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日本人の社会人学力(成人力)は世界一!

「国際成人力調査」(PIAAC:ピアック)で、経済協力開発機構(OECD)加盟国24カ国・地域の内、「読解力」「数的思考力」の国別平均点において日本がトップであることが10月8日に発表されました。

成人力とは、いわば社会人の学力です。日本人の大学生の学力が世界の中で年々低下している中、嬉しいニュースです。

日本人の社会人学力の特徴

日本人の中学校の特に読解力は欧米の高校の学力よりも高いそうです。もちろん高校・大学はダントツです。学力低下が叫ばれている中喜ばしいことです。

理由は、日本は他国に比べ、読み書きそろばんを昔から基礎からしっかり身に付ける習慣があり、明治以降は基礎力を重視した義務教育の成果だと文部科学省は発表しています。ピアックの結果、日本人の小学生の読解力は、欧米諸国の高校生レベルに匹敵していることもわかりました。

OECDのデータによると「日本人の読解力の平均点は500満点中296点でOECD平均273点を大きく上回り、数的思考力についてもOECD平均点269点に対し日本は288点で、2位のフィンランドに6点差で1位だった」とありました。

日本人の成績の大きな特徴は、得点を「レベル1未満」「レベル1」~「レベル5」までの6段階に分けて分析したところ、「レベル1」未満の成績の回答者の割合が最も少ないのに対し、「レベル3」「レベル4」の割合が最も多く、一方「レベル5」の割合は読解力で4番目、数的思考力で6番目でした。

要するに平均学力が世界1ということで、読解力・数的思考力の著しく低い人は稀で、代わりに突出した人もそれほどではないというのです。

だから、外国人は年収と学力が比例する圧倒的学歴社会であるのに対し、日本は貧富の差・年収に関係なく、ブルーカラーでも欧米のホワイトカラー並みの学力なのは驚きです。その結果、社会人になっても日常で文章を書くことが日常になっています。

また、この結果からわかるのは、海外では教育の格差が激しいのです。高学歴者は高収入者であり、ホワイトカラーとして働き、ブルーカラーの労働者は、貧乏で高学歴を学ぶチャンスさえ持っていないということなのです。

日本人の成人力の高さは、まさに文部科学省が誇る義務教育の成果であると言えるでしょう。どんなに貧しい家庭に育っても、親がいない施設の子供でも、義務教育は無償で国が受けさせてくれるのです。

日本の教育を受ける権利は基本的人権の一つ

日本国憲法で保障される人権の一つに社会権というのがあり、生存権・教育を受ける権利・労働基本権が保障されています。この教育を受ける権利に義務教育が組み込まれているのです。

貧富の差に関係なく、小中学校や市町村の施設として図書館があり自由に本を借りることができます。数的思考は義務教育で基礎からしっかり教えてくれるのです。この国家的な取り組みが日本人の成人力の平均学力を保っていると言えるのでしょう。

一方、海外では、義務教育というものは無く、幼い時から学校に通えるのは裕福な家庭の子供だけで、幼い子供でも食べていくために働かされているのです。生まれた時から人生がある程度決められてしまっているとも言えます。

でも、日本では、義務教育で中学校を卒業し、成績さえ良ければ国の援助を得て高校にも進学できます。高校卒業の資格さえあれば、後は本人の努力次第で働きながらお金を貯めて大学進学も夢ではないのです。

このように日本の教育制度は、基本的人権によって支えられ、頑張ればどんなに貧しくても道は開ける用意をしてくれているのです。

この不景気の中、就職できない若者が増えていますが、自分の不運を嘆くのでなく、世界で教育の環境に恵まれているということを自覚し、真面目に人生を考えたら、もっと違った生き方ができるかもしれません。

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