なんで同じ価値観の人は仲良くなるの?ビリーフとバリューって何?
同じ価値観を持っている人とは親しみを感じますよね。そして、結果的に信頼感が高まり、仲良くなります。その裏にはビリーフとバリューというものの働きがあります。無意識レベルで身近に感じられる理由を紹介します。
ビリーフとは?
ビリーフとは、自分の人生の中で今までに経験した事によって作られる思い込みの事です。例えば、「傷ついた分だけ優しくなれる」とか「努力をしたら成功する」とか、「頑張ったら報われる」というようなものです。そういうものを自分の無意識のレベルで作り上げているのです。
ビリーフ自体良し悪しは無いのですが、自分にとってどのビリーフがプラスに働くビリーフで、自分にとってどのビリーフがマイナスに働くビリーフなのかを知り、プラスに働くビリーフに焦点を合わせて行くという事は大切です。では、プラスのビリーフ、マイナスのビリーフというのはどんな内容なのでしょうか?
自分にとってプラスのビリーフ
・努力をすると報われる
・失敗は成功を呼ぶ
・勉強をすれば将来の可能性が広がる
・悪い事の後には良い事がある
・早起きすると得する
など、自分自身がその価値観を持つ事でプラスに働くような内容がプラスのビリーフです。日頃から自分自身がどういうビリーフを持っているのかを注意深く自分で観察をしてみましょう。
自分にとってマイナスのビリーフ
・まともに生きればバカをみる
・正直者は損をする
・自分の能力では無理
・自分は運が悪い
・自分は何をしても続かない
など、自分の可能性に制限を作るのがマイナスのビリーフです。こういうものを持っていると、本当は可能性があったにも関わらず、自分で自分に制限をかけてしまって、結局の所、自分自身の行動を狭めてしまいます。自分がどんなマイナスのビリーフを持っているのかにも注目し、それは自分の思い込みが多いという事実に気付きましょう。
バリューって何?
バリューとは価値。すなわち、自分にとって何が価値ある物で、何が価値の無い物なのかという指標です。「幸福」「お金」「正義」「正直」「名誉」「地位」「安定」「安心」「冒険」など、自分の人生において自分が抽象化している価値の事です。
例えば、「安定」に重きを置いている人が独立して会社を作ろうとは思わなく、大きな会社で長く働こうという発想になる反面、「冒険」に重きを置いている人は、会社員としてでは無く、独立しようという発想になる違いがあります。そういうバリューによって、人の人生は大きく変わるのです。
ビリーフとバリューを活かす
ビリーフとバリューを活かすには、まずは我々がビリーフとバリューに影響を受けている事を知る必要があります。自分は相手がどういうビリーフやバリューを持っているのかを知り、相手は自分とは違う考え方をしているという事を前提にすると、相手との価値観の違いを受け入れやすくなります。
また、ビリーフとバリューに対して注意深く気付くようにしておく事で、今まで気付かなかった考え方が出来るようにもなります。自分の可能性を制限していた所から解放されやすくなって可能性が引きあがりますし、流されて生きて来たという人は、意識的に自分の思うような生き方が出来るようになります。
ビリーフとバリューに気付く
職場においての上司との会話の一例を紹介します。
上司「今日は見込み客の所に行っていたんだね。成果はどうだった?」
部下「残念ながら受注にはならないと思います」
上司「なんでだ?」
部下「相手の担当の人が理解力が無さ過ぎて、そういう人と話しても無駄ですよ」
上司「それは君が勝手に思っているビリーフだよ」
部下「ビリーフって何ですか?」
上司「君の過去の経験による思い込みだよ。理解力が無い人と話しても無駄というのが」
部下「なるほど、でも、今までこのケースで受注になった試しがないんです」
上司「だから、君の過去の経験から来る思い込みなんだよ。僕は話しが通じないお客様からも、話をなかなか理解してくれないお客様からもご注文を頂いた事があるよ」
部下「そうなんですか。僕の思い込みだったんですね。じゃあもう一度トライしてきます」
上司「ところで、君はどうしてこの会社で働いているんだ?」
部下「給料が高いからですよ。だから職場の仲間とうまく行かなくても、仕事が多少きつくても耐えられるんです」
上司「君のバリューはお金なんだね」
部下「バリューって何ですか?」
上司「君にとって大切な価値の事だよ。私は給料では無く遣り甲斐がバリューだよ」
部下「そうなんですね。遣り甲斐は余り気にした事は無いですね。人それぞれなんですね」
上司「そうだよ。人それぞれなんだよ。給料を稼げるように、さっきのお客さんから頑張って受注をもらって来いよ」
部下「はい。頑張ります」
この様に、それぞれビリーフとバリューには違いがあり、相手との違いを認めてあげる事で円滑な関係となるのです。