誰でもできる!「相談の天才」になって、トップ営業マンになる方法
「営業マンにとっては数字が何よりも大切なこと」、と、それは確かに正しいこととは思いますが、あまりそればかりにこだわりすぎるのは考えものだと私は考えています。
売り上げ数字や顧客数字はとても大切な数字ではありますが、もっと大切なのは「相談可能顧客数」、つまり、色々なことを気軽に相談できるお客の数だと私は考えています。
実際にモノを購入してくれる「顧客」よりも、何でも相談できる人を増やした方が、営業マンにとっては何よりもオトクである。その理由を、以下に説明していきたいと思います。
相談なら、誰もが受けてくれる
トップセールスマンのデスクの上を見てみると、ズラリと顧客のリストが並んでいて、「自分もいつかはそんな風になりたいなあ」と憧れを抱いたりするものですが、そのような幻想を抱いてしまうと思わぬ罠に陥ったりしてしまうものですから、注意をして頂きたいと思います。
顧客を獲得するという事は、そのように顧客リストをズラリと並べたトップセールスマンであっても実はとても大変な事で、一朝一夕の努力でなし得られるものではありません。
「顧客を取ろう」「何かを買ってもらおう」「とにかく営業成績を伸ばそう」と必死に努力をするのは素晴らしい事ではありますが、誰しもがそうしたいと願っていることを実現する事は、並大抵の努力ではなし得る事ができないのです。
でも、そういった努力目標を「相談に乗ってくれる人を増やそう」という目標に軌道修正すると、あらゆる事がうまくいくようになってきます。
トップセールスマンであっても、モノを買ってもらえる確率はごくわずかですが、相談であればどんな人であっても受けてくれるもの。
顧客を増やす努力をするよりも数段楽に多くの「相談できる人(数字)」を獲得する事ができますから、途中で挫けてしまうこともありません。
「何としても今月はこれだけの顧客を獲得するぞ!」と妙な力が入り過ぎてしまっている人には、特に発想の転換をするようにオススメをしたいと思います。
相談の天才は、すなわち「営業の天才」
筆者の古くからの同僚に「相談の天才」と呼ばれる人物がいます。建築業界のトップ営業マンとして活躍する彼ですが、とにかく相談がうまい事で有名な人物です。
知り合った人物の得意分野を瞬時に見出して、何でも相談をすることから始める彼の営業スタイルはまさに名人芸。
先日も、総務課の課長と私と彼の三人でオフィスの文具のまとめ買いに関して話をしていた時に、すぐに「そうだ、文具に詳しい知り合いがいるから、ちょっと相談をしてみようか」とおもむろに携帯電話を取り出して、どこかの取引先に電話を入れていました。
この電話をした相手とは知り合ったばかりの関係ではあったそうなのですが、ものすごく万年筆にこだわりをもっている人物だったそうで、営業に出向いた時の雑談の内容を覚えていた彼は、さっそくその人に相談を持ちかけたという訳です。
電話を受けた方も、何気ない雑談の内容を覚えていてくれた事に大喜びで、さっそく古くからの知り合いである文房具メーカーの営業マンを紹介してくれたそうです。
この営業マンは上司を引き連れて私の会社にやってきたのですが、そういった私の友人の営業スタイルにいたく感銘を受け、何と新しい自社ビルの建築案件の相談をその人から受けてしまったのです。
これは極端な成功事例ではあるのですが、とにかくこの同僚には、この類のエピソードがたくさんあります。
「顧客を探す」というよりも「相談相手を探す」というスタンスですから、訪問件数も数多く回れますし、相手も警戒心を抱きませんから、自分自身が疲れを感じる事もありません。
努力目標を変えてみることの重要性を象徴しているような話だとは思わないでしょうか?
一番分厚いリストを作ろう!
顧客リストのファイルが薄いと、上司からプレッシャーをかけられたり、自分自身で自信を失ってしまったりする事があるかもしれません。
でも、そんな時は焦ってしまっては駄目なのです。顧客なんてものはそう簡単に見つかるものではないのですから、そんな時は、顧客リストではなく、「相談に乗ってくれる人のリスト」をどんどん分厚くするように努力目標を修正すれば良いのです。
何でも相談ができる人が増えてくれば、今度は向こうからも色々な事をあなたに相談してくれるようになってきます。そんな「持ちつ持たれつ」の関係が増えてくれば、比例して顧客数というものも増えてきます。
焦れば焦るほど、お客というものは「何かを買わされるかもしれない」と警戒してあなたから離れていってしまうものですから、そんな時は肩の力を抜いて「相談に乗ってくれそうな人」を探すようにすることをオススメしたいと思います。