舌は健康のセンサー?同じものが違う味に感じたら要注意!?
「苦い」「甘い」「すっぱい」などなど、味には色々な種類があるのはご存じだと思います。 では、その甘さや苦さ、それぞれの味は、舌の部位によって感じる強さに差があり、それを図にした「味覚分布図」というものがあったのはご存じでしょうか?
その「味覚分布図」では、苦みは舌の付け根の方で強く感じるとされていました。私は、苦い薬を飲むとき、どうしても舌の付け根付近で飲んでしまい苦い思いをしていました。その図を見て、「じゃあ、舌の先端で味わえばいいのか」と苦い薬を先端で舐めてさらに苦い思いをしたのは、幼い日の思い出。
そんな味覚分布図ですが、実は、1990年頃にはその存在が否定されました。まあ、その経験だけでも別に舌の場所によって味が変化するという事はありませんでしたからね。
さらに、現在では、「味」は「苦味」「甘味」「酸味」「塩味」そして近年発見された「うま味」の5種類とされています。その味覚分布図には、新しく発見されたうま味が含まれていませんでしたから、否定されるのもしょうがないですね。
そんな味覚ですが、ほかの感覚が人によって異なるのと同様に、味覚も個人差が大きいものです。「一般的に美味しい料理」というのはありますが、その味の強さはやはり個人差があると思います。「美味しいけどあと少し塩味が強いといいな」という感覚は、育った環境などによるものでしょう。
さらに、そのときの体調によっても、変化するものです。夏の暑い季節に、大量に汗をかいた人が料理を作ると、本人が意識していなくても、自然と塩味を強めに作っている場合があるようです。そして、もちろん大量に汗をかいた人は、普段よりも味付けの濃いものを「美味しい」と感じます。
また、体や頭が疲労している場合には、甘い物が欲しくなったりして、甘いものを食べるとより甘く、そして美味しく感じる事があります。
なので、この感覚を逆に利用する事も出来ます。「なんだか疲れたな~」という時に飴を舐めると、本当に疲れているなら、甘くて美味しく感じると思いますが、実は精神的に疲れているだけの場合には、普段と同じ感覚な訳です。
「じゃあ、自分に甘えているだけなんだな」と自分を奮い立たせるのもいいですが、そこはちょっと待ってください。実際に貴方が「疲れた」と感じているのは間違いではありません。ですが、肉体的に疲れている訳ではないという事なので、この場合は精神的、又は感情的に疲れているのです。
この精神的疲労や感情的疲労は気が付きにくいものですが、肉体的疲労と同じで、そのまま放置しておいてはいずれ病気になってしまいます。初めは、その程度で済んでいるかもしれませんが、この疲労は舌にも影響を与えてきます。
体験談も含みますが、精神的、感情的に疲労困憊してくると、味覚がおかしくなります。甘いはずの食べ物なのに甘味を感じなかったり、辛い食べ物が辛く感じなかったり……。食べ物が美味しく感じられなかったり……。
そういう意味では、他の感覚に比べて判断がしやすいのではないでしょうか?
仕事で疲れている場合でも「めまいがするんです」というよりは「最近、食事をしても味が分からないのです」と伝えるほうが、貴方の状態を相手に分かりやすく伝えられると思います。
最近、色々と忙しい中で味の濃い物ばかり食べていませんか?それはただストレス解消のために食べるならいいですが、味覚が鈍くなっているのではありませんか?
そのための指針として、味覚について調べてみてはいかがでしょうか?