自分を超えるためのドMでドSな自己啓発の方法
自分を絶えず向上させていこうという人は常にストイックです。昨日の自分を超えていこう、と努力を続けます。今回はそういう人物の持つ「自分を高めるハウツー」を、私なりに紹介しようと思います。
八百屋で働くイケメン店員
先日、初めて入った八百屋での出来事です。その八百屋は私がよく使う通り沿いにあるのですが、なかなか立ち寄ることがないお店でした。
最近、そこで若い男性の店員さんが働き始めたのです。若いといっても20代~30代前半といったところでしょうか。私はお店の前を通るたびになんとなくその彼が気になっていました。というのも、彼が八百屋に似つかわしくないようなイケメンだからです。ちなみに私はホモではありません(笑)。その風貌から、私の予想では、彼は八百屋のせがれだと踏んでいます。
たまにはこの八百屋でネギでも買ってみようと、その店に立ち入ると、偶然にも彼に接客されました。ネギが2種類あったので、私が値段の違いの理由を尋ねてみると、いかにも八百屋のおっさんが使いそうな下町べらんめぇ口調で、つまり今風に言うと「タメ語」で、彼はネギの質問に対してアンサーをくれました。
そんな彼の口調に、敬語で尋ねた私は一瞬プチっと切れそうになりましたが、「そうですかぁ」などと、敬語を続けました。彼は最後までタメ語を崩そうとはせず、冗談などを交えながら、ネギを売ってくれました。
私はネギと一緒に喧嘩も売られたような気が、ほんの一瞬、そう、ほんの一瞬だけしたのですが(笑)、実際は嫌な気はしませんでした。というのは、ここからが私の推測なのですが、彼は、あえて大き目の態度で振舞っているような気がしたのです。
彼はまだその店で働きだしてそう長くはありません。つまり下っ端です。半人前です。丁稚です。小僧です。そうだとすると、他人は彼をそういった目で見ます。しかし、彼は、自分を半人前という甘えの枠組みに入れたくなかったのではないでしょうか。
半人前はある意味、楽です。親方に守ってもらえる立場にあるといえるでしょう。しかし、彼はそこに甘んじないのです。いえ、正確には甘えられないのです。なぜならこのお店はおばちゃんが中心となって切り盛りしていて、親方(親父さん)がいないからです。
彼は、八百屋を継ぐ気はなかったのかもしれません。何か自分のやりたいことをやってきたような雰囲気を感じさせます。例えば、彼はラッパーに見えなくもない風貌です。ここではラッパーを目指していたと設定させていただきましょう!
しかし、ラッパーを目指していたものの年齢も年齢で、そろそろうちの店を継げ、と店のおばちゃんに頼まれたのではないでしょうか。そして、彼は色々な感情を自分の中で受け入れ、この八百屋という道でやっていく決心をしたのです。男として。
彼が大きい態度を取る理由
私は思いました。彼は、ドMであり、ドSだ、と。半人前であるのは本人もよく分かっているところでしょう。しかし、おばちゃんもそう長くはない、と分かっている。そうなれば、この店を継ぐのは自分です。
一刻も早く自分が一人前になり、店を背負わなければならないのです。そのために、自分を一人前の型(ここで言うならばべらんめぇ口調でお客さんと近くなろうとする心持ち)に当てはめたのでしょう。この彼の男気こそ、自分を高めるストイックなハウツーなのです。
トップアスリートの発言の真意
イチロー選手や中田英寿選手など、トップであればあるほど、その発言は鋭利なものになっていく印象があります。彼らは結果を出しているから、自信があって、そういった発言が可能です。
しかし、見方を変えれば、彼らの実績をまったく知らない人からすれば、生意気な発言にも思えるでしょう。彼らは彼らの中で、常に自分に大きなカマをかけているのだと、私は感じます。言葉は違いますが、強がることで、本当に強くなっているのです。
アスリートでなくて、八百屋でも、サラリーマンでも、男にはそういう気負いが必要だと私は思うのです。生意気と言われてもいいじゃないですか。周りになんと言われようと、俺には俺の信じている道がある。それをただ信じ、歩むだけだ。八百屋の彼からもそんな声が聞こえてきそうです。男として一皮むけるために、自分にカマをかけましょう。大風呂敷を広げましょう。