> 雑学 > 現代人に厄介なノルアドレナリンの機能と減らしかたを考える!?

現代人に厄介なノルアドレナリンの機能と減らしかたを考える!?

2014y03m20d_180753112

ノルアドレナリンと言われてピンと来る方はいますでしょうか?おそらくいないでしょう。ノルアドレナリンとは脳内でとても重要な働きをしている物質なのですが、これが現代においては厄介に働くことが多くなってきました。ノルアドレナリンの減らしかたと健康な心身の保ちかたを考えていきましょう。

脳内伝達物質の働きとは!?

ノルアドレナリンとは脳内に存在する脳内伝達物質のひとつです。ノルアドレナリンについて詳しく説明していく前に、この脳内伝達物質とは何かと、その役割について説明していかなければいけません。

脳内伝達物質とは脳内の細胞間を行き来して情報を伝達する役割を担った物質です。誰の脳内にも必ず存在し、脳内伝達物質で満たされることによってそれぞれ様々な心理状況を作り出します。脳内伝達物質にはいくつかの種類がありますが、もっとも主流なものがドーパミンとセロトニンとノルアドレナリンです。

ドーパミンが脳内を満たすと、私たちは高揚感と充実感に満たされます。ドーパミンは天然の麻薬ともいわれており、気分を高めてくれます。セロトニンは、ホッと一息ついた時の安息感と満足感を司る物質で、脳内に安らぎと安定をもたらします。

そして、ノルアドレナリンは緊張と不安を司る物質で、これに満たされると私たちは不安な気持ちになったり、イライラしたりします。しかし、これらの脳内伝達物質は、当然、私たちの精神活動に必要だからこそ存在しているものなのです。

緊張と闘争心のノルアドレナリン!

ノルアドレナリンは、困難に立ち向かったりそれを乗り越えていくために必要な物質です。誰でも恐いものややりたくないことはありますが、それらを全てあっさり諦めてしまうようであれば、いつまでたっても成長していきませんし、できないものができるようになることはありません。

そして、このノルアドレナリンがあるからこそ、自分を奮い立たせて困難に立ち向かっていくことができるのです。ノルアドレナリンが強い人は、より負けず嫌いで困難を乗り越えていこうとする意志が強い傾向にあります。

とはいえ、ノルアドレナリンはストレスの元凶となる物質で、困難に立ち向かったり危険を回避するために不安感や緊張感を高めるのですが、それがストレスとなりますから、あまり長いこと分泌され続けていると心身に負担をかけてしまいます。

息抜きが大切だというのは、こうした脳内伝達物質の切り替えをうまくしていけるかどうかということになります。残念ながらノルアドレナリンにもドーパミンにも、自身の分泌量を制御する機能は備わっておらず、出たら出っぱなしですし、過剰分泌の癖がついてしまうと、些細なことでどっと放出されるようになってしまいます。

現代においてノルアドレナリンは必要ない!?

ノルアドレナリンはとても重要な役割を担っている物質だということがわかりましたが、残念ながら現代においては特別大切な物質だともいえないのが事実です。

子供の頃にどれだけ困難に立ち向かったりニガテを乗り越えていくことができるかは大切ですが、大人になり社会に出てからというもの、私たちは社会集団の中で与えられた役割をまっとうする生活をしています。そのため、さほど物事に打ち勝っていく力は必要なく、それよりももっと協調性であったり別のところが求められます。

そもそもノルアドレナリンというのは、本来狩りをして生活をしていた時代に特に重要な意味をもつ物質でした。狩りをして大きな動物を捕らえないと食べていけない時代で、常に自分たちも別の肉食獣に命を狙われていました。ノルアドレナリンとはこういう生死の狭間でとても重要な意味をもってくる物質だったのです。

ところが現在では猟りどころか肉体労働すら少なくなりましたし、闘争心や争いごとよりも協調性が求められる時代となり、ノルアドレナリンを消費できずに持て余してしまっているのが、ノルアドレナリンを余計に増やし、余計な不安やストレスを増大させている大きな原因となっているのです。

運動と考え方の癖を変える

ノルアドレナリンの歴史から考えても、肉体労働、すなわち身体を動かすことによってノルアドレナリンを効果的に消費していくことができるようにできています。そこで、ノルアドレナリンをうまく減らしていくためには、適度な運動がとても欠かせないのです。運動をすることで身体の健康が保たれ、ノルアドレナリンをうまく減らしていくことで精神の健康も保てるというわけです。

運動習慣がない現代では、運動を毎日続けていくことは難しいですが、まずはラジオ体操を習慣にしてみるといいです。ラジオ体操は学生時代にウォーミングアップとして利用されていましたが、大人になってなまった身体にとってはとてもいい運動になります。

ラジオ体操もまじめにやればかなり体力を消費し、息があがるはずです。そして、体操ですので身体に大きな負担をかけることなく機能を維持していけるため、とても効率的です。

脳内の救世主セロトニンを増やす

また脳内伝達物質には、これらのノルアドレナリンなどを制御する機能が備わっていないわけではありません。各伝達物質のバランスを整えて制御する働きとしてセロトニンがとても有効で、脳内の救世主とも呼ばれているわけです。

セロトニンは安息感や満足感を得られるだけではなく、各脳内伝達物質のバランスを整えて、出過ぎたドーパミンやノルアドレナリンを制御することができる唯一の物質です。ところが現代人はストレスの多い生活習慣や多忙で不規則な生活などからセロトニンが減少してしまっているため、ノルアドレナリンがたまりすぎて心身に大きな負担をかけているのです。

セロトニンを増やすには、まずは規則正しい生活習慣が基本となり、太陽の光をよく浴びることです。日光は自律神経を整え、セロトニンを効果的に増やしてくれます。その他に現代的な方法としては、サプリメントでハーブ由来の成分であるセントジョーンズワートを摂ることで、脳内のセロトニンの減少を防いでくれます。太陽の光を浴びて、運動をすることは心身にとって何物にも代え難い健康維持の方法なのです。

スポンサードリンク
スポンサードリンク