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どうせ誰かがやってくれるだろうという発想。手抜きの効果とは?

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2013.10.23

自分がやらなくても誰かがやってくれるだろうとか、自分が発言しなくても誰かが発言してくれるであろうという手抜き効果をリンゲルマン効果と言います。積極性が減る効果を解説します。

祇園祭の山鉾巡行をご存知ですか?

突然ですが、日本三大祭りの一つである京都の祇園祭をご存知でしょうか?毎年7月の1か月間もの間、様々な神事が行われるのです。この祇園祭の一番の見どころは山鉾巡行。重さ1.2トンの小ぶりの山と、高さ25メートル、重さ12トンの巨大な鉾の、全部で30基以上が毎年7月17日に京都市内を練り歩きます。

巨大な鉾は約50名の曳き子さんに引っ張られて、直径2メートルもある車輪をギシギシときしませながらゆっくり動くのです。その姿は絢爛豪華な上に圧巻。雅な京都のしっとりとした雰囲気の中にもとてつもないスケールを感じる瞬間です。

しかし、いつみても思うのが、この50名の曳き子さん。精一杯力を出して、体を斜めにして引っ張っている人がいるかと思えば、ほぼ直立で縄を触っているだけの様な人もいらっしゃいます。縄を触っているだけの人は、自分が引っ張らなくても他の皆が引っ張ってくれるから大丈夫という風に思っているのでしょう。

実は、この心理をリンゲルマン効果と言います。自分がやらなくても誰かがやってくれるだろうとか、自分が頑張らなくても誰かが発言してくれるであろうという手抜き効果の事を言うんです。

他にもこんな時、例えば会議で、少人数の会議の時には一生懸命話をするのに、大人数の会議では全く発言をせずに終わる事ってありませんか?これは、自分が発言しなくても他の人が発言してくれるからというリンゲルマン効果なのです。

自分が発言して変に思われたり、怒られたりというリスクよりも、何も発言しない事でノーリスクを選ぶという傾向が現れるのです。

しかし、これはとても勿体ない事ですよね。もしも全員が意見が無くて発言をしないのであれば仕方のない事かも知れませんが、中にはちゃんと意見があって、場合によってはとても良い的確な意見を持っているのにも関わらず、リンゲルマン効果によって発言の機会を無くしているのであれば、会議をする意味合いが激減します。

会議の運営方法を考え直した方がいいのかも知れません。では、リンゲルマン効果を無くすための良い方法はあるのでしょうか?

会議の時の議長の配慮

例えばリンゲルマン効果が現れやすい会議の場合に、どういう対策を行えば良いのでしょうか?先ずは発言しやすい雰囲気を作るというのが大切です。

リンゲルマン効果は自分が発言する事によるって生じるリスクを避けるという側面がありますから、そのリスクを感じさせない様にする事が重要なんです。大勢の前で発言する活気のある会議になる様に、会議自体に楽しい雰囲気を出す様に心がけましょう。

そのためには、発言をしたらどんな意見だったとしても、真っ向から否定をするのでは無く、発言した事自体を褒めてから、賛成意見を言うとか、反論をするというルールを決める事が大切です。

また、それでも発言しない人がいるかも知れませんので、議長がランダムに当てる。もしくは、全員の意思確認が出来る様に挙手をさせたり、全員に一言づつ意見を言わせる、数秒づつ挨拶をさせるなど、様々な工夫で会議の出席者を、ただ出席しているだけではなく参加者にして、アクティブな会議にしてしまいましょう。議長の腕の見せ所です。

もう一例のリンゲルマン効果。冒頭の祇園祭の例の場合はどうすればいいのでしょうか?露骨に現れていたのは、一生懸命引っ張っている人と、適当に引っ張っている人の差は、ただただモチベーションの違いだけでした。

一生懸命引っ張っている人は、募集した事によって集まったボランティアの方々。自分で引っ張りたくて来ている人達ばかりでした。反対に、適当に引っ張っている人は、周辺企業から派遣されて来ている社員さん。彼らは自ら参加したのでは無く、命令されて参加していました。

この「したい」と「しなければならない」の違いがとても大きいのです。人が能力を発揮するのは、自主的にしたいと思っている時です。しなければならない人に興味づけや意味づけ、役割と担っている事の重大さを理解してもらわなくてはなりません。

祇園祭がどれだけ歴史深い祭りで、どれだけの人が見学に来られていて、どれだけの人が感動させられているのか。その一役を担うんだという事を理解してもらいましょう。そして、自分が引っ張っている鉾の種類や、その鉾の意味を知ってもらって、自分自身がどれだけの事を担っているのかの役割を知ってもらいましょう。

後は、同じ様に曳っ張っている人達からも励まし合いの声が出る様にすると、より一層頑張って曳っ張ってくれるでしょう。しかし、どれだけの事をしても、リンゲルマン効果が変わらない人もいます。その場合はそういうものなんだという割り切りも時には必要です。

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