古い常識よ、さようなら!怪我を治す新しい常識!
「聞いて!聞いて!記事ネタ!見ぃつけたっ!男の人は関心ないかもしれないけど、女の人なら絶対気になるはず。だって怪我しても跡が残らないから。痒くもないし痛くも無い。女性が気になるなら男の人も知っていても良いよね」
毎週会う女友達が目を輝かせ、会う早々から話し出した。なんでも五日前に自転車で溝に落ちて怪我をしたようで、右手に二か所怪我をしたらしい。
幸い軽傷だったが、彼女は怪我をした瞬間、以前から試したかった事を実行した。それは『キズパワーパッド』の効果実験だ。結果は、痒みも無く、怪我跡も残らず、治りも早い。彼女自身驚いたようだ。
会っている間、彼女の熱弁をたっぷり一時間聞かされた。まるで趣味の話をしているように目をキラキラさせていた。「絶対に良い記事になるから書いて!」と何度も言われた。
そこで、『キズパワーパッド』なるものをネットで調べ、近所にある三軒の薬局に取材に行った。薬剤師さんの話を聞くためと、怪我をした彼女の言う通り、『キズパワーパッド』が薬局の中で一大コーナーを設けて売られているかを確認するためだ。
彼女の言う一大コーナーは三軒とも設けられていなかったが、たしかにバンドエイドよりも目立つ棚に『キズパワーパッド』『クイックパワーパッド』なるものが置かれていた。その脇には『大人気!』『売れています!』とメッセージがあった。
早速薬局の人に聞くと『バンドエイド』より人気があるらしい。人気の秘密は、治るのが早いからだと言う。『バンドエイド』より若干高めでもよく売れるのかと聞くと、消毒液を追加で購入する事を思えば安上がりだと言う。また怪我をした彼女の言うように新しい常識への認識の変化だと言う。
古い常識では消毒してガーゼや絆創膏を貼っていたが、それは治療を遅らせているだけだ、という薬剤師の方もいた。次の二つの常識は間違っていると言う。
間違った常識①『傷口は消毒しないと化膿する』
消毒すると正常な細胞まで殺す事になり、治療を遅らせる要因の一つになる。消毒でキズが膿んで痛いのは、雑菌も殺菌していると同時に治療細胞も壊している。
痛いのは治療細胞が悲鳴を上げているからだと言う。勿論、外部からの黴菌やウイルスの侵入を防ぐ必要があるが、それは流水で傷口を丁寧に濯ぐ事で行えばよい。数日しても傷口がズキズキと痛むようなら医者に行けばよい。
間違った常識②『傷口は乾燥させる方が良い』
傷口からは治療に有効な滲出液が出る。ガーゼを当てて滲出液を除いたり、乾燥させて『かさぶた』にしてしまうと治療がスムーズに行われず、治療が遅れる主因になる。
傷口を湿った状態にして、ハイドロコロイドで覆うと最大限に治療に有効な滲出液が力を発揮してくれるのだ。つまり怪我が治ってきている証拠と言われた『かさぶた』は、治療を遅らせている証拠という事だ。
新しい怪我治療の常識は湿潤療法
今までの常識が通用しないなら新しい常識は何だろう?それが『キズパワーパッド』に代表される湿潤療法だ。湿潤療法の手順は2ステップと簡単だ。
1stステップ『傷口をよく洗う』
キズを多量の流水で洗い、消毒したり乾燥させたりしないようにする。消毒液や乾燥させる薬品は治癒細胞を破壊するだけなので使用しない。雑菌が心配かもしれないが、日本の水道水は飲料として飲める水なので心配は無い。破傷風などのリスクがあるキズなら医者の診断が必要だ。
2ndステップ『傷口を湿らせたまま覆う』
キズを覆うように大きめのパッドを傷口に貼る。パッドは自然治癒力を高めるためにハイドロコロイド素材がキズを覆うようにできている。粘着部分も防水防菌に優れた素材なので日常生活に支障が無い。手に貼ったパッドが皿洗い中にはがれる事も無い。風呂に入ってもはがれる事は無い。
これだけで治療完了だ。後は治るのを待つだけ。傷跡が残らず、早く治り、痒さも痛みも無いとなれば知っていて損では無い。ハイドロコロイド素材の絆創膏はスウェーデン軍人の足マメや靴擦れ治療のために開発されたモノだ。
日本では病院などの医療機関でしか使われていなかったキズケア製品だった。医者が奥の手として使っていたモノであれば、効果は期待できる。
冒頭の彼女も消毒液や赤チンの類は、すっかり捨ててしまったらしい。アウトドアでの活動が増える夏が始まる。手元に一つは『キズパワーパッド』を用意しておくのも良い。