デジタル音楽のすすめ!mp3、mp4、WAV拡張子とは?
パソコンの普及と音楽のデジタル化
インターネットが発達したことで、様々なものが大きく変わりました。音楽もそのひとつで、パソコンにCDドライブが搭載されてCDを作成できるようになり、さらにはデータとして音楽を管理するために、今や音楽というアナログなものがデジタル化されてやり取りされる時代なのです。
こうしたパソコンやインターネットの普及と音楽のデジタル化にともなって、携帯音楽プレーヤーをはじめとするカセットやメディアの抜き差しを伴わないメモリに音楽を保存するタイプの音楽再生機器が主流となりました。
やはり現在でも、ハッキリ言わせてもらってCDで直接音楽を聞くのが一番です。どんなにデジタル化が進んでも直接の音源には敵わないと、筆者は考えています。
パソコンにCDを取り込んで直接再生させた音をヘッドフォンで聴いたのと、それを一度パソコンにデータとして取り込んだものを聴き比べてみると、大きな違いはなくともそれとなくCDのほうが勝っています。音楽が本当に好きで音楽を嗜む人は、やはりCDで音楽を聴く習慣を身につけた方がいいと思います。
音楽ファイルの音質を左右する拡張子!
とはいえ、現代では音楽をデータで管理する方が都合のいい時代です。音楽再生機器や音楽プレーヤーもデジタルの時代ですし、パソコンで音楽を再生するにしても何をするにしてもデータの方が管理しやすいということがあります。
CDはかさばりますし、CDを再生できる機器でしか聴くことができませんが、データであればCDに焼くこともパソコンや音楽機器で聴くこともできます。また、それらのコピーがダビング時代と比べて圧倒的に楽です。
音楽をデータやファイルで持ち運ぶ上で大切なのは、それらの音質を左右する拡張子です。拡張子とは音楽をデータ化するために変換する規格で、圧縮のしかたも形式も様々です。今回はその中でも特に使われることの多い「mp3」「mp4」「WAV」について解説していこうと思うわけですが、それぞれの形式にもメリットや用途の違いが存在します。
mp3は圧縮率を変えられる!?
mp3は全世界でもっとも利用されている変換形式であり、世界標準の圧縮形式となっています。音楽は非常に膨大なデータです。そのため、非圧縮で取り込むと膨大な容量となってしまってパソコンのメモリを食いますし、一昔前までのパソコンでは容量が大きすぎて厄介でした。そこで、ファイルを圧縮して容量を小さくする必要があるのですが、圧縮すると音質が劣化してしまいます。
mp3はファイルサイズと容量の圧縮率のバランスが優れており、世界標準となっているのです。そして、mp3では自在にファイルサイズや圧縮率を変更することもできます。Apple社の音楽ソフトである「iTunes」では、CDから音源を取り込む時の形式や圧縮方式を指定でき、mp3の場合だと128kbps、160kbps、192kbpsと3種類から選べます。どれも圧縮をしていることには変わりませんが、その圧縮率が違います。数字が大きいほど圧縮率は低く、音質がいい代わりに容量も大きくなります。
幅広い用途に枝分かれするmp4
mp4もかなり有名な圧縮形式ですが、mp4はとても用途が広くて柔軟に使えるため、名目が違う様々な形式に枝分かれしています。たとえばApple社の標準の音楽形式である「m4a」やガラケー時代の「3gp」「3g2」もmp4の一種です。また、基本的にこうした圧縮形式は一つの分野でしか使えません。たとえば「JPEG」という形式は画像専用のファイル形式で、「mp3」は音楽専用の形式ですが、mp4は音楽だけでなく動画ファイルにも対応しています。
iTunesで推奨されているApple社の規格である「m4a」は、Appleロスレスエンコーダともいわれ、非圧縮の形式ですが、これから紹介する「WAV」よりも容量は小さく、容量と音質のバランスがとてもいいです。「mp3」は現在でも世界共通の圧縮形式となっていますが、現代ではパソコンや音楽プレーヤーの容量も飛躍的に上がっているため、さほど圧縮をしなくても多くの曲を保存しておけますし、容量を大きくした方が圧縮率が下がって音質も良くなるのが現実です。
音楽製作に使われる非圧縮のWAV
「WAV」は非圧縮の音楽ファイル形式で、音質はおそらく今まで紹介した中で一番優れていますが、その分ファイル容量が膨大になります。目安としては一曲だいたい30MB~40MBほどになり、「mp3」の5MB程度から考えると軽く10倍近い容量です。その分その音源自体の音を全て忠実に変換しますので、音楽製作の現場ではほとんどの場合このWAVファイルを使います。
音質は自分の耳で聴き比べてみて!
以上のことを踏まえ、より高音質な音で音楽を楽しみたいのであれば、なるべく圧縮をせずにファイル変換する必要がありますし、こうした様々な形式の中からより自分の都合にあったものを選択していくといいです。
iTunesではCDを取り込む時にファイル形式を選択でき、今まで紹介してきた形式はどれも任意で選択することができます。お使いの携帯音楽プレーヤーやパソコンの容量と相談して、自分が都合のいい音質や圧縮率を選択していけばいいでしょう。
また、音源はなるべく直接自分の耳で聴き比べてみるのが一番です。CDからそれぞれ違った形式で取り込んでみて、それを聴き比べてみてください。まったく違いがわからないようでしたら一番ファイル容量の小さいものでも構わないでしょうし、なんとなくでもこの形式が一番良く聴こえると思うものがあれば、それにしていくといいでしょう。音楽をより楽しんでいくためには、こうしたファイルの形式や圧縮率も把握しておく必要があります。