セロトニンは現代人の救世主に!?セロトニンの役割と増やす方法
近年とても注目され始めているセロトニンをご存知ですか?脳内伝達物質の一つとして存在し、私たちのメンタルと心身を正常に整えてくれます。そんなセロトニンや脳内伝達物質の役割とセロトニンの増やし方や魅力について、今回は解説していこうと思います。
脳内伝達物質の働きと現代の生活習慣
脳内伝達物質は私たちの脳内でとても大切な働きをしているもので、セロトニンもその一つです。脳内伝達物質には、様々な種類がありますが、脳内の細胞間をどの伝達物質で伝達されたかや、脳内がどの伝達物質によって満たされているかによって、私たちのメンタルの状態や気分が変わってきます。
気分はいつも突然変化するもので、それは私たちの考えている事や外部からの刺激によって引き起こされるものだと考えていませんか?たしかにそれも半分正解なのですが、実はこの脳内伝達物質が脳内でとても大きな力を持っており、これらのどれが活発になっているかによって気分が左右されてしまうのです。
つまり、メンタルをコントロールして情緒を安定させていくには、この脳内伝達物質の働きとそのコントロールが欠かせないという事になります。しかし、残念ながら意識的にコントロールできる部位ではありません。
脳内伝達物質には色々な種類がありますが、たとえばドーパミンで脳内が満たされると、気分が高まり高揚感と充実感に満たされます。ノルアドレナリンが脳内に満たされると不安や緊張、闘争心などが芽生えます。ノルアドレナリンはストレスの元凶ですが生命の維持には欠かせないもので、困難に立ち向かわなければいけない時にとても大切になってきます。
脳内の救世主!セロトニンとは?
そして、これらの脳内伝達物質はそれぞれ別々に分泌され、互いに制御する事ができません。ドーパミンもノルアドレナリンも出たら出っぱなしですし、過剰分泌の癖がついたら些細な事で大量に分泌されるようになり、歯止めが利かなくなります。
これらの脳内伝達物質は良い効果ももたらす反面、身体に負担をかけるものでもあります。ノルアドレナリンが出続けているとストレスが溜まってしまって些細な事でイライラしたり、何もストレス要因がないのにも関わらず不快な気分になったりします。
これがさら進行すると鬱病となり、日本にはこの鬱病予備軍と呼ばれている人々が沢山います。そして、これらの脳内伝達物質の働きを制御する事ができる脳内唯一の伝達物質が、これから紹介するセロトニンなわけです。
セロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリンの働きを制御してバランスを整え、情緒を整える働きがあります。また、セロトニン自体の効果としては、ホッと一息ついたときのような安息感と、満足感が満たされます。
ドーパミンが放出されるとやる気がみなぎってきますが、いつまでもずっとやる気がみなぎった状態では収拾がつきません。そこで、最終的にセロトニンがドーパミンの働きを抑制する事で、ホッと一息つき、やりきったという満足感を得られるというわけです。
セロトニンが不足しがちな現代人
セロトニンは、脳内のバランスや健康にとってとても欠かせない物質です。しかし、これが不足すると、脳内の均衡やバランスを保つ事ができなくなってしまいます。
脳内の均衡を保つにはセロトニンが必要不可欠な物質で、本来セロトニンが正常に機能していれば、鬱病になる事もないですし、必要以上にストレスが溜まりすぎる事もないはずなのです。
とろこが、現代人の多くはこのセロトニンが不足してしまっている事が原因で、鬱病になったり、ストレスを多く抱えてしまうのです。ただでさえ多忙でストレスの多い社会に生活をしているのに、セロトニンという本来の機能が低下しているのは、とても大きな問題と捉えるべきなのです。
セロトニンは、幼少期に十分に親の愛情を感じられずに育つと、その量が大きく減少してしまうと言われていますが、現代人の場合はストレスや不健康な生活習慣などの多くによって、大部分の人間がこのセロトニン不足に見舞われているのです。
セロトニンを増やしていけば、多くの問題が解決されます。鬱病の治療薬もセロトニンを増やすのが基本です。ストレスが溜まりやすいのは、ノルアドレナリンのせいだといえますが、もっといえばセロトニンが不足している事によってノルアドレナリンが必要以上に増えすぎてしまったせいだと言えます。
規則的な生活習慣と日光
以上の点を踏まえて、セロトニンや脳内伝達物質の役割、セロトニンの大切さ、セロトニンが大きく不足してしまっている現状がわかったかと思います。セロトニンを増やしていくには、まずは規則的な生活習慣という生活の基盤が欠かせません。
何をするにも心身の健康を左右するのは、この基盤となる生活習慣なのです。そして、生活習慣を正す事で身体の機能やサイクルが正常になって、健康的にプラスの方向へ転じやすくなります。
その上で、セロトニンを増やしていく有効な方法は大きく2種類あります。まず初めが、日光浴です。人間にとって本来日光はとても欠かせないものなのですが、それが現代人の生活習慣によってどんどん失われていってしまっているのです。
日光を浴びる事によって強い光が直接脳へ刺激となって伝わります。それによって自律神経が整い、セロトニンが増えて心身が健康的になるというわけなのです。特に午前中の太陽の光はとても効果的で、朝の日の出から11時くらいまでの日光を浴びるとより良いでしょう。無理な場合は午後でも夕方でも、とにかく浴びないよりはマシです。
セントジョーンズワート
そして、現代的な方法としてもう一点、セントジョーンズワートというものがあります。これは天然のハーブ由来の成分で、ハーブティーなどにも含まれる健康成分です。
セントジョーンズワートが、脳内のセロトニンの吸収を抑えて減少を低減させる効果がある事が近年の研究で明らかになったのです。直接的にセロトニンを増やしていくわけではないのですが、脳内のセロトニンの減少を抑える効果があり、結果的にセロトニンを増やしていく事ができます。
海外の一部の先進国では、これを抗鬱剤として正式に使用している国もあり、日本ではサプリメントで手軽に購入できますが、目安量を守って摂取していれば副作用の心配もさほどありませんし、長期的に飲んでいく事で抗鬱剤とも同等の効果が確認されているため、とても現代人にとって救世主となる存在です。
太陽の光を沢山浴びて、自律神経を整えてセロトニンを増やし、セントジョーンズワートでセロトニンの減少を抑えれば、普段から健康的な心身を作っていく事に繋がります。