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実録!銀座の「バニー」という仕事の裏側をご紹介(Wワーク編)

バニーガールを8年やっているわ。夜の銀座でバニーコートに網タイツ、ハイヒールとウサ耳カチューシャ。ふかふかした歩きにくい絨毯の上、お客様に傅きご案内。ホステスさんに呼ばれて氷の交換。シャンパンのコルクも余裕で開ける。8年いろんな店を転々としたけれど、銀座バニーは不思議な仕事よ。

うさぎは大抵Wワーク

バニーガールが存在するお店は多くあるけれど、基本的に銀座のクラブにおいて、接客はホステスさんのお仕事、私たちはそのサポートをする存在なの。だからね、一言でざっくりいうなれば「給料は圧倒的に安い」

もちろん昼間のアルバイトからしたら破格の時給だけれど、銀座はお店の営業時間が通常20時から0時と短く、労働時間が短いこともあって一日の稼ぎはそんなにないわ。だからね、バニーガールは大抵「学生かWワーク」。

私の場合も、9時から17時までは派遣社員。20時から0時がバニーね。17時から20時の間に仮眠と夕食。バニーはいつも時間ギリギリの出勤だけど、そこは8年の経験に基づいた早着替え。更衣室を出ながらウサ耳を装着、その重さを感じてお仕事スタート。

そう、あの耳ってしかり針金が入って好みの角度に曲がるように出来ているから結構重いのよ。仕事が終わって耳を外す瞬間って、サラリーマンの皆さんがネクタイを外す瞬間の解放感とすごく近い気がするわ。バニーにとって耳はネクタイなのね。

Wワークの事情あれこれ

Wワークをする女の子たちには、バニーにもホステスさんにも、キャバクラ嬢にもそれぞれの事情があって、そういうのってあんまり踏み込まない暗黙のルールみたいなのがある。

別に知ったところで問題もないんだけど、ホストにはまって借金地獄だろうと、貯蓄をしたいからだろうと、親の介護のためだろうと、働く理由が違っても労働内容は変わらないもの。強いて言うなら、バニーガールはさっき述べたように給料の面では圧倒的に劣るのね。だからものすごくワケありっていうのは珍しいんじゃないかしら。

私?私の理由もありふれたものよ。そうね、バニーを選んだ理由は、ホステスさんのように昼間もお客さんへの営業をしなければいけないのはWワーク的に厳しかったし、いまでこそ場馴れしたものだけど、知らない男の人と話すのは得意ではなかったからかしら。

でもね、バニーガールが一番合っているわ、と感じるのは、呆れられちゃうかしら…髪の毛のセットが嫌いだからよ。ホステスさんも、黒服のエスコートさんも髪の毛をきっちりセットする必要があるのね。

でもバニーは仮眠前に髪を洗い、仮眠中に自然乾燥させると、かけているパーマのウェーブがちょうどいい具合に出て、そしてそこにウサ耳のカチューシャを被れば完成。もしヘアセットで美容院に行くとしたら1時間はかかるし、自分でセットしても30分は仮眠が短くなる。だからバニーがいいの。カチューシャなら10秒かからず装着可能よ。

一日に二回生きている感覚

Wワーク労働者にとって、間の休憩時間って本当に大事なの。でも仮眠をとって目覚めて銀座へ向かい仕事を終える頃になると、すごく不思議な感覚に襲われるわ。一日を二回生きているみたいな感覚ね。

朝はものすごく遠いところにあって、店内の豪華なシャンデリアは昼間の会社の蛍光灯の明りと真逆。鏡に映る自分は網タイツだしハイレグだし、でもそれが普通なのよ。お昼だったら考えられない普通がそこにはあるの。本当に一日を二回生きているみたい。

そうね、でもプライベートでカチューシャをすることは絶対ないわ。ウサ耳のカチューシャは言うまでもなく、細い大人向けの金属のカチューシャも、バニーを続ける限りは絶対にしないでしょうね。あなたも休日にネクタイは締めたくないでしょ?さあ、夜になりました。今日も銀座のどこかのビルであなたが来るのをお待ちしています。

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