値段の見せ方に騙されていませんか?買う側が知らない値段の見方
あなたは、何か物を買うとき疑問に思うことはありませんか?たとえば、携帯電話を買うとき大きく書かれてある文字の下には小さく書かれている文字が何行にも渡って書いてあって、何か問題があって問い合わせると「書かれてありましたよ」と小さい文字のところに書かれてある文章を言われて対処されてしまったり。
こんなことはどの分野でもあることですが、買う側からしてみれば納得いかないことも色々あるでしょう。消費者が知らない値段の見せ方というものがあります。
見せ値とは?
見せ値とは、その名のとおり見せる値段で、売る側としてはなるべく安くクオリティの高いものを提供したいのですが、そのためにいきなり高い値段で売ってしまうとお客さんが増えないことがあります。そのため、見せ値という方法を使って安い値段を最初に見せておきながら、話を進めていくと結局高くなってしまうというものです。
もちろん、見せ値どおり進めてくれるところもあり、たとえばホームページ制作でいうと、ホームページ作成ヘッダー画像が1万円と書かれてあるのか、ホームページ作成1万円と書かれてあるのかでは、やはり明確さが違います。
「他はこんなに高いのにここはこんなに安くやってくれるのか!?」とお客さんが思ったら狙い通りと思うところもあるみたいですが、こうしたビジネスは口コミなどで広がっていきません。広がったとしても悪い口コミが広がっていきます。
上手い文章を書くコピーライティングというのが流行っていますが、そこに足りないのは光と闇のバランスを考えた行動心理学で、ようは都合の良いことばかり言ってお客さんの感情を高めていても、その期待した分だけ期待はずれなことになると、それだけ大きなネガティブの反応が返ってくるということです。
1年中閉店セールをしている店
やはり、買う側の理想としてはどの店でも自分に誠実に向き合ってくれるところが欲しいところですが、中には売り上げを上げることだけに意識がいきすぎて、お客さんの気持ちを考えていないところもあるようです。
たとえば、1年中閉店セールをしているお店を見たことはありませんか?1年前に閉店セールを始めたのにいつやめるんだ!?という気持ちになります。そうなると、やはり信頼は薄れ、そこの店に行く人は少なくなるでしょう。
もしかしたら閉店セールが思いのほかヒットしてまだ続けているのかもしれませんが、どちらにしても一度発言したことを守るというのが人間どおしの信頼関係を築くことになります。
もし、1年中閉店セールをするのであれば、それよりは「閉店しようと思いましたが、思いのほか閉店セールが売れたため、まだ続けます!」というふうに正直にいったほうが、親しみやすさと信頼性が増すでしょう。
信頼関係は、家族や親友、恋人などで考えると分かりやすく、やはりよそよそしい接客をする店より親身になって接客してくれるところのほうがいいでしょう。
そこに売り込み感がなく、ただ自分の悩みを聞いてくれるようなお店であれば、心地よいと感じまた来たいと思われる店になり、さらに周りの人にも勧めたい店にもなるのではないでしょうか。
買わない選択肢をなくす!?
値段の見せ方には巧妙なトリックのようなものまであります。それは人間心理を上手く活用しているところなのですが、人間は2択じゃなく3択になると、選び方が変わります。2択の場合「買うか買わないか」という選び方になり3択になると「どれにしようかな」というふうになるという心理が働くようです。
たとえば、車でいえば100万円の車を買うとなると「買おうか買わないか」という選択になりますが、100万円、190万円、205万円というグレードの車がそれぞれあったとしたら「どれにしようかな」という選択になるようです。
そして、ここでもさらに人間心理が働き、人間は選択肢が多いと選べないという心理があります。なので、3つ以上、4つ5つと増やすと選ぶことができなくなるようです。なので、この場合3つにして、さらに値段の近いものと離れているものを設定します。
100万円、190万円、205万円という値段があれば「100万と190万は違いすぎるけど、190万と205万ならちょっとしか変わらない」という考えになり、そこで205万円の値段に190万円と15万円しか変わらないのに特典として50万円相当のものがついているとしたら、205万円のものを買う人が増えるでしょうし、買う側からしても悩む時間も減るでしょう。
ビジネスは心理学という人もいるほど、どれだけちまちまテクニックを使っていても、それが心理学に基づいていないものであれば、ただ相手を騙すだけ、それが自分に跳ね返ってくることにもなりかねません。
より深い信頼に基づいた人間関係を築くことができれば、その人は自分を助けたいと思ってくれるようになるでしょう。それはビジネスでもつながっていることだと思います。