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起業後、事業を継続していくために必要な知識とスキルって何?

先人の事業継承、脱サラして起業、これまでの会社で力をつけ独立開業と様々な形で自営業を始める人が増えてきた。見込み客がいるから独立して開業しよう。売り上げが見込めるから起業しよう。そこまでの分析であれば、おそらく途中で頓挫することになる。自営業、事業者となって業務を継続していくには不可欠な知識やスキルがあるからだ。

それでも上手くいくか判らないのがビジネスの世界だ。そんな知識やスキルは必要なかったという経営者の方も多くいらっしゃるだろう。私的意見ではあるが、必要なスキルや知識をまとめてみた。

1.損益分岐分析力

小さな職場であるが、数年継続していると 『うらやましい』 と言われる。謙虚に構えると経営者の方の多くは台所事情の悪化だ。損益分岐となる売上ラインをどの程度下回っているかを尋ねると、損益分岐売上高は判らない、と答えられる方が多い。

分岐売上高は自社が達成すべき最低ラインとなる。それを下回れば当然悪化する。こう書いている私の職場も明日には分岐売上高を割るかもしれない。しかし事業継続の目安には十分になる。独立開業して失敗される方の多くは、

『固定費コストを甘く見た』
『特定の見込み客に頼りすぎた』
『見込売上高の期待要素が大きすぎた』

の三点を失敗の原因に挙げられる。三つの内、固定費コストは損益分岐に関係する。仕事には様々な固定費が存在する。テナント料、オフィス機器とメインテナンス料、オフィス家具、デジタル機器とメインテナンス料など、事前に予想できる固定費は数多くある。

加えて予想しなかったコストも発生する。固定費コストの予想は最低でも見込みの二割増しで考えるべきだろう。

2.市場分析力と顧客開拓力

見込み客を持たずに独立・起業することは、用意した資本を食いつぶすだけになる。当然、ある程度の見込み客を持って独立・起業をしても安泰というわけにはいかない。以降の新規顧客がなければ事業は続かない。当初の顧客も様々な事情により次第に離れてしまうからだ。

市場分析は現状だけでなく未来予測まで地域的な分析も含めて行いたい。同じ地域でのライバル社の存在も知らずに業務をするのでなく、可能な限りライバル社の強みも把握して地域戦略を練るべきだ。

常に競合しながら業務展開をするより、事業体力がつくまでは競合が少ない地域で業務展開をする方が良い。それらの戦略を支えるのが市場分析だ。しかし正確な市場分析ができても顧客開拓に活かせなければ宝の持ち腐れになる。話術も含めた顧客開拓力だ。

顧客開拓は新規客を獲得したいがためにサービス過剰になりがちだ。顧客開拓に入る前に予めサービスの限界を決めておくことだ。過剰サービスが当たり前のサービスになってしまう。一度のサービスは初回のみとすることは体力のある企業でない限り難しい。

3.情報収集能力

現代において情報収集が不可欠なことは誰もが判っている。ネットで簡単に検索し得られる。しかし業務に必要な情報はネットで検索できない情報が多い。取引先内部の属人情報、競合他社の次の戦略、新商品の開発状況などはネットで検索できる時は、事業で利用するにはタイミングを失ってしまっている。

ナマの情報を入手したい。事業に使える情報を収集したい。ネットの情報は既に古くなっている。新鮮な情報入手は、足を使うことが一番だ。一人の行動範囲は限界があるので、いろいろなポイントにキーマンを作っていくとよい。

4.豊富なサムライ知識

○○士という職業があるが、最初は頼むだけの資金がないので自分一人で会計士、税理士、行政書士、弁護士の仕事をすることが多い。いわゆるサムライ業の仕事だ。独立前には資格を持っていなくても知識は得ておきたい。特に会計士と税理士の知識は必要だ。

来年度からは納税に日々の収入の記帳が必要になる。経理に関する知識と税に関する知識は必要不可欠だ。起業後二年目には消費税の支払いがあるが、消費税を考慮せずに事業を続け赤字となった起業家もいる。会計に関する知識は少なからず必要だ。不況が長引く中ではコスト管理も大きなテーマになるからだ。

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