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竜宮城の乙姫さまは、家来を食べる恐ろしい独裁者だった?

私は子供の頃から、浦島太郎の話が大好きでした。

浦島太郎がいじめられていた亀を助ける場面では、自然を大切にすることと、弱いものイジメを許さないという正義感に感動し、乙姫様がそのお礼にと竜宮城へと招待する場面では、良いことをすると見返りが期待できるんだと、ちょっと大人の秘密を知ったような気になりました。

毎日が歓迎の宴会状態で浦島さんが時を忘れてしまう場面では、どんな立派な人でも女性に溺れる事があるのを学び、開けてはならないと言われた玉手箱を開ける場面では、人の道を誤らせる最大の原因は、好奇心かもしれないと悟りました。

近代でも、アインシュタインの時空の話で、浦島効果として紹介されるなどとても奥の深いお話なわけです。

その奥の深さのついでに、竜宮城について、そもそもどういう場所だったのだろうと思うようになりました。
どうも、絵本の表現なんかで知る限り、乙姫様という女王の立憲君主主義の国、のように見えるのですが・・・

最近見たアニメの「波打ち際のむろみさん」に登場した乙姫様は、竜宮城は大規模なキャバレーで、乙姫様はぼったくりの経営をするバブリーな経営者、もっとも悪どすぎて、客に逃げられて倒産、現在負債を返して、経営者に返り咲きを狙っている、という設定になっていました。

まあ、私の感覚と似た解釈なのかもしれません。でね、よく考えてみると、やっぱり乙姫様という存在一人であの竜宮城を維持するのは、そう簡単ではないと思うのです。

ヒントは、浦島太郎の絵本の中にありました。絵本をよく見ると、乙姫様というのは人と思えるのですが、周りの従女達はどうもタイやアジ、タコなどが人の形に化身しているようなのです。

学芸会を思い出しても、従者従女達は、頭に魚の鉢巻きをして仕えてました、つまり乙姫様だけが人か神に近い存在で、後は魚達をある種の術か能力で人の姿に変え仕えさせているんですね。

そして、たまにイケメンな男を竜宮城に招待して、愛欲の日々を過ごし、飽きた頃には玉手箱を持たせて帰す。
後始末の責任は男が負う、おいしい思いをして追い出すのに、この手法は後腐れがなくて、良心の負担にならない賢い方法だったのでしょうね。

で、大きな問題があります。このような乙姫様に、なぜ人にさせられた魚達はおとなしく言うことを聞いていたのでしょうか?

そんなにギャラが良かったとも思えないのです。これもヒントが絵本にありました。浦島太郎が歓待されている場面ですが、怪しく踊る女性達、そして料理を持ってくる従女の姿が書かれています。

よく見るとその料理が・・・・魚の刺身、しかもタイの活き作りとかもあるわけです。想像してみてください、タイから化身した従女が自分の知り合いかもしれないタイの活き作りを運んでいる場面を・・・

恐怖そのものですよね、もし乙姫様の言うことに逆らったり、忠誠心が足りないと思われたら、明日は我が身の可能性が高い!

酢ダコやエビフライもあるかもしれません、乙姫様の快楽のために自分たちの仲間の死体を捧げる風景。竜宮城の鉄の秩序は、明日は我が身と思わせる、恐怖政治そのものだったのです。

でもこうして生まれた秩序は以外と長命の政権になるのは、私たちの世界でも見られることです。ちょっとだけ、乙姫さまにあこがれてしまいますね。笑

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