来店型事業を展開するなら、環境作りを最優先しよう
小さいながらも一つの城のトップとして仕事を始めるに当たり、様々な人たちから助言をいただいた。独立して起業する。二代目経営者として業務を引き継ぐ。1つの視点のトップとして、トップの補佐として仕事をする。いろいろな場合があるだろうが、今までの経験の中でいただいた助言を紹介していきたい。
店やオフィスのライトは開店と同時に全点灯する
複数の飲食店を経営する女性オーナーに言われた言葉だ。節電と言われるが、新規開店をするなら、全点灯する効果の方が大きい、と言われた。うす暗い店やオフィスが好まれるような業種もあるだろうが、基本的に明るい店やオフィスに人は集まる。来店する立場になれば十分理解できるはずだ。
玄関とトイレはマメに掃除をする
来店した人が最初に目にするのは玄関や入口だ。玄関や入口が汚いと入る気が薄れる。トイレも昔から言われてきたことだ。トイレが汚い職場では、店や職場の底が知れてしまう。『会社のレベルを知るにはトイレを見ろ』と言った経営者までいる。
人が入りやすい環境を作る
入口や玄関は広く取っておく。入口や入口から見えるところに花や観葉植物を置く。最初に訪問した取引業者の社長さんが言った言葉だ。冷たい無機質な風景よりも温かみのある有機質な風景を人は好むようだ。
有機質な環境であれば、業界内の他店はビルの中の無機質な印象が強い中で、より印象深くなる。モダン風の喫茶店よりカントリー風の喫茶店が多いのも、居心地の良さの演出だ。人が集まるようにするには居心地の良さを演出することが大切だ。
イメージやカラーを統一する
環境づくりをするうえで統一カラーや統一イメージを持つことは大切だ。例えば、ブラウンを統一カラーにカントリー風のイメージの職場づくリをするなら、デスクや椅子も自然に選ばれていく。
安価な家具ばかりに気を取られ、統一感なく居心地の悪さだけが強調されれば、開店後の客足に響くと考えよう。せっかくコストを安くしても結果的にマイナスになる。統一カラーは強調され過ぎないようにワンポイントで他の色を入れておくと、なお良い。
ゆっくり休めるスペースを作っておく
ソファやベンチなどを設置する。来店した人が待つことも考えなければならない。道行く人が休めるようなスペースがあれば人は足を止め集まりやすい。最近は若い人達が道に直接座っている場面を見かけることが多いが、ベンチひとつあれば腰かけ客となる可能性が高い。未来の客を逃しているような場合も多々ある。
私の職場近くにも新しく起業した若い人たちが事務所や店をオープンさせている。傍らから見ていると何の変哲もない事務所や店であったりする。個性もなく、新しい商法や値引きにばかり気を取られオープンしているようだ。せっかくオープンするのだから、アイデアばかりに気を取られるのでなく、長く通える環境作りを優先して欲しいものだ。