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お気に入りの車を長持ちさせる自動車整備 ② クーラント編

クーラントという液体がある。昔は不凍液とか、ラジエーターの水 などと呼ばれていた。ボンネットを開けるとクーラントのタンクがあり、緑か赤に着色されたクーラントが入っている。色の違いはメーカーの違いであり深い意味はないが、色を混ぜてはいけない。沈殿物ができて詰まってしまうらしい。

このタンクに適量の線が引いてあり最低量を割っていると補充する、というメンテをする人も多いだろう。車検でもタンクの規定量が入っているか?しかチェックしない。

この液体は防錆(錆びない)と不凍(凍らない)の性能を持たせた水である。本来的な意味は、エンジン本体に縦横無尽にこの液体の水路があり、ウォーターポンプというプロペラでかき回されてエンジン各部に循環し、高熱部のオーバーヒートを防いでいる。

熱くなった液体はラジエーターに送られて外気の風で適温に冷まされ、またエンジンに入っていく、というシステムになっている。この水冷システムを勉強したとき、「いやはや頭が良い人がいるなあ」と感心したものだ。

このようにエンジンを一定の温度に制御することに成功したことで、空冷時代では難しかった精密なエンジンの製造を可能ならしめたのだった(言いたかった、このフレーズ!)

このクーラントであるが、特に防錆機能が2~3年で衰えるらしい。それと、次第に不純物(オリのようなもの)が溜まるのだ。その不純物がウォーターポンプを回している軸に絡み付いて、回転の抵抗になってしまうのだ。ウォーターポンプはエンジンの回転を直接の動力源としているので、これが回りにくくなるということはプレーキを掛けているのと一緒だ。

減ったクーラントを足しているだけではこの状況は改善されない。これを是非とも、車検ごとに全量交換してほしいのだ。全量といっても100%交換は難しいのだが、ラジエーターの下部にある排水口から古いクーラントを排出し、ラジエーター本体に新しいクーラントを数リッター入れる作業である。

難しい作業ではないが、これは整備工場にお願いするべき作業であり、間隔的にも2年に1回交換するのが理想的であり、車検の時にお願いするのが合理的だ。交換すると、明らかにエンジンの回転が軽くなる。(と私は実感している)

ウォーターポンプの回転軸にまとわり付いていた渋が取れたんだなあと想像していい気分だ。エンジンが軽くなると、今までよりアクセルを踏み込まなくてもスピードが上がる。ということは今までブレーキを掛けながらアクセルを踏んでいたようなものなのだ。「いやあ、すっきりしたねえ、愛車君!」と言ってあげたくなる。

このように定期的にクーラントを交換すると、ラジエーターからの水漏れなどの水トラブルはほぼ無くなるとも言われており、知り合いの整備屋からは「あんまり業界情報を巷に教えるなよ。御まんま食い上げになっちゃうから」と言われたほどだ。私は オイルフィルターとクーラントは車検の際 同時に交換することにしている。

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