第一印象で全てが決まる?スキーマってなんだろう
「第一印象が大事」という言葉はどこでも聞かれますが、第一印象が大事なのはなぜでしょうか。人は最初の印象で相手を「こういう人」という風にイメージつけてしまう習性があるのです。
この状態を心理学では「スキーマが形成された状態」とよびます。ここでは人に与える最初の印象がいかに重要であるかを心理学をベースに説明していきます。
スキーマってなに?
スキーマとは経験を通して身につける物事の捉え方の基準になるものを指します。言い換えると「モノサシ」や「先入観」ともいえるでしょう。例えば四つのタイヤで道路を走る乗り物を「車である」と認識したり、自分よりマジメな人間をみると「こいつはマジメだなぁ」と思い込むことがスキーマといえます。
人間はいったんスキーマができてしまうとそのスキーマを通して相手を判断してしまう傾向が非常に強いです。「恋は盲目」といいますが、1度相手の事を「好き」というスキーマで見てしまうと、他の悪い点が目に付かなくなったり、反対に「こいつムカツク」というスキーマをつくってしまうと、何をしたとしても悪い所ばかり目に付くようになります。
第一印象が大事なのは、あった瞬間に相手に対するスキーマができてしまうからなのです。自分の経験を振り返ってみても、最初の印象で相手に対する評価を決めている事が多かったのではないでしょうか?ですから第一印象は大事です。
最初に「こいつは良いやつだ」という印象をもってもらえれば、よほど傍若無人に振舞わないかぎりは良好な人間関係が築けるでしょうし、反対に「こいつはちょっと嫌だな…」と思われてしまうと、どんなに内面が素晴らしかったとしても理解してもらうのに時間がかかってしまいます。
その他のスキーマ
第一印象で人を決め付けてしまうのを人物スキーマとよびますが、それ以外にもスキーマはあります。例えば警察官や教師、政治家などの社会的な役割に関して「警察官だからマジメに違いない」「教師だから昔から成績が良かったに違いない」や「政治家は信用できない」というような決まった見方をすることを役割スキーマとよんだりします。
人間は意外と思い込みや先入観に支配されやすい生き物です。第一印象があなたの全てを決めるわけではありませんが、良いに越したことはないでしょう。恋愛や仕事に関してもスキーマの考えを応用し、第一印象に気を遣って相手と会うように心がけてみてはいかがでしょうか。