心の中にいる天使と悪魔の存在。その間に生まれた葛藤の解消法!
心の中には天使と悪魔がいます。ケーキを食べたいけどダイエット中だから食べるべきでは無い時、お酒を飲みたいけど明日早起きだから止めておくべき、など。そんな心の葛藤の解消法を紹介します。
パートって何?
例えば、あなたが今どうしても焼肉を食べに行きたいとします。この心理状況だけであれば、焼肉屋さんに行けばいいですよね。でも、今月使えるお金はあんまり無く、焼肉を食べたら貯金が出来ないとします。さて、その時、あなたはどう思うのでしょうか?
あなたの頭の中に天使が登場し、
「ちゃんと節約して貯金しようね。無駄遣いは癖になるよ」
と言ったかと思えば、今度は悪魔が現れて耳元で
「焼肉食べたいんだろ?食べたい時に食べたい物を食べると美味しいぞー」
と囁き出します。
こんな風に、自分自身の中に起こる葛藤が心理学ではパートと呼ばれています。この葛藤に対してどの様に決断をすると、自分にとって最も良い決断となるのでしょうか?
両方の言い分に肯定的な理由がある
実はこんな時は、天使の言い分にも、悪魔の言い分にも、どちらにも肯定的な理由がある事が多いのです。もしも一方の言い分が、あなたにとって否定的であれば葛藤が起きて迷う事はないでしょう。共に肯定的な理由があるから葛藤が起きて迷うのです。
天使「例え少しの金額でも毎月貯金をするという癖をつけた方がいいよ。焼肉は来月計画的に予算をねん出して行けばいいし、それ以前に外食ばかりするのは体に悪いんだよ」
悪魔「来月の仕事の頑張りに対して英気を養うためにも、今日焼肉を食べる事は意義があるぞ。それに今月焼肉を食べて貯金が出来なかった分の情けなさを肝に銘じて、来月以降ちゃんと貯金するというきっかけにもなるんじゃないか?」
この様に、あなたの中では両者の言い分は共に肯定的なのです。
天使と悪魔とあなたの話し合い
では、こういう時の決着は、心理学的にはどの様につければ良いのでしょうか?
答えは天使と悪魔に徹底的に話し合わせて下さい。しかし、この時に重要なのは、あなたはより抽象的な視点で二人の会話を聞いていなくてはなりません。裁判長になった気分で、一歩上からの視点で聞いてみて下さい。
天使「さっき悪魔が言った事も一理はあるけれど、でも焼肉を食べたからといって英気を養えるとは思えないよ。英気を養うよりも、自分の生活を養える様に、例えわずかでも貯金に回した方が良いと思うよ」
悪魔「いやいや、それもそうかも知れないけれど、やっぱり食べたい物を我慢して貯金するよりも、一旦貯金が出来なかった自分を味わって、その恥ずかしさを経験しながら焼肉を味わった方が後のためにもなると思うけどなぁ」
あなた「(なるほど、どちらの言い分にも肯定的な理由はある)」
天使「別に、そんな恥ずかしい経験なら、ワザワザ焼肉を食べなくても、既に少ししか貯金が出来ないという恥ずかしさを経験出来るわけじゃない。恥ずかしさは焼肉を食べた時の差額分くらいしかないのなら貯金した方がいいよ」
悪魔「羞恥心の差額が焼肉を食べた時の差額程度だと主張するのなら、そんな程度の金額で焼肉を食べる事にそんなに反対する必要も無いと思うよ。だったら美味しい物を食べた方が活力になるよ」
あなた「二人の意見は共にもっともだけれど、二人の同意が出来る共通の目的はどこにあるんだろう?そういう視点で話し合ってくれないか?」
天使「そうだね。そういう意味では、私は長い目でお金を貯めないといけないという事と、焼肉を食べる事自体が反対なのでは無く、月末の今日食べる事に反対しているだけ」
悪魔「なるほど。僕も長い目でお金を貯める事には賛成で、焼肉にこだわっているのでは無く、来月への英気を養う事と、ちゃんと来月から貯金が出来る反省を求めているんだよ」
あなた「なるほど。つまり二人の納得が行く共通の事は、今月の事は反省しつつ、来月以降キッチリとお金を計画的に貯める。そのために英気を養う事はオッケーという事だね」
天使・悪魔「そうだよ」
あなた「分かった、じゃあ、今日は焼肉を食べに行く事を止めて、よりリーズナブルな焼肉弁当を買って帰る事にする。それなら今月の反省をしつつ、食べたい焼肉を食べ、出費も抑えて少しなりとも貯金に回せるもんね」
と、この様に頭の中で一段抽象化した思考で双方の妥協点を見つけて、折衷案を採用するなり、片方の意見に合理性を見出して片方の選択をする事で、あなたにとって最適な答えが見つかるでしょう。