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なぜ体を使って覚えるほうが記憶に残りやすいのか?記憶の仕組み

小さいころに自転車が乗れた人は大きくなってからでも乗れると思います。ですが、頑張って覚えたテスト問題は、気付いたら忘れているということはありませんか?早い人ならテストが終わった次の日あたりで忘れているかもしれません。

では、なぜ体を使ったことはずっと覚えているのでしょうか?

記憶の仕組み

記憶には2種類あり、短期記憶と長期記憶というのがあります。短期記憶とはその名の通り短期的に覚えてすぐに忘れてしまう記憶のことで、長期記憶とはずっと覚えている記憶のことです。

これら2つにはそれぞれ特徴があり、1度学んだことはその場では覚えているかもしれませんがすぐに忘れてしまうこと、たとえば名前を聞いてその時は覚えていても後から忘れてしまうこともあるかもしれません。ですが、それを何度も繰り返し学んでいると、脳はそれが重要なことなんだと判断し、意識的に思い出せたり感覚的に身に付くこと、これは長期記憶といえます。

長期記憶には2つの方法があり、1つは回数を繰り返すことです。テスト勉強も1度見ただけだと覚えられないことも何度も見ていると覚えてきます。それは友達や職場での関係もそうで、名前も1度聞いても覚えられなくても何度も聞いたら覚えられることもあるでしょう。

そしてもう1つは感情です。感情的に強い経験は長期記憶に残りやすく、たとえば昔一番辛かったこと、悲しかったこと、楽しかったこと、喜んだこと、幸せだったことを思い出してと言われたらすぐ思い出せる出来事があると思います。それは一度に沢山出てくるというより、その中でも最も感情的な高まりが強い出来事を思い出すと思います。

脳はそうして感情的に物事を分けることで自分にとって痛みになるもの、快楽になるものを分けているからです。

細胞レベルの記憶

そして、その感情が動いたものの中でも体を動かしたりテンション、エネルギーが高い時にしたことは細胞のレベルまで記憶されると言われています。それは長期記憶に残りやすいということで、感情を動かすには五感でキャッチ出来るものの中で大きく動くものになります。

目で見てびっくりした時はそれが記憶に残るでしょうし、耳で聞いてうっとりしたものも記憶に残るでしょう。その中でも体と目、耳を使った活動は特に覚えやすく、体を使った自転車でもずっと乗れます。

ほとんど体を動かさなくても自分が一番リラックス出来る好きな場所を目で見たら、そこで感情が動くほどまたその場所に行くとその安らかな気持ちが得られると感じると思います。

それを活かしたテスト勉強の仕方としては、分からない興味のないようなものをじーっとみてうんうん唸るより、記憶するキーワードがあれば、その1つ1つの言葉に合わせて指を動かしたり体を動かしたり、組み合わせて歌にしても覚えやすいでしょう。

また、イメージの中でその言葉とそれぞれ特徴的なものを結び付けるとまた思いだしやすいかもしれません。その記憶の強さは特有性の強いものです。

特有性の強いものは分類される

心理学用語ではアンカリングという言葉がありますが、これは特定の刺激によって引き起こされる反応のことで、人間に当てはまることです。

たとえば、好きな人を見るという刺激によって引き起こされるドキドキする気持ち、これもアンカリングです。そして、それはずっと記憶に残っていて、それが独特で他とはかぶらない刺激であればあるほどその刺激によって引き起こされる反応は強くなるようです。

普通に過ごしていると、沢山の異性と会う中でドキっとする人もいればしない人もいるでしょう。そのドキっとする感覚が強いほど他の人と違うタイプという特有さ、自分なりの独特さなどがあり、それが自分のタイプだと思います。どんな異性にもドキドキするというのはほとんどないと思います。

スポーツでもこれが使え、最善のパフォーマンスを発揮するという反応に対して、その状態を引き起こす刺激を持っている人、プロでも一連の動きを繰り返すことでそれをすることによって自分の最善の状態を引き出す刺激を与えるということをしている人もいます。

これを勉強や仕事で活かすには、覚えたいものに特有性を持たせればいいことが分かります。たとえば国名を覚える時に全部言葉で話しているだけではどこに何があってどういう区別があるのか良く分からず、日本でも隣の県が近すぎて良く分からない時もあるかもしれません。

そういう時にさっき出てきた体を使うこと、目を使うこと、イメージを使うこと、音を使うことを組み合わせたり、1つ使うにしても他の動作にはないことと組み合わせると、その記憶を引き出したい時にその動作をすることで思い出すことが出来ます。

さっきの例でいえば、その地域の形を指で動かして、イメージでも覚え、独特な声を心の中でも唱えたりすると、それを思い出しやすくなるようです。

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