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彼女との会話をワンポイントでオシャレに演出するバラに関する四話

恋人や愛妻との会話のために、ちょっとオシャレなウンチク話を仕入れておくのも悪くはない。花に関するウンチク話はロマン溢れるものが多い。特にバラには数多くのエピソードがある。夕食時に「花屋の前を通ったら、バラが綺麗だった。

そういえば、知っているか?」と切り出してみる。彼女の誕生日にバラの花束を贈り、「ところで、バラって…」と話し出しても良い。ウンチク話なので、会話のキャッチボールにはならないが、『へぇー』となるだろう。

バラの手入れをしていると、道行く人が足を止め話しかけてくれる。そのたびにバラの小話を紹介する。バラ愛好家を『ローザリアン』と呼ぶが、検定資格から栽培指導員までいる。もちろん公益団体もある。ローザリアンにとっては常識のような話も意外と知れ渡っていない。そこで今回は思いつくままに四話紹介する。

現代バラのルーツは中国の野生バラ

いつから人々はバラを愛するようになったのか?

バラのルーツをさかのぼれば、古代ペルシア時代に行きつくようだ。その後のギリシャ・ローマ時代に広く普及した。しかし、当時のバラは、香料・薬用バラで、一重のバラか八重のモコモコとしたバラだった。今のバラのカテゴリーではオールドローズというタイプのバラだ。

それに対して中国では観賞用バラが育てられていた。日本の平安時代の頃には、中国には約40種類の観賞用バラがあったと言われている。これらのバラは『ベルサイユのバラ』で描かれているような八重で花びらの先が尖った形のバラだった。この中国のバラの中で四品種(赤・ピンク・淡ピンク・黄)が18世紀以降、ヨーロッパに伝わり、交配され観賞用バラが生まれた。中国のバラがなければ、バラの花束は存在しなかったのだ。

紅白のバラ戦争でピンクのバラが英国王室の紋章

1400年代に、イギリスで『バラ戦争』が起きた。終結まで30年かかった。世界史をかじった人ならご存知だろうが、『バラ戦争』と言ってもバラを巡っての戦争ではない。王位継承を巡っての争いだ。白バラの『アルバ』を紋章とするヨーク家と赤バラの『ガリカ』を紋章とするランカスター家の争いだったために『バラ戦争』と呼ばれている。

ランカスター家のヘンリー・チューダーがヨーク家のエリザベスと結婚し即位したことで終結した。紋章も結婚させ、ピンクのバラとなった。チューダーローズの誕生だ。今のイギリス王家の紋章にもチューダーローズが使われている。実生している訳でなく紋章としてのバラだが、外側の花びらが赤で内側の花びらが白のバラだ。

つるバラは日本のバラから誕生

アーチ上を這い、壁を這って一面に花をつけ華麗な景色を生み出す『つるバラ』。つるバラが誕生したのは日本のバラがヨーロッパに輸出されたからだということをご存知だろうか?多くのバラはヨーロッパで作られていると思っている人が多い。野生のバラは日本にもある。『サンショウバラ』は日本のバラだが、1875年にフランスに持ち込まれた。そこで交配されて生まれたのが、つるバラだ。最初は、四季咲きで多数の小輪のバラだったが、交配されている間に現在のつるバラになっていった。アーチのバラも壁面のバラも日本のバラが変形したものだ。日本の風土や気候に合っているのだろう。

花だけでなく実のなるバラ

バラと言えばトゲがある華麗な花と誰もが思い描くだろう。トゲのないバラもある。『モッコウバラ』だ。これは有名だからご存知の方も多いだろう。黄色と白色の二種類がある。トゲは全くなく、強健なバラだ。

では実のなるバラはご存知だろうか?愛好家たちはよく知っているが、一般的には知られていない。「えっ、バラって実がなるの?」と反問される。『リトルアーチスト』『バレリーナ』などだ。バラは挿し木苗が多いが、そもそも種から育つ植物だ。実の中に種がある。花を摘まずに置いておくと花の下部が膨らみ実となる。オレンジ色の小さなどんぐりのような実だ。その中心に種がある。

さまざまなロマンスを生んできたバラ。バラに水をやっていると、バニラの香りに包まれる。世界で400種とも1000種とも言われるバラ。色で分けると六種類程度だ。赤、黄、オレンジ、白、ピンク、青くらいだろう。「バラの事を少しは知っている」と彼女にうそぶく良い方法がある。六種類の色のバラの名前を憶えておくことだ。有名な女優の名前がついているバラも多い。黄色のバラを愛したヘンリー・フォンダも、バラの名になっている。六種類の名前を憶えていると、ちょっとしたバラ通に見えてしまうから不思議だ。

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