草野球を始めたばかりの男子に送る!道具の選び方 後半
3.スパイク
大きく分けて「ローカット」「ミドルカット」「ハイカット」の3種類があります。それぞれに特徴がありますが、野球をスタートする際には「ローカット」がお勧めかと思います。勿論、プロ野球選手も沢山愛好しています。
最大の特徴は「軽い」事です。最近はスパイクも年々軽量モデルが発売されていますが、スパイクの刃というのは地面を噛む様に作られていますので、手で持った時よりも重く感じます。慣れるまでは、そのせいでふくらはぎが攣ったり、靴ずれを起こしたり、ダッシュ力が逆に普段より減ってしまったり等の弊害をもたらします。
但し、弱点として「土が靴の中に入りやすい(これを気にしていたら永遠に上手くはなれませんが……)」「接触をする様なプレーで足首を怪我してしまいやすい」等の点は考慮しなくてはいけません。
ちなみにハイカットは非常に重たいので最初はお勧めできませんが、主にファーストのポジションを任された場合に「怪我防止」の目的では有効かと思います。ミドルバランスは両方の特性を兼ね備えているので、2足目・3足目を購入する時に試してみるのもありかと思います。
次にスパイク裏の「刃」についてですが、最近は金属では無く「樹脂製」の刃を持ったスパイクをよく見かけます。「交換できない」という事が弱点ですが、値段も安価で耐久性もあり、ルール上使用不可能な学生やリーグを除いては非常に有効だと思います。
バットの項でも書いた通り、軟式社会人や草野球では余程大きな大会でない限り、地方の球場や公園のグラウンドが主戦場となります。という事は手入れの行き届いていないグラウンドも多く、土も柔らか過ぎたり、逆に固過ぎるという事が当たり前の様にあります。
樹脂製の刃は金属の刃よりもグリップ力に劣りますが、粗悪なグラウンドコンディションで足を取られない為にも有効かと思います。1足目はローカットの樹脂製の刃、スパイクに慣れてきたら2足目に金属の刃のスパイクを買い、球場やグラウンドコンディションによって使い分けると良いでしょう。
4.アンダーシャツ・ソックス
近年は、高機能アンダーシャツ(身体に密着して筋肉をサポートするアンダーシャツ)が様々なメーカーから出ています。値段的にも高価です。しかし、これを買ったからといってパフォーマンスが必ずしも向上するとは限りません。残念ながら逆に低下する可能性もあります。
一番注意しなければいけないのが、所謂「メタボ体型」の方です。身体が重たい分、どうしても高機能アンダーシャツでカバーしたい所ですが、密着して圧迫されるので、お腹まで圧迫されて非常に気持ち悪くなってしまう可能性があります。息も上がってくる試合後半や暑い日は特に厳しいです。こうなってくると、せっかくの高機能なのにパフォーマンスは著しく低下してしまいます。
逆に「もやしっ子体型」の方にもあまりお勧めはできません。身体が細すぎて、密着するアンダーシャツのはずなのに、それでもダボダボといったプレーヤーも時々見かけます。
やはり、普通体型~筋肉質体型の方が着ていて一番しっくりくるのかなと感じます。それ以外の方は前々からあるタイプのアンダーシャツを着る事が一番パフォーマンスを発揮できるかと思います。
次にソックスですが、お勧めはズバリ「5本指ソックス」です!見た事が無い人が見ると、「あなた水虫なの?」と思われるかもしれませんが、国民栄誉賞を受賞した松井秀樹氏も5本指ソックスを愛用していたと聞きます。
野球のみに限らず、殆どのスポーツというのは「親指」を大切にします。体重移動・身体のバランス、パフォーマンスを向上させる為に必要不可欠です。5本指ソックスは、1本1本の指が分割されている為、力を引き出しやすく、攻守共に正しいフォームを身につけやすいです。普通のソックスより若干値段は張りますが、是非ともお勧めのアイテムです。
5.その他
私の運営しているチームでも毎年必ずの様に居るので書いておきます。
「先走って買わない事」です(笑)
遊びで楽しむ分には問題ありませんが、審判のつく様な大会になってくると、道具についても厳密に指導されます。一人だけ「色が違う」なんていうのはもっての外です!
アンダーシャツやベルトを間違える事は殆どありませんが、スパイクを先走って買ってくる人が本当に多いのです!私のチームは「黒のスパイク」で統一しているのですが、こちらから指示を出す前に、毎年必ずと言って良い程、新入団メンバーが「格好良いから」という理由で白色のスパイクを買ってくるのです……。
スパイクの色(ラインの色)も含めて同じ色でなくてはいけないルールがあります。結局、そういうメンバーは2つスパイクを買う羽目になります…(汗)自分の意思だけで買わないで、必ずチーム代表者に確認を取ってから買う様にしましょう。
以上、特に大切な事を書いてきましたが、何より大切なのは、「沢山練習をして、一日も早く自分に合った道具を使いこなす」事です。野球用品は基本的に高価です。せっかく買った道具を宝の持ち腐れにする事無く、素晴らしいプレーの手助けになる事を道具達も望んでいるに違いありません。