日本人て凄い!列車内で見かけた驚愕の「おもてなしスピリッツ」
日本人のおもてなしスピリッツが世界最高水準なのは良く知られている事ではありますが、先日私が目撃したおもてなしシーンは、まさに「おもてなしスピリッツ、ここに極まれり!」と言った感嘆すべきシーンでした。
今回は私が目撃したシーンの振り返りを行い、改めて日本人のおもてなしレベルの高さをみなさんと再確認していきたいと思います。
特急列車の車内での出来事
先日私は、仕事の取材のために九州を訪れていました。博多駅から長崎に向かう特急列車に乗っていた時に、私は素晴らしいおもてなしの現場を目撃することになります。
私は一号車の座席に腰掛けて取材の為の質問シートを整理していたのですが、取引先の担当者から携帯電話がかかってきたので、デッキに出てその担当者と電話で話をしていました。
ちょうど列車は鳥栖駅に停車して、老夫婦が一組この電車に乗ってきて、一号車の方に入って行きました。同時に車内販売の女性が二号車から一号車に向かうために、私が電話で話をしているデッキに入ってきました。
私は邪魔になってはいけないと思い、通路をちょっと広くあけてあげて、この車内販売の女性に目と手で「どうぞ通って下さい」と合図を送ったのですが、この女性はニコッと笑顔で私に会釈をして、小さな声で「お気遣いありがとうございます」と言ったままデッキで立ち止まってしまったのです。
列車が鳥栖駅を発車して二分ほどしてから、デッキにいたこの女性は、ようやく一号車に入っていきました。電話が終わり、私は一号車の自分の座席に戻り、再び書類に目を通し始めたのですが、そんな私の横を先頭車から折り返してきた先ほどの女性が軽く会釈をして通り過ぎていきました。
普段はそんな事はあまり気にならない私なのですが、久々の取材旅行で私もちょっとテンションが高くなっていたのでしょうか、この車内販売の女性は先ほど、なぜデッキで三分近くも立ち止まり、何かを待っている様子だったのかが妙に気になるようになってきました。
おもてなしの真髄を見た!
その日は平日。しかも11時頃に博多を出発する特急列車ですから、車内はガラガラです。先ほどの老夫婦も佐賀で下車をしてしまい、私は一号車でたった一人の乗客になってしまいました。
そこへ先ほどの車内販売の女性が再び戻ってきたので、先ほどの事が気になった私は短時間取材を敢行。仕事中であるこの女性に声をかけ、一分間だけ話を聞かせてもらう事にしました。
彼女は先ほどの私のデッキでの配慮を覚えていてくれたようで、その事に対してお礼をのべてくれました。私は「いやいや、そんなことは」とちょっと恐縮しながら先ほどの質問を彼女にぶつけてみたのでした。
筆者「さっき、デッキですれちがった時に、列車が発車してからもしばらくデッキで何かを待っておられましたよね?あれは何をされていたのですか?」
車販の女性「鳥栖駅で年配のご夫婦が乗車されましたよね。年配の方は座席を見つけるのにお時間がかかるものですし、時には号車を間違われる事もあります。そんな時に狭い通路に私がいたら邪魔になってしまいます。また、仮に正しい座席を確認されても、荷物を網棚にあげるのにお時間がかかるものですから、私が後ろに立っていたら、お客様を慌てさせる事にもなってしまいます。ですからデッキで少し待たせて頂いてから、車内にお邪魔するようにしているのですよ」
私はその話を聞いて「なるほど!JR九州の教育は凄いもんですねえ!さすが日本だ!」と感嘆の声をあげてしまったのでした。
私の反応に対して彼女は「自分で言うのもなんなんですが、そういった気配りは、自分の裁量でさせて頂いているんですよ。お客様に快適に列車に乗っていただくお手伝いをさせて頂くのが、我々乗務員の使命ですから」と柔らかい笑顔を交えて説明をしてくれました。
私は礼を述べて再び自分の仕事へと戻ったのですが、何とも言えない幸せな気分になりました。
あの老夫婦は、彼女がそんな気配りをしていた事など気付きもしなかったのでしょうが、そういった目に見えないところにまで気を配る事ができるのが、日本人のおもてなしマインドのレベルの高さの象徴とも言える事だと、ただただ感心をしてしまったのでした。
車内販売の教育などでそういった事が訓練されているのかと思いきや、彼女自身の裁量から出てきた行動だという説明に、私は二度びっくりです。
取材先に到着をしてから、取材相手にこの話をしたところ、「いやいや本当にいい話ですね。我々日本人のそういった優しさは、世界に誇っていいものですよ。我々日本人は、もっと自信を持って良いと思いますね」と深く同意をしてくれました。
若いビジネスマンのみなさんにもお伝えしたいこの話。我々日本人は、もっともっと自信を持って大丈夫ですよ!