「キリのいい所まで」終わらせると、仕事が進まなくなる恐ろしい話
「区切りのいいところまで終わらせたいから今日はゴメン」。このように同僚の誘いを断った事はないでしょうか?
仕事に区切りをつけることは、メリハリをもたせるという意味でも重要な事ではありますが、時としてそれがマイナスに作用する事があると聞かされたら、あなたは驚いてしまうかもしれませんね。
でもこれは本当なのです。仕事を区切ることによって、実はもっと大切なものが失われてしまう場合があります。その大切なものについてご紹介をしていきたいと思います。
区切らない方が良い事もある
こんな一例をご紹介したいと思います。終業時間が近づいた頃に、あなたはまだ企画書の作成をしていたとしましょう。かなりな力作を作っていたあなたですから、終業時間などは関係なく、そのまま区切りのいい所まで企画書の制作を押し進めてしまいます。
ですがここで、ちょっと考えてみていただきたい事があります。この企画書を作成するという作業ですが、これって仕事をしていれば、年がら年中やらなくてはならない作業ですよね?
確かに、終業時間を過ぎてもあと2時間ほどで終わる見込みがたっているのであれば、そのままの勢いでこの作業を終わらせてしまった方が良いように思えますが、終わらせた所で、あなたを待ち構えているものは、「次の仕事」。
せっかく付いた勢いならば、その勢いを「次の仕事」にも利用してしまった方が絶対にオトクなのですが、「早く終わらせて区切りをつけて、”終わった感”を味わいたい」という欲求に負けてしまい、せっかくの勢いを利用しない方法を選択してしまうのが、よくあるパターンですね。実にもったいない話です。
あと少しで終わりそうな作業であるならば、あえて翌日に取っておくようにした方がトータルでは絶対にオトクなわけですから、もしもあなたがこのような「区切りたがる人」であるならば、ちょっと別の考え方も参考にするようにした方が良いかもしれませんね。
翌日は「途中」から始める方がいい
あえて区切らずに、翌日に残った作業から始めると、作業にスンナリと入っていけるメリットがあります。Aという作業が終わってBという作業に取り掛かる時、その間に一日を挟んでしまうと、Aの作業で付いた勢いというものはなくなってしまい、Bという作業が「ノッてくる」までには相当な時間を要することになります。
であるならば、たとえキリが悪い状態であっても、前日のAという作業は少しだけ残したままにしておいて、翌日は前日の作業Aの勢いを利用して、いっぺんに仕事を終わらせてしまい、その勢いそのままに作業Bに入っていった方が、作業は何倍も早く片付けられるようになるのです。
一旦ゼロに戻してしまってから新しい作業を始めると、「ノッてくる」までには相当な時間とエネルギーを必要とします。あえて区切らない方が良い理由が、お分かりいただけるのではないかと思います。
緊張感も維持できる
「ノッてくる」までの時間を大幅に削減できるメリットの他に、区切らない仕事の仕方をすると、緊張感が維持できるというメリットもあります。
人間というものはとても弱い生き物ですから、区切りを得るとその開放感から、羽目を外して遊ぶという誘惑に勝てなくなってしまいます。
これが、「少しだけ仕事が残っている状態」だとどうでしょう?もうゴールが見えてきているわけですから、それほど重圧などは感じない状態ですが、「何となく仕事が気になっている」という、疲労には繋がらない、「いい意味での緊張感」が残っている状態になるはずです。
こういう状態ならば、しめたもの。羽目を外し過ぎて翌日は二日酔いでダウンなどといった状況は、回避ができるでしょうから、仕事にも支障が出にくくなります。
「アフター5くらいは仕事の事は忘れたい!」という声も出てくるかもしれませんが、平日の夜というのは、そもそもが遊ぶためではなく休息を取るために存在しているものですから、ここは「実」をとって、そこそこの遊びに留めて、仕事の進捗を優先するようにした方が、長い目で見るとオトクなのです。
「効率的に仕事を消化する技術」を身に付けよう
仕事に区切りを付ける事は重要ですが、次から次へと押し寄せてきて、実は区切りなどは存在していないのが仕事というものだと思います。
であるならば、「偽物の充足感」などは追い求めずに、勢いというものを最大限に利用して、効率的に仕事を消化する技術を身に付ける方が、何倍もあなたの人生にはプラスになります。
人間に与えられた時間は、誰にも平等で24時間と決まっているわけですから、少しでも無駄にしないようにしていただきたいと思います。