じわじわ人気上昇中?外見と味がミスマッチ「スネークフルーツ」
南国フルーツが続々関東上陸中
バナナが珍しいと珍重されてきた時代は遠く過去のものとなり、今や町のスーパーマーケットでも珍しい南国フルーツを目にする機会は多くなっている。
かつては南国フルーツと言えばマンゴーやパパイヤ、パイナップルなどが代表的であったが、それらは今では国内産が多く流通しているほどでかなり手に入れやすくなった。
また、2003年の生マンゴスチンの輸入解禁を皮切りにフルーツの輸入が活発になっているようで、缶詰などの加工食品も含めれば日本国内でも相当な種類の果物を楽しむことができる。
南国フルーツのイメージと言えば、これらの果物からくるとろける様な甘さの香りと果肉、そして輝くような黄金の色合いなどが思い浮かぶ。
しかし中には奇怪な見た目をしたものや、不思議な風味をしているものもあり、日本にも少しずつ輸入されるようになってきた。
今回はそれらの奇怪なフルーツの中から、最近になって都心で見かけるようになったとてもユニークなとある果物についてご紹介したいと思う。
見た目も名前も特級品の変わり者・サラカヤシ
東南アジアで主に栽培されている「サラカヤシ」という果物を初めて見たのは10年前、シンガポールの友人が持ってきたお土産に入っていた時であった。軽く、小さく、とげとげの鱗でおおわれたそれは、爬虫類の1種かその卵にしか見えず、とてもフルーツには見えなかった。
時がたち、2013年になって都心のスーパーマーケットでそれを見かけたときの驚きは今でも忘れられない。10年ぶりに見かけたその果物は「スネークフルーツ」という名前で、十数個で1000円ほどの値段で売られていた。
都内の輸入会社が輸入を始めたようで、その後いくつかの店舗でも見かけるようになった。今後その存在がメジャーになれば、ライチやマンゴスチンのように価格が下がり、購入しやすいものになるかもしれない。
購入し、早速食してみた。表皮は皮というよりは殻に近く、尻尾を持って折るようにすると「ぽこっ」と音を立てて半分に割れ、中から2つの果肉が顔を出した。
皮はまさに蛇のそれで、ぺろりと剥けてきれいに剥ぎ取ることができる。果肉からは熟しすぎたリンゴのような香りが漂い、見た目はマンゴスチンのそれを3倍ほどにしたような形と大きさをしている。
口に含んでみると、予想しなかったシャクッとした歯ごたえの後に、ビワとさくらんぼを足したような不思議な味わいが広がった。
果肉は柔らかく、その香りほどにはしつこさのないさっぱりした、でも南国的な風味も持っている独特の味わいである。種こそ大きいが味は決して悪くなく、「殻」をむく楽しさも手伝って次々と食べてしまう。鱗がちょっと硬いが子供にも危険なく剥けるため、おやつにもちょうどいい。
全体を通して、ややクセがある形や香りをしているものの、味は王道南国フルーツといった感じが言える。今後全国各地でも売られるようになると思うので、見かけた人はぜひ挑戦してみてほしい。友達に紹介しても、きっと話題となるだろう。
ちなみに種を植えても比較的簡単に芽が出るらしいので、興味がある人はそちらもトライしてみてほしいと思う。