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満場一致の決定で本当に大丈夫?落とし穴が無い様に選択肢を浮彫に

組織内での満場一致の決定は危険をはらんでいます。葛藤の無い決定には落とし穴が潜む場合があるので、意見を戦わせて問題点を洗い出しましょう。

例えば既存の事業が上手く行っている会社が、更にビジネスを拡大しようと新規事業に参入するかどうかの会議を開いたとしましょう。そして会議の参加者全員が賛成した、つまり満場一致の場合はとてもリスクが高いと言えます。

最初から様々な反対意見があり、その上で検証に検証を重ねて、その結果全員が納得したという様な満場一致であるならば、その判断は限りなく正しい判断と言えるでしょう。しかし、最初から満場一致というのでは、一人で決めたのと対して変わりません。その場合は一旦会議をやめて、検討し直す事が必要です。

満場一致が危険である具体的な理由

例えば、3人でラーメンを食べに行くことになったとします。3人のうちの1人が、「Aというラーメン屋さんはとても美味しいらしいよ」と言いました。それならと、他の2人もそこのラーメン屋さんでいいよと合意したとします。すると、3人のうち1人にとっては苦手な豚骨ラーメンだった。という様な事があり得ます。

つまり、「Aというラーメン屋さんが美味しいらしいよ」という1つの選択肢だけに対して希望的観測があって、しかもそれが抽象的な内容だった事から、全員がそこで良いという判断になったのです。

もしも、「Aというラーメン屋さんが美味しいって、◯◯君が言ってたよ」という場合であれば、「え!◯◯君はいつも味が分からないって言ってる人だからあてにならによ」という反対意見が出たかもしれません。

もしも、「Aというラーメン屋さんで、美味しい豚骨ラーメンを出してくれるらしいよ」だとしたら、「ごめん、僕は豚骨ラーメンは苦手なんだよ」という答えになるかもしれません。

また、「Aという豚骨ラーメンのお店と、Bという醤油ラーメンのお店、Cという味噌ラーメンのお店が評判がいいみたいだけどどうする?」だったら、「僕は醤油ラーメンが食べたいからBがいいけど」「え?そうなの?出来れば味噌ラーメンが食べたいからCがいいな」という様に議論があって、3人にとって最も納得のいくラーメンを食べられる確率が上がる訳です。

これを事業に置き換えたらどうなるでしょう?

「新規事業を行うとこういうメリットがあるから手を広げようと思うんだけど、皆どう思う?」

という会議では無く、

「新規事業を行うにあたって、これだけ資金が必要で、これだけの人員が新たに必要。そして、皆にやってもらいたい事がこれだけ増えて、万が一失敗した時にはこういう影響が出る。その時には皆にもこういう影響が出る」

という様な、具体化をすればするほど、満場一致の意見にはなりにくいのでは無いでしょうか?つまり、最初から満場一致の意見が出る事自体が、選択肢が無かったり、抽象的なテーマである可能性が高いのです。そして、ほとんど何も検証しておらず、そのデータも無いという事が多いのです。

自分事に落としこむ

反対意見が出ない時のもう一つの特徴は、テーマが他人事である場合です。例えば、新規事業にチャレンジしようと思うという場合は、出席メンバーはもしかしたら、「へぇー」としか思っていないかも知れません。他人事だと、敢えて反対意見を出して上司や同僚の心象を悪くするリスクを負う必要が無いからです。しかし、これが自分に影響する事であればどうなるでしょう?

「新規事業にチャレンジしたいと思う。成功すれば皆の給料も10パーセントアップ出来る。しかし失敗すれば10パーセントの給料カットを覚悟してくれ」

だった場合は、全員が賛成をするのでしょうか?決して他人事では無く、自分の事と捉えて真剣に考え、その結果、言いたい意見を言うはずです。

満場一致の裏には、精査した上での本当の満場一致と、何も話し合われていない満場一致があるという事を認識しておいて下さい。

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