自分のために使うお金、他人のために使うお金ならどちらが幸せ?
他の人のためにお金を使うなんて、自分のためにお金を使ったほうがいいと思っている人からすればあまり考えられないことかもしれません。ですが、その逆もいて自分のために物を買うより必要なものがないなら他の人にお金を使ったほうが楽しい、面白いと思っている人もいます。
これはどちらが良い悪いではなく、単純にどちらのお金の使い方のほうが自分で感じる幸せが大きくなるのかということを調べた結果もあるようです。
報酬系への影響
報酬系という脳の一部分は、お金を人からもらったりあげたりする時に反応する部分として知られていますが、お金をもらうよりもお金をあげたほうがより強く反応するということも分かっているようです。
今お金持ちになっている人は、昔のお金のない時から寄付をしたり誰かのためにお金を使っていたこともあるようで、それは犠牲行為ではなく心からやりたいこととしてやっていたようです。なので、お金持ちになってから寄付をしたいという人と、お金がなくても一部でも他の人のために使いたいと思っている人では、どちらがお金持ちになりやすいかが分かってきます。
大切なのは、それをやらないといけないと思っているのかやりたいと思っているのかの違いで、やらないといけないと思って寄付をしていると犠牲から与えていることになるので、相手の幸せよりなくなるお金をフォーカスしていることになります。
そうした行動は潜在意識に記憶されるので、与えても減らない、相手の反応が楽しいという人はお金が増えることにフォーカス出来ますが、与えると減る、でも与えないと豊かになれないという人は、減ることにフォーカスしていることになります。
なので、誰でも出来る範囲でいうと毎月入るお金の10分の1でも誰かのために使って楽しめると、それだけ他の人に使ってもまだこれだけのお金があるという豊かな気持ちが芽生えるようになります。
逆にどれだけお金を持っていても自分のためだけに使っていると、いつまでも満たされる感じがしなかったり、他人に取られるんじゃないかといった欠乏意識が芽生えるようになります。
幸せ感の違いとは?
お金と幸せはあまり密接していないということは色々なデータで分かっていることで、経済的に豊かな国とあまり発展していない国でも幸せ度は変わらない、逆にお金も少なく協力し合って生きている国のほうが幸せ度が高いという結果も出ているようです。
どれだけお金があって自由に暮らせるからといって他の人との関わりがなく孤独で生きていると、生活に困ることは無いかもしれませんが、心が満たされることも少ないようです。また、自分のために物を買ったりすることより、家族や恋人と旅行やデートなどにお金を使うことのほうが幸せな気持ちが長続きするというデータもあるようです。
そう考えると、お金を他の人に使うことは他の人だけを幸せにすることではなく自分も幸せにしてくれることといえます。もちろん自分が喜べるものにお金を使うことも素敵な時間、経験になるのでやはりそこは気持ちのバランスが大切で、犠牲を感じながらも他人に与えるのでは効果は薄いかもしれません。
お金と幸せの関係
年収600万円以上になると、それ以上稼いでもあまり幸せ感は変わらないというデータも出ているようで、もちろんお金はあればあるほど物やサービスをグレードアップ出来ますが、それによって心もグレードアップするかというのは別の話のようです。
もしお金と幸せが比例するなら、年収が高い人ほど毎日笑顔でわくわくして、それ以下の人とは明らかに違いが分かるほど別人なら分かりますが、そこまでの違いを感じませんし、ある大富豪はホームレスの格好をしていても大富豪だと分からないということもあったようです。
また、ある研究によると年収が100万円プラスされても幸せな気持ちは2パーセント程度しか上がらないというデータもあり、上場企業の最高経営責任者と先進国で普通に働いている人の幸せ度もあまり変わらないというデータもあるようです。
そして、自分が付き合っている人の幸せ度も自分の幸せ度に影響しているデータもあり、やはり自分が落ち込んでいても、静かにワクワクを持って情熱で行動している人といると、そのワクワク感に影響されるようです。
運がいい人と付き合うことによっても自分の運が上がるということからも、普段からワクワクすることをしていたり、それを応援されて楽しんでいる人は運が良いといわれています。
そうしたお金と幸せの関係を見ていくと、お金がどれだけあっても使い方によっては幸せが弱まることもあるし、お金が少なくても幸せを高めることが出来る、それはお金以外に心に与えられることがあるからではないでしょうか。