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京都は鬼門封じで守られている!京都御所北東の鬼門の猿とは

京都は鬼門封じによって守られています。京都の中心地にある京都御所の北東には沢山の猿の像が安置されています。さて、その奥深い話とは?

京都の中心部にある京都御所。その周辺の敷地は市民に開放されていて、一周4キロの広大さを誇っています。京都市民はよく、「御所に行こう」とか、「御苑に行こう」とかっていう表現を使うのですが、どうやら「御所」と「御苑」を混同している人が多い様なんです。

しかし、御所と御苑の意味は異なります。御所は天皇が住まわれていた場所で、御苑はその周りの公園。つまり御苑の中に御所があるという訳なんです。そんな御苑。昔は公家屋敷が並んでいたのですが、明治時代に東京に都が移ってから、その屋敷は取り払われ、市民に開放されて公園となっているのです。

その公園から御所を見学しますと、方角で言う北東の部分に猿ヶ辻という場所があります。北東の方角は艮(うしとら)の方角と言いまして、鬼門に当たるのです。ですので、猿ヶ辻の場所は角が取ってある作り方をしてあるのです。

鬼門、つまり鬼がいる方角という事で、角を取る、つまり鬼の「ツノ」を取るという意味なんです。そして、この猿ヶ辻には木像の猿が祀られているのです。なぜ猿が祀られているのか?

それは、鬼門の方角に対して、「難がサル」からなんです。そのためにサルが安置されているのですが、実は他にも面白いエピソードがあるのです。

そもそも鬼というのは艮の方角から出てきた空想の生き物です。牛の様なツノが生えていて、トラのパンツを履いているので、出来た生き物なんです。この艮の方角というのは、干支を順番に数えますと、時計回りの12時に当たる所が「子」、1時に当たる所が「丑」、2時に当たる所が「虎」という風に、1時と2時の方角なんです。北東という事ですよね。

その様に十二支を当てはめて行くと、艮とは真逆の方角にいるのがサルなんです。つまり、サルは鬼門に強い。鬼に強い生き物なんです。十二支の十番に、サルの次は酉、その次は戌ですよね。つまり猿、鳥、犬となる訳です。彼らが鬼に強いので、桃太郎は鬼退治にこの3匹を連れて行ったんだと思われます。

そして、この鬼に強い猿は、御所から更に艮の方角、つまり北東に進みますと、幸神社(さいのかみのやしろ)という神社があります。そこもサルに縁があります。更に北東に進みますと、赤山禅院(せきざんぜんいん)という所がありまして、そこにも木像の猿が安置されています。

更に北東に行きますと、比叡山の延暦寺があります。この比叡山の延暦寺自体は特に猿と縁はありませんが、延暦寺の鎮守社の日吉大社の召使は猿なんです。

この様に、京都の町は艮の方角に対して幾重にも猿を配置して、鬼から守っているのです。ちなみに、この猿ヶ辻の猿には様々な言い伝えがあります。実はこの猿には金網が貼ってあるのです。木像の猿にも関わらず、金網で閉じ込められているのです。理由は、この猿が通行人にイタズラをするからという事なんです。木像ではありますが、そんな言い伝えがあるのです。

更に幕末には、尊皇攘夷派の姉小路公知が何者かに襲われた「猿が辻の変」はこのあたりで起こった事件なんです。ひょっとしたら、この猿はその事件の一部始終を見ていたのかも知れません。

実はこの内容は、京都人でもほとんどの人が知らないお話なんです。地元京都の人ほど、実はあまり京都に興味が無いという統計があります。その理由で最も多いのが「いつでも行けるから」です。確かに、近所の名所をワザワザ巡ろうとは思わないのかも知れませんね。

しかし、一旦京都を離れた方はとても後悔をされる方が多い様です。離れてみて実際に巡ってみると、その素晴らしさに感動するんです。そして、住んでいた時に行っておけば良かったというふうに思われる様ですよ。

この御所の猿ヶ辻も、周辺の方がいつも通っている場所でもご存知無い方も多いのです。他府県の方も、京都の方も、是非、京都の奥の深い所まで堪能していただきたいものです。

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