英語の聞き取り・発音が上達するためにするべきこととは
先日文部科学省は、英語教育の開始をさらに早め、小学3年生よりとする旨を発表しました。
国際化社会に対応できる人材を育てるためということですが、中学1年生から英語教育が始まった世代には驚きですね。そうは言っても、その世代だって中学校・高校と少なくとも6年間は英語教育を受けてきているのですが。
しかし6年も学んだはずなのに、英語が身についた実感ってあまりなかったりしませんか?海外旅行に出かけても、相手が何を言っているかわからずに困ったり、質問しても通じなかったり。
早期教育を受けなかったせいなのでしょうか?しかし英語、特に英会話を苦手とするのには別に理由がありそうです。
そこで今回はこれからでも英語を上達させられる方法についてご紹介します。
カタカナ表記に頼らない!
英語の学習本の中には時折英語表記の下にカタカナが併記されているものがあります。発音をわかりやすく指示してくれていて、大変便利なものですよね。それなりに重宝している方もいらっしゃるでしょう。
しかしもしかしたらそのカタカナ表記が、あなたの英語の上達の妨げとなっているのかもしれません。
たとえば「real」という単語について見てみましょう。RとLを区別することなく、単に「リアル」と書いてはありませんか?
このRとLの区別を日本人が苦手としているのは広く世界に知られています。英語圏の人々からすれば全く異なる音なのに、なぜ混同するのかがわからないようですが、日本人にとってはやっぱり難しく感じられますよね。
これは日本語の音が両音を区別していないことが原因とされています。日本語にも「らりるれろ」とら行はありますが、これは厳密にはR、Lのどちらの発音にも当たらないようです。
強いて言えば、Lの音に似ているように感じられますが、ら行はローマ字ではRで表記しますね。このことからも日本語では区別していない音であることがわかりますね。
本来は未知の2音であるのに、母語が区別していないせいで、既知の1音のように認識してしまっている状態にあるのです。しかもカタカナ表記はその違いを隠してしまっています。これでは区別できないのも当たり前です。
まずは英語には我々が知らない音が存在するのだということをしっかり認識する必要があります。そのためにはあくまで母語によって発音を表現しようとするカタカナ表記からは少し離れる必要があると言えるでしょう。
知らない音の発音をマスターする!
さて、カタカナ表記から離れ、知らない音があることがわかりました。次に必要なのはその知らない音について知ることですね。
ここで重要になるのが、発音記号です。英単語帳などに小さく表記してあった、アレですね。スペルはテストに出るからと覚えてきたものの、発音記号についてはあまり注意を払ってこなかったという方も多いのではないでしょうか。
しかし知らない音を学ぶためには、あの発音記号こそ最初にマスターしてしまわなくてはなりません。発音記号さえ正確に覚えてしまえば、新しい単語が出てきてもその発音記号を見るだけで、正しい発音ができるのですから。
この発音記号のマスターに一役買ってくれるのが、最近人気のフォニックスです。フォニックスとは、発音から言語をマスターしようとするものです。
この学習法に基づいた本は数多く出版されており、発音記号の示す発音について、図などを用いてかなり詳細に説明しているものも少なくありません。
説明に従って口や喉を動かしてみれば使ったことのない筋肉が動くのを感じられ、日本語と区別していなかった音のかなりの数が、未知の音であったことをきっと実感できるでしょう。
発音がわかれば、リスニングもできる!
発音記号をマスターしたことで発音は飛躍的によくなっているはずです。もちろん、センテンス中では聞こえないほど短く発音される音への対応などは、発音記号のマスターだけでは足りませんが、実際の会話をこなすことで、十分身に付きます。
そして発音ができるようになったあなたは、リスニング能力が大幅に向上していることにもきっと気がつくはずです。「聞き取る練習はしていないのに、なんで?」と疑問に思うかもしれませんが、これはごく当然のこと。
これまでカタカナで把握してきた音は、「ネイティブスピーカーの発音する音と似た音」にすぎませんでした。頭の中にあるその「似た音」と、聞こえてくる「本物の音」とをすりあわせているのでは、当然理解は追いつきません。
ところが発音をマスターすることにより、頭の中の音は、「似た音」から、「本物の音」へと変化しています。こうなれば「本物の音」との合致はたやすいもの。驚くほど簡単に認識できるようになるのです。
上達が実感できれば英語を勉強するのも楽しくなりますよね。今からだって遅くない!早速実践して、あなたの英語力も一段と上達させてみましょう!