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クライアント担当者の名前と顔が一致する簡単記憶術~前編~

本当はスマホで顔写真でもコッソリ撮れれば最高なのでしょうが、そんな失礼な事はできません。そこで、商談の後、忘れないうちに、簡単な顔の特徴や話の端々に出た趣味なんかも手帳にメモって名刺に貼っておくと良いでしょう。似顔絵が得意な人は簡単なイラストか何か描ければ効果的です。ちなみに私は秘書時代、名刺の裏にそうしていました。

バブルの時代のクライアントは、社名と名前と声を覚えることが重要!

今から20年ほど前の話です。私はまだ20代で大手商社の副社長秘書をしておりました。まだメールもパソコンも普及していなかったので、アポ取りや連絡はもっぱら電話かFAXでした。

クライアントの担当者は、企業の役員以上になりますので、相手も自分は特別だと思っています。「やあ、こんにちは!」としか言わず、名前をしっかり名乗ってくれない人もいたくらいです。1度目は、お名前を覗っても
「新入社員で配属されたばかりですから、失礼致しました。次からはこのような事はありませんので、お許しください」
と言ってお詫びをすると「○○商事の△△ですから、しょっちゅう電話かけるからよろしく!」なんて親切に教えてもらえます。この頃は、良く電話のかかって来る方とは、ちょっとした季節のご挨拶や天気の話をするなどご挨拶をして機械的に取り次ぐような感じではありませんでした。

おまけに先方は企業名を短縮しておっしゃっても、こちらは正式名称を申し上げないと失礼になりますので、何より社名と声を覚えるのが大変でした。時には社名を言わず名前だけしか名乗らない人もいます。声で通じると名前さえ名乗らず、「こんにちは!副社長いる?」と言ってくる方もいらっしゃったのです。
ご自分が会社では社長クラスですから、クライアント先でも似たような態度でご自分は特別なのです。気分を害することは絶対にしてはなりません

そこで、私は1度目はしっかりとお詫びをしながらお伺いしますが、会社名と名前、声の特徴、話癖までメモをしておくようにしました。他人には見せられない私独自のイメージメモです。失礼なたとえもありました。「態度の大きな『ワシ』(嗄れ声)」というのもあったんですよ。これは、某大手銀行の頭取で「おはよう!ワシじゃが、副社長いるかね?」とかかってきます。「どちらの『ワシ』様でしょうか?」と言って周囲を凍らせたことがあります。

その時何を話したかも雑談内容も私用のメモには書きとどめておきました。そうすると、次にお電話を戴いた時に「○○はどうなりましたか?」等お尋ねすると喜んでもらえます

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