自分らしさを見失うきっかけになる、お金と気持ちの関係とは?
普段は穏やかで優しい人でも、お金が絡むと急に怒ったりイライラしたり、その姿を見てお金の見方が変わる人もいるかもしれません。お金は人を変えるもの、それはある面ではそうみえるかもしれませんが、全ての人がそういうわけではなく、過去にお金で何らかの経験をした人は違った反応をするでしょう。
自分らしさとお金の関係
自分らしさを考えた時に、普段の振る舞いの時の自分らしさ、そしてお金を扱っている時の自分らしさは違うかもしれません。普段は穏やかな人でもお金になるときっちりしだすのは自分らしさかもしれませんが、それだけ普段の自分が変わるのもお金の力といえます。
ご飯を食べる時、遊ぶ時は穏やかでもお金絡みになるとイライラする、それは過去にお金で何らかの経験をしたことがきっかけだと思います。もちろんそれが良い悪いではなく自分の自由ですが、お金のことを考えるとイライラしたり気がめいる思いを毎回しているのが辛いと感じるかもしれません。
お金は生存と関わると感じるような扱いをされているので、お金がないと生きていけないと思ってしまうことがあり、だからお金が少ないと命が危ないと感じる人もいます。やはり、命が危ない時に穏やかな自分でいることは難しいので、もっとしっかり管理、コントロールしてその問題を乗り越えようとします。
ですが、本当にお金がないことが命に関わることなのか、しっかりと検証している人は少なく、そこまで必死にならなくても大丈夫だったとしても気付かないことがあります。そのためにいつもの自分じゃなくなり、家族や友人で問題を引き起こすことのほうが後々関係に影響することがあり、お金の問題が人間関係をダメにするケースはドラマでも見られます。
ですが、お金を稼ぐことが必ずしも自分らしさに直結しているなら、もっとシンプルかもしれませんが、お金を沢山稼いでも幸せになれない人はいます。それは、自分らしくないことを必死に頑張って、お金は増えてもいつまでも自分らしくないこと、やりたくないことを続けないといけない義務感、役割が心の自由を無くしているからです。
つい、ごまかしてしまうのはなぜ?
また、お金でありがちなのはちょっとしたごまかしで、たとえばお釣りの1,000円札が1枚多く重なっていたのを返さずに「ラッキー」と思ってもらったり、落ちているお金を届けずに自分のものにしたり。それによって罪の意識を感じすぎるなら、いっそのこと返したり届けたりするほうが気持ちも楽ですし、自分のことを好きになれることもあるでしょう。
お金に対するそうした行動1つだけで自分の信頼性がガラっと変わるほど影響があるのもお金ですが、それが分かっていてもやってしまうほど価値を感じるのもお金という人もいます。そして、いけないと思っていながら相手が必要のない商品サービスを売りつけようとしたり、売り上げを上げるのが国のためといった大義名分を掲げてお金儲けをしようとする人もいます。
また、遺産相続など分配に関することもトラブルになり、たとえ100万円以上もらったとしても、家族や親戚の間柄が悪くなってしまえば、先のことを考えたらそちらのほうが大きな損失になるかもしれません。お金のことになるとつい短期的な視野になってしまい、それをやると長い人生を棒に振るうというほうに意識がいかず、何年も信用を失うことにもなりかねません。
お金に対してどんな気持ちをもっているか?
なぜお金のことになると、感じ方、考え方、行動の仕方がいつもと違い、人によっては別人のようになってしまうのでしょうか。それは過去にお金とどういう付き合いをしてきたかによって今の自分のお金に対する観念、お金とはこうだという思いが出来ているからです。
その観念によって過去と同じような状況になると、それが引き金になって感情、思考、行動が過去のパターンとして引き出され、人それぞれの反応をします。
パチンコなどギャンブルをしている人を見て良いイメージがしない人は、過去のギャンブルで嫌な経験をしているかもしれません。いつも節約ばかりしている人を見るとイライラするのは、過去に親が節約ばかりして窮屈な思いをしていた経験があるかもしれません。
今の自分は生まれつき変わらない性格というより、そうした観念が今の自分を作り出していることが分かれば、これからその観念を書きかえることによってお金に対する新しい感情、思考、行動が生まれるでしょう。
そのためには、こうなりたいと思うお金との付き合いをしている人と一緒にいたり、そうした人が書いている本やセミナーに投資したり、お金に対する気付きを変えていくことです。すると、今までこうだと思っていたことが違う解釈に変わっていくでしょう。