人に分かってもらえない時、心が楽になる考え方とは?
「なんで分かってくれないんだ」そんな気持ちを持ったまま生活するのは部屋の片隅が散らかっていて片づけないとと気になっていながらいつまでも手をつけられないことと似ているかもしれません。片づければすぐ終わるのに、放っておくと気になってしょうがない。
人との関係でも自分のことを理解されない不満は見て見ぬふりも出来ます。ですが、それを思い出すたび、それをされるたびに「なんで分かってくれないんだ」「そろそろ分かってよ」といった不満が大きくなったり諦めたり、どちらにしても気持ちが動かされることになります。
その経験をしないと分からない
たとえばどんなことで理解されない悩みが出てくるでしょう?親子の関係でも、もっと遊びたいのに門限がある、もっと自由に遊びたいのに限られた遊びしかやらせてもらえない。大人でも、なんで上司は分かってくれないんだ、なんで夫は分かってくれないの?物分かりの悪い部下だな、なんて思うこともあるかもしれません。
それは自分のキャラクターによってイライラしているのであれば、周りがオドオドして自分はそう思うかもしれませんし、逆にオドオドするタイプならイライラされるタイプかもしれません。
ですが、その二人は同じ気持ちを持っていることがあり、たとえば分かって欲しいという悲しみと分かってあげられないという悲しみを持っていることがあります。ただ、実際に経験した人は分かると思いますが、理解してあげられないことを経験してから分かることってありませんか?
自分は小さい頃夕方の5時までしか遊ばせてもらえなかったから、子供も5時くらいがちょうどいいだろう、反発してもダメ、と思っている人でも、6,7時まで楽しそうに遊んでいる子供を見たらもっと遊ばせてあげてもいいかもと思うかもしれません。
出来ない部下にイライラしている人でも、自分も同じように苦手なことをやったら同じく出来ないことがあったなと思いだしたり経験すると、相手を理解してあげられるかもしれません。
人はそうして経験したことは分かり、経験していないことは分からないことがあり、そこにイライラしても経験したり知ったらどうなるかまで理解してあげると、分かってもらえないストレスが減るかもしれません。
理解すると自分も安らぐ
そうしてイライラする相手を見たら、「まだ経験していないんだな」とか「まだ知らないんだな」といったふうに理解すると、イライラも和らいでいくと思います。まだ理解してないんだな、だからイライラするじゃなくて、まだ理解してないから出来ないんだな、という「なんで出来ないんだ」というイライラを和らげる理由が出来ます。
そうして理解されない経験を経験しているのも自分で、理解されない状態を和らげる経験をして初めて、理解されない状態でも自由な反応が増えるのではないでしょうか。
今までは理解されない=悲しいとか、寂しいがイライラになっていたかもしれませんが、理解されなくても悲しいことじゃない、相手は知らないだけなんだという新しい解釈が出来たら、同じ状況でも選択肢が増えることになります。
今まで通りイライラする自分を選ぶことも出来るし、相手を理解して心の距離を縮めることも出来ます。自分を理解してほしいと思うと相手との心の距離が開きますが、相手を理解したいと思うと心の距離が縮まります。
相手の行動をいくら変えようと思っても変えられませんが、自分を変えようと思ったらすぐに変えられ、それによって周りの人にも自分の変化が伝わり、周りも変わらざるを得なくなります。
それは感情の動きで、今までイライラしている人がいたらオドオドしていても、その人がイライラしなくなったらより感情のバランスが取れて信頼を感じながら一緒にいることも出来るようになるでしょう。
イライラすることは何?
そうやって新しい解釈を持って物事を見始めると、今まで見てきた世界を見るレンズが増えることになります。ついイライラしてしまう人は「まだ理解してない、経験していないだけなんだ」と思うだけで心が軽くなるなら、自分の中にあるイライラすることに当てはめてみましょう。
そうして他人を許すことは自分も許すことになり、自分も同じ立場でやっていたら分かるものも、自分と違うようにやっている人を見たらイライラすることがあります。
それは、過去に自分が出来なかったことをしている人を見て「自分は出来なかったのに」といった気持ちがあり、たとえば昔自分は仕事が出来なくても一生懸命やるしかなかったのに、なんでそんなやる気のない状態が認められているんだといったこともあります。
だから、自分もその相手のような状態を一度試してみると、今までイライラしていた人を見てもイライラしなくなることがあります。そうやって心の悩みは、体験したり解釈を変えたりするだけでガラっと変わることがあります。