会社の存在目的ってなに?あなたの会社はなんのためにある?
会社の目的は、単に利益だけのものではありません。顧客のニーズを作り出し、新しい市場を作り出す事です。社会の一員である会社の目的を考えましょう。
会社とは果たして何のためにあるのでしょうか?会社というのは営利目的で作られているために、物が売れて利益が出ればそれで良いと考える人も多い様なのですが、本当にそれで持続的に成り立つのでしょうか?
今、企業毎に様々な考え方があります。利益主義の会社と顧客目線の顧客創造形の会社の違いを考えてみましょう。
利益主義
商品が売れればそれで良い。そのためには何をしても良いという考え方が根強い企業が今だにあります。そういう会社にとっては、利益が正義であって、社会貢献も顧客満足も関係がない場合が多いのです。
しかし、利益重視だと自分たちの事業の本質が一体何なのかが見えてこないです。そういう会社ではこんなやりとりがよく行われます。
上司「あの物件は決まったか?」
部下「いえ、まだです」
上司「何としても今月の売り上げに計上しろよ。上からうるさく今月の利益について言われているんだ」
部下「すいません。努力してみます。しかし、お客様は来月なら購入したいと仰っています。物件自体は決まりそうなんですが」
上司「何言ってるんだ!今月の数字が必要なんだよ。来月ではダメなんだよ。何とか押し込んで来いよ」
部下「分かりました。何とかお客様にお願いしてみます」
果たしてこれで顧客満足になるのでしょうか?自社の都合だけで話が進んでおり、相手の目線には全くと言って立っていません。しかし、こういう事が利益主義の会社には横行しているのです。
事業の本質を理解している会社
事業の本質を理解している会社は、顧客を作るという事を重視しております。顧客を作るというのは、もともとある市場に対して商品サービスを販売し利益を得るという事では無く、人が自覚していない潜在ニーズを掘り起こすという事が、顧客を作り出すという事です。
例えば、誰もが固定電話しか無かった時に携帯電話という商品を出し、自宅以外の場所からでも電話が出来るという様な事です。
今まで人々は、電話は自宅でするものだという固定観念があった筈です。電話を外で持ち歩いてかけられるという発想自体が無かった筈です。しかし実際に、もしもそういう事が出来れば使いたいというニーズは沢山あった訳ですから、新しく、かつ潜在的な市場ニーズを開拓したという事になります。
そして、商品やサービスによって、それらを満たす手段を提供するのが事業の本質です。この様に、誰も気が付かなかった所に気付き、潜在ニーズを開拓する事によって新たな市場を作り出す事が、事業の本質です。
実は潜在ニーズはちょっとしたアイデアに反応する
潜在ニーズを掘り起こすためには画期的なアイデアが必要だと思われる方がいらっしゃいますが、決してそんな事はありません。既存の物をちょっと変える程度の事でも新たな市場を開拓する事は出来るのです。
例えばスマートフォン。これは今までのガラパゴス携帯が主流であった時には無かった発想です。しかし、技術的にはそれほど革命的な変化は無かったのです。従来からあったインターネットの技術を転用しただけですよね。タッチパネルも以前からあり、携帯電話も以前からあり、インターネットも以前からありました。
その殆どが以前からある技術で、それを上手く転用する事。ちょっと発想を変える事で、以前からある技術を駆使して新たな市場を開拓したのがスマートフォンなのです。そしてそれのサイズを変える事によってタブレット型の端末が出来て、これもまたとても普及をしております。
そういう風に、既存の物を参考にして、もうちょっとこういう事が出来たらいいのになぁとか、ここがこういう風に使えると圧倒的に便利になるなぁという様な、既存の物からの発想の転換によって新たな市場を開拓する事が出来るのです。そういう目線で、事業という概念を考えてみましょう。