嫌いな相手との関係を改善する、今日から使える心理学的方法とは?
嫌いな相手や、何となく苦手な相手との関係を改善するポジション・チェンジという方法を紹介します。先ずは相手の立場を知りましょう。
ポジション・チェンジとは?
どうしても好きになれない相手、苦手な相手や、はっきり言って嫌いな相手がいる場合、日常に関わりが無ければ気にする必要は無いかも知れませんが、そんな方と関わらなければならない時は、関係を良いものにしたいですよね。そういう時は相手の立場になってみるポジション・チェンンジという心理学を使った方法をオススメします。
例えば、いつも仕事でガミガミと叱りつけて来る上司。あなたの立場だけで考えると、正直うるさいという風にしか思えないかも知れません。しかし、上司の立場で考えてみたら、意外に自分に言ってくれているのかも知れません。相手の立場と自分の立場を入れ替えてみるワークを試してみてください。
それぞれの立場を考えてみる
【ケーススタディー】
上司「今月の売り上げはどうなんだ。残り3日でちゃんと達成出来るのか?」
あなた「はい。ギリギリですが、何とかなると思います」
上司「思いますというのはどういう事なんだ!はっきりとした事は言えないのか?」
あなた「一件だけ顧客が回答を保留してまして、3日のうちには回答を頂けそうなんです。前向きにはご検討頂いているので、そこが決まれば目標達成です」
上司「そこが決まらなかったらどうなるんだよ。他に案件があるのか?それと、3日ご検討頂いている事に対して何かアプローチはしてるのか?」
あなた「すいません、他の案件はありません。アプローチはせずにお客様の意志を尊重して待っていようと思ってたのですが」
上司「バカヤロー!どうしてちゃんとアプローチしないんだ!ほっといたら3日の間に回答が来る保証は無いじゃないか!しかも他の案件が無いのになぜ社内にいるんだ!」
あなた「そのお客様が決まったら目標達成なんで、来月の数字を作るための準備をしていたんです」
上司「今月の数字を達成してる訳でも無いのに、皮算用して来月の事を考える資格は無い!直ぐに案件を作って来い!」
こんなケーススタディーでそれぞれの立場で考えてみましょう。
あなたの立場
あなた「(まったくうるさい上司だなぁ。そのお客様が決まれば目標達成じゃないか。どうせ後3日で新たな案件なんて見つかる訳無いんだから、来月のための動きをした方がいいんだよ)」
あなた「(それにこんな風にバカヤローとかまで言われて、ひどいよなぁ。なんで自分ばかりこんな風に叱りつけられないといけないんだよ。もうちょっと褒めてくれても良いだろう)」
あなた「(毎日頑張って外回りしているのに、その苦労にはねぎらいも無いし、自分が売り上げを上げたら上司の成績に貢献する事になるんだから、もうちょっと感謝してもらいたいね)」
ポジション・チェンンジをすると
上司「(彼は厳しく育てなければ育たないタイプだなぁ。目標に近づいたら気を抜く癖があるから、そういう時にしっかりとフォローしてあげないといけない)」
上司「(でもなかなかいいセンスしているし、頭も良いから、耳が痛い事でも何度も言っていかなければならない。実際、過去に叱責した事は、いぶかしがりながらもちゃんと成果を出してくれている)」
上司「(いつも彼のおかげで我がグループの成績も安定しているし、チームワークもとれている。自分が憎まれ役になってチームワークを良くしているのもあるが、とにかく彼には感謝をしているから、しっかりと厳しく導いてあげる事が彼のためなんだ)」
という様に、相手の立場になって考えてみると、その印象は変わるかも知れません。自分の立場だけで考えていた時には見えなかった事実や、そういえばこんな事もしてくれていたという様な所まで見えてくる場合もあります。合わないと思った人がいたら、先ずは相手の立場になって考えてみましょう。
人に協力してもらって3人でのワーク
このポジション・チェンンジのワークは、一人でやるよりも、他の人に協力してもらってやると更に効果的です。
2人の場合、相手に苦手な人の役をやってもらい、自分と会話のやり取りをします。その後、役割を変えて、あなたが苦手な人になりきって会話します。3人の場合は、そのうち1人は第三者として傍観します。残り二人でやり取りをします。そして順番に役割を回すと、とても効果的なのです。それぞれの人の立場を理解する練習を繰り返してみてください。