有名ですが、あながち間違いとはいえず(正しくはありませんが)、江戸時代であることは確かなようです。
このように、江戸時代においても、中国の料理が輸入された例というものは、限定されたものであったようです。では、なぜ、ここまで身近な料理となったのか。その理由は、第二次世界大戦にあると言われています。
第二次世界大戦前、日本は中国大陸をも領土としておりました。しかし、戦争により、日本は無条件降伏を受諾し、中国の領土も引き払うことになりました。
この際に、中国から多数の人が日本に流入し、その人たちが中国の料理を広めた、というのが原因、という説もあります。
いずれにしろ、我々が食べている中華料理を、戦前の方々が頻繁に食べていたわけではないということは言えそうでして、戦後に普及し、その後しばらく中国との交流が少なくなったことが、アレンジ料理が増加した原因であると考えられます。
4.アレンジ
では、いったい、どういった者がアレンジ料理なのでしょうか。
(1)餃子
まず、皆さんも知っていらっしゃるでしょう、餃子です。中国の餃子は、水餃子が基本で、日本のように焼き餃子は主流ではありません。
(2)ラーメン
これも非常に有名ですが、豚骨、魚介系、トリプルスープなどのラーメンは、中国にはありません。中国では「日式拉麺」と呼ばれ、外来の物であると認識しているようです。
(3)天津飯
天津飯も、日本オリジナル料理です。これも、超有名ですね。かに玉とご飯を同時に食べたいという、発想から生まれた料理でした。
(4)冷やし中華
冷やし中華も、日本オリジナルの料理です。なお、東海地方では、冷やし中華にマヨネーズをかけることがあります。
これは、1957年に東海地方にチェーン展開する「寿がきや」が作り出したという説が有力です。意外と合うので、もし試したことがない方がいらっしゃいましたら、ぜひ食べてみてください。
(5)炒飯
また、炒飯も、実は中国式と日本式で微妙に異なるところがあるようです。例えば、我々が普通に炒飯を作る場合、だしを入れない場合が多いと思います。しかし、中国では、だしを入れて作る人もいるそうです。
また、お米の関係もあります。中国は、地方によって食材もがらりと変わるので、一概には言えないそうですが、広東地方ではタイ米が主流で、そもそもぱらぱらの御飯で作る結果、卵をご飯にまぶしたりしないということも言われています。
5.終わりに
上記のように、本場と日本式の違いについては、さまざまなことが言われています。しかし、結局のところ、料理は、早い、安い、美味いではないですが、心身の健康に資するものであり、食べて幸せになれるものであることが重要でしょう。
もっとも、こういった違いについて知ったうえで、食事をするのもまた、食事の楽しみともいえるのではないでしょうか。上記の知識が、皆様の食事をより面白いものにすることができれば、幸いです。