幽霊を見たという話は聞くのに、見たことがないと思いませんか?
仲間で集まったりしている時、怖い話で盛り上がることが良くありますよね。「これは、本当にあった話なのだけど、僕の友人が…」「あたしの知り合いから聞いたのだけど…」・・・定番ですね。
意外と「私が・・」とご自身の体験は、あまり聞きません。考えてみると不自然だとは思いませんか?なぜ、自分自身の体験は少ないのでしょう?
幽霊の人数は?
そもそも、幽霊の数というのはどれくらい想定されるのでしょうか?厚労省の統計で、日本の死亡者数は平成22年度で約120万人、もしこの方達が全員幽霊になったら・・・考えたくありません、笑。毎年ですから、幽霊だらけになってしまいます。
ちょっと条件を絞ってみましょう。
一般的に幽霊になって出る理由として、強い恨みとか怒り、未練や伝えたい事があった場合とか言われていますよね。
例えば、自殺なんかはどうでしょうか?仕事で追い詰められたり、経済的に破たんしたり、失恋で生き甲斐を無くしたり、最近ではイジメでの自殺も話題になっています。
「こんなはすではなかった、あいつさえいなければ・・」なんか未練や社会への怒りが充分ありそうです。最近の警察庁統計では年間3万人くらいで推移しているようです。
不慮の事故というのもありますよね、交通事故や火事、溺死などの事故、最近では交通事故死が少なくなって窒息が最大の事故原因になっているようです、地震や台風など天災もみのがせません。
年齢や予期せぬタイミングで亡くなるので、家族や恋人への想い。やり残したことへの悔やみなど伝えたい事がありそうです。こちらも、厚労省の最近の統計で年間約3万5千人からで、年々上昇傾向にあるようです。
そして本命、一番恨みを作りやすい、犯罪で命を落とした場合です。警察庁の統計で見ると、平成24年で約900人、毎日ニュースで見ているわりに少ないなと、思うのですが、殺人など減少傾向にあるそうです。
こうして考えると、幽霊になる可能性が高い亡くなり方をする方って、年間6万人程度、ということになるのですが・・・
しかも 年間ですから、毎年累積したら大変な数になってしまうので、恨みに有効期間があって、2年は持続すると想定をすると、常時12万人の幽霊が存在する可能性があります。はたして、私たちはどれくらいの頻度で、幽霊に遭遇する可能性があるのでしょうか?
外国人を見かけるチャンスは幽霊と遭遇するチャンスと同じ?
法務省の統計で、日本にいる在日外国人の中で、ヨーロッパ系と北米系の白人、いわゆる外人っぽい雰囲気の外国人の数が、約12万人なのです。
つまり、私たちが生活していて、白人系の外国人を見かけるのと同じくらいの比率で、幽霊と遭遇するチャンスはある。ということになるのですが・・・絶対に、そんなことはありませんよね。
まあ、よく考えてみれば、犯罪で殺された人が必ず幽霊になって出たら、裁判官や警察の前に出て「アイツに殺されたのだ、殺された本人が言っているのだから、間違いないって!」とやりますよね。
これをやられたら、「相棒」も「探偵コナン」も壊滅してしまい、アガサクリスティも小説家にならなかったかもしれません。でも、そんなことはナイ訳で・・・
といって、幽霊話が全部作り話し、というのもムリがある。どうも、実態は想定するより、はるかに少ない数の人しか幽霊になれないのだろうと・・・
幽霊はなぜ出るのか?
もちろん死んでみないと分かりませんが、幽霊になるには非常に厳しい選抜があるのではないかと思われます。
考えてみれば、死んだ人皆が幽霊になって、「隠し口座はここにある」とか「犯人はアイツ」とかやられたら、現世の秩序は無茶苦茶になりかねません。
ラブラブの恋人が亡くなって、毎晩夜サービスに出てこられたら・・・新しい恋人もできませんし、宗教観も崩れかねません。
そういう事態を避けつつ、死への尊厳を守るため、最高の恐怖を植え付けるための選ばれた存在、それが幽霊なのではないか?つまり幽霊の目的は、生前の恨みの強さや想いなどは関係なく、良心やタブーを、恐怖を通して教えることです。
そのために、決して面白い話にさせず、「私の知り合いが・・・」と、いつまでも人に拡散する恐怖を与える演出をするために、非常に厳しい選抜をし、英才訓練をほどこした、ごく限られた死者だけが幽霊になれる。これが実態として考えると、「なるほど」と納得がいくと思うわけです。