ベッカムはイギリス人ではない?日本人だけが知らないイギリスの真実
日本とは深いつながりがあり、今やビジネスマンには必須のスキルとなっている「英語」でお馴染みのイギリスという国ですが、あなたはこのイギリスという国について、どれ位の正確な知識を持っているでしょうか?
実はビジネスでバリバリにイングリッシュを使いこなすエグゼクティブでも、それを母国語とするイギリスという国に関しては何も知識を持っていない事が多く、ビジネスで英国人と接して赤っ恥をかくことが非常に多いのが現状なのです。
今回はそんな英国についてご一緒に正確な知識をトレースして、グローバル化の波の中で恥をかかないビジネスマンになろうではありませんか!
そもそも「イギリス」なんて国は無い
これ、結構知らない人が多いんですよ。日本の英語教育や歴史や地理の教育システムがそもそもおかしいので、その教育を受けた我々はある意味では国際社会からみると被害者になるわけですが、被害者面をして下を向いていても始まりませんから、正確な知識で武装していこうではありませんか。
イギリスとは正確には「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」が正式な国名となり、日本語だと「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」といった感じの国名になります。
より理解しやすくは、「イングランドとウエールズとスコットランド、そして北アイルランドという四つの地域国家のようなものが連合して一応国家としての形をなしてる国が、日本人が「イギリス」という風に呼んでいる国のことだよ」という風に理解をしておけば間違いはないと思います。
愛媛、徳島、香川、高知と四国に四つの県がありますが、これらの各県がほぼ国家のごとく機能していて、でもそれじゃあ外国の人が困ってしまうから「じゃあ、四国王国っていう括りで、一応国として届けておきましょうか」といった例えの方が理解して頂きやすいでしょうか?
とにかく、どこをどう見てもイギリスなんていう文字は国名の中にはどこにも出て来ませんから、イギリス人という人種は日本人だけが知っていて、他の国の人はそんな人種は誰も知らないという事になります。
日本に来ている中国人留学生に「お前の彼女、可愛いイギリス人らしいな」とジェラシーたっぷりに問うてみても、「こいつ何を言ってんだ?」と冷たくあしらわれてしまいますから、注意をして頂きたいと思います。
そうなるとサッカーの謎が解けてくる
イギリスの話題に関連して、ワールドカップが近づいてくると必ず出てくる定番の質問があります。
「イギリス代表って、何でイギリス代表じゃなくてイングランド代表なの?ベッカムってイギリス代表じゃあなかったの?イギリス人じゃないの?」
そもそもがテレビでイギリスイギリスと言うこと自体がおかしいのですが、上の説明を理解して頂いた皆さんならば、このチンプンカンプンな質問にも笑顔で優しく答えてあげられると思います。
イギリスなんて国は無いわけですから、ベッカムが着ていたユニフォームにはどこにもユニオンジャックのデザインは見らませんし、ベッカムはイングランド人ですから、着ているユニフォームにイングランドの国旗がデザインされるのは当然ですし、ベッカムも自分はイングランド人の誇りを持ってピッチで闘っているのもなんら不思議な事ではないわけです。
逆の言い方をすると、英国サッカーにはウエールズ代表もアイルランド代表もスコットランド代表もありますから、もしもウエールズ代表チームがワールドカップに出場してきたならば、テレビのアナウンサーはウエールズ代表チームをイギリス代表イギリス代表と呼びたてて騒ぐようになるわけです。
サッカーの代表チームの呼び名に関しては、様々な組織の力関係も影響しているため、その説明にはここでは紙面があまりに足りないので割愛をしますが、とにかくベッカムに関しては「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国の中のイングランド国(country)という国の代表チームのエースがベッカムというイケメンである」という風に理解をしておけば、スポーツバーで”イギリス人”と一緒にサッカー観戦をしていても恥をかく心配はありません。
皇室があったり、島国であったり、伝統や格式を重んじる点など、数多くの共通点を持つにもかかわらず、なぜイギリスという国名が日本人の常識としてまかり通る事になってしまったのか、その正確な理由はわかりませんが、とにかく今後は国際人として世界を相手にビジネスをしていくことになる皆さんには、ワールドスタンダードな正確な知識を持っておいて頂きたいと思います。