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期待された人は伸びるってホント?ピグマリオン効果とは?

人を育てる時に必要な事は、信頼してあげる事や期待してあげる事。心理学では褒めて伸ばす方が効果的なのです。期待に応えようとさせるピグマリオン効果を有効に使いましょう。

褒めて伸びる?叱られて伸びる?

良く「僕は褒められて伸びるタイプです」とか「あいつは叱って伸ばすタイプだなぁ」って話がありますが、本当にそんな事ってあるものなのでしょうか?実は、人は褒めて伸ばすと効果的だというのが心理学的な見解なんです。それをピグマリオン効果と言います。

ピグマリオンとは、ギリシャの王様の名前で、彼が自分で作った女性の像があまりにも素晴らしい出来栄えで、その女性の像に惚れてしまったのです。ピグマリオンは一途にその像に想いを寄せていたため、ついにその女性に魂が宿ってこの女性と結婚をしたという事から、人は褒めて伸ばすとか、期待をかけると成長する意味の代名詞となりました。

では、叱って伸ばす事と比べてどちらが効果的なのでしょうか?実は恐怖モチベーションなどによって、部下を叱って伸ばすというのも効果的な方法ではあるのですが、比較をすると、褒めて伸ばす方が成果が出やすいんだそうです。

ですので、もし部下や後輩がいらっしゃる方は、なるべく褒めてあげて下さい。勿論あざとくなりすぎてしまうと効果が半減しますので、上手に褒め頂きたいのです。人を上手に褒める方法を紹介します。

人を上手に褒める方法

・具体的に褒める

部下に対して「最近頑張っているじゃないか」というよりも、「最近外回り頑張っているじゃないか」と褒める方が具体的ですし、「最近外回りに行ったら、必ず何らかの成果を上げてくるなぁ。頑張っているじゃないか」と褒められる方がいっそう具体的です。

この様に、人は具体的に褒められた方が、その褒められた事に対して真実味を感じるので、褒めた効果が高まるのです。なので、なるべく人を褒める時は具体的に褒めましょう。

「君の事が好き」というよりも、「君の笑顔が好き」の方が具体的ですし、「君の今見せた様な笑顔が好き」の方が更に褒めた効果が出るのです。

・さり気なく褒める

人を褒める時は、露骨に褒めるよりも、さり気なく褒めましょう。露骨に褒めた場合も効果はあるのですが、さり気なく褒めると真実味が増します。露骨すぎると口だけだと思われたり、あざとく感じられたりする場合がありますので、注意が必要です。

あなた「あの物件の受注が決まったそうだね。おめでとう」
部下「有難う御座います。とても嬉しいです」
あなた「そっか。まぁ君ならそれくらい出来て当然かもな」

という様に、一見褒めていない様に見せて、本音をぽろっと言った様な見せ方で相手を評価している事をにおわすのです。こういう風にさり気なく褒めるのも効果的です。

・第三者の口を使う

第三者の口を使うとは、部下がいない時に、部下以外の人の前で部下を褒めるのです。そうすると、その時にいた人が部下に対してあなたが褒めていたと言ってくれるでしょう。

あなた「最近部下のA君は本当に頑張っているなぁ。僕は嬉しいよ」
部下の同僚「そうですよね。最近本当に伸びましたよねぇ」

数日後

部下の同僚「お疲れ様。このまえ上司のSさんと飲みに行ったけど、君の事とても褒めていたよ。最近頑張っているって仰ってたよ」
部下A「本当ですか?それは嬉しいなぁ。僕にはあんまりそういう風に言って下さらないんですが、ちゃんと見て評価して下さってたんですね」

この様に、第三者が口伝えるであろう事を想定して、わざと吹き込むテクニックです。しかし、この時に気を付けないといけない事が、この場合の部下の同僚と部下Aがライバル関係にある時は、部下Aが同僚からの妬みの対象になる場合があります。第三者の口を使って褒める場合には、人間関係をしっかりと把握しておく必要があります。

また、余談ではありますが、ライバル関係がある人を奮起させたい場合は、わざと他の人を褒めるというテクニックもあります。

例えば今回の例で、部下Aの同僚と部下Aがライバル関係にあって、部下Aの同僚に奮起してもらいたい場合は、部下Aの同僚に対して「最近A君が頑張っているねぇ」と褒めるのです。間違っても「だから君も頑張れよ」などとは言ってはいけません。相手の自尊心を傷つけずに奮起させましょう。

好意の返報性も伸びる要因

心理学には、人から好意を受けると自分もその相手に対して好意的に思う、という好意の返報性という性質があります。これをピグマリオン効果と合わせ技にして、より褒める効果を出して下さい。

これは、相手に対して期待をして、好意を持って接していると、相手はその好意に応えようと、期待に応えようと、より一層努力をするというものです。

この様に、人を褒めるという事や期待をかけるという事によって、人を伸ばすというのは褒めている側からしても気持ちが良い物です。なぜなら、脳は主語を認識しないので、他人を褒めると自分を褒めているという事にもつながるのです。他人を褒めながら、あなたの自尊心も高めてみてはいかがでしょう?

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