基礎体温に潜む生活の落とし穴!体温を上げて健康的な心身をつくる!
基礎体温と言われてピンとくる人はあまりいないでしょう。私たちの身体に誰でもふつうに備わる体温のことですから当たり前です。しかし、この基礎体温を軽視していたら大変なことになってしまいます。基礎体温の落とし穴と、健康的な生活について考えていきます。
人間の基礎体温は一定じゃない!?
基礎体温と聞けば、私たちの身体に備わっている常に一定の体温のことを思い浮かべます。しかし、基礎体温は案外一定じゃないんです。もちろん、風邪をひいたら体温が上がって熱が出るのは、誰しも知っていることですが、普段の生活の中でも上り下がりしています。
人間の基礎体温が一番低いのは寝ている間や寝起きです。寝ている間というのは、血圧が下がって心拍数も血行も低くなっていますので、当然体温が下がります。雪山で遭難して眠ったら死ぬというのは、寝ている間に体温が下がってしまうからです。そして、逆に日中の活発に活動している時間帯は、当然一番高くなります。しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、基礎体温は外気とは関係がないということです。
外気が蒸し暑いからといって、基礎体温も上がっているかと言えばそうではないんですね。爬虫類のような変温動物では、外気にあわせて体温も変わるのですが、私たち人間は恒温動物ですから、外気には比例しません。
基礎体温が下がるとどうなるの?
基礎体温が下がってしまうと、健康面で様々な弊害が起こります。その一例として免疫力が大きく低下してしまいます。風邪をひいて熱が出るのは、体温をグッと高めて免疫力を高くしようとしているからなのです。身体の免疫は体温が低下すればするほど弱くなっていきます。そのため、体温が低いと様々な病気になりやすくなってしまうのです。
また、基礎体温が下がると動物の運動能力も低下してしまいます。パフォーマンスが低下した状態では、何をしても身体の動きが悪いのでダルくなってきてしまいます。低血圧も引き起こしやすく、血圧が下がることによって、活発な活動で踏ん張りが利かなくなったり、めまいや立ちくらみなどの症状が出てきてしまいます。
夏場の冷房は基礎体温を下げる要因に?
先ほど、私たち人間は恒温動物なので外気と基礎体温は比例しないと説明しました。そのいい例が夏場です。夏場の暑さにやられて、汗がたくさん出ているからさも体温が上昇しているのかと思いきや、熱を測っても体温はほとんど上昇していません。それどころか、深刻なのは、体温が低下していることのほうが多いのです。
外気が暑いと、身体が体温の上昇を防ぐために、汗を放出して体温を一定に保とうとします。しかし、夏場の室内での過度な冷房や冷たい飲食物を多く摂ることによって、この働きが逆効果となってしまい、体温が急激に下がっていってしまいます。外が暑いからといって、直接冷房などで身体を冷やしすぎてしまうと、基礎体温がガクンと低下していることにもなりかねません。
夏場の基礎体温の低下は、現在大きな問題となっており、夏バテや夏風邪の大きな要因となるだけでなく、自律神経も大きく狂わせてしまうため、身体や心身の健康が維持できなくなります。
冬場の暖房も基礎体温を下げてしまう
また、真逆の事になりますが、北国での真冬の過度な暖房も基礎体温を下げてしまう大きな原因となります。夏場の過度な冷房とまったく同じ原理で、北国では冬場の暑すぎるほどの暖房が効いています。それも、エアコンレベルでは広い部屋や施設を暖められませんので、ストーブをガンガンつけていますから、乾燥しますし、室内は常夏状態となります。それによって、身体が基礎体温を下げてしまうこととなり、外に出れば寒さがよりいっそう寒く感じたり、体調を崩しやすくなります。
真冬の寒冷地では、こうしたことから夏バテならぬ、冬バテをおこすことがしばしばあります。暑すぎる暖房のせいで基礎体温は下がり、自律神経は外気との温度差で狂ってしまい、それでいて暑いとはいっても室内は乾燥していますから、ウイルスも浮遊しやすく、風邪をひきやすくなってしまいます。
寝起きになるべく活発に動く
基礎体温を高めて、これからの冬でも快適に過ごすには、やはり自分の身体の適応能力をフルに使っていくのが一番です。基礎体温を高めていくことで、暖房をそこまでつけなくとも暖かく、快適に過ごせるようになるはずです。
また、基礎体温は一日の中でも一定ではないことは、説明してきましたが、これからの冬場に厳しくなってくるのは寝起きの朝の寒さです。朝は基礎体温も血圧も下がっていますから、寒さには敵いません。しかし、ここで暖房をつけてしまうと、いつまでも基礎体温が上がりませんから、暖房はなるべくつけずに、身体をたくさん動かすようにしましょう。朝の寒い時間帯でも身体を活発に動かしていくことによって、身体が目覚めますし、体温も上がってきます。
そして、裏ワザとしては、朝起きたあとにドライヤーで軽くお腹を暖めてあげると、内臓の動きが活発化して基礎体温が上がりやすくなりますし、血行も良くなり血圧も上がってきます。