実体験から考える現代人の生活病『糖尿病』との賢い付き合い方
「あぁ。糖尿病の話か。糖尿病の付き合い方なら食事療法と運動療法の話だな」
ネットで検索すると予防法や対策法として挙げられているのは、運動療法、食事療法、血液をサラサラにするサプリメントや飲食品などだ。もう糖尿病という言葉は広く認知され当たり前になり、対策も当たり前になっている。
多忙な現代人にとっては、わざわざ手間のかかる方法をとる余裕すらない。私自身も2009年の6月に糖尿病と診断され、日々インスリン片手に血糖値のコントロールをしている。
そこで担当医から毎月言われる事や日々の血糖値コントロールで知り得た事を書いていく。体質差はあると思うので一般論とまではいかないかもしれないが、参考になると思う。
糖尿病になりやすい体質の日本人
日本人を始めとするアジア系民族は糖尿病になりやすいと言われている。肥満が原因で糖尿病になると言われているが、成人の人口に対する肥満者率はアメリカが約30%で、日本は約3%だが、糖尿病患者率はアメリカが約7%、日本は約11%とアメリカを超えている。
肥満者の割合が10分の1でも、糖尿病患者の発生率は1.5倍だ。経済成長が著しい中国やインドでは急増しており、患者が1億人を超えそうな勢いだ。
糖尿病は遺伝と生活の乱れが原因で発症すると研究されている。アメリカでは高カロリー食品の食べ過ぎと自動車の普及による運動不足が原因とされている。
対してアジア系民族ではアメリカ人ほどの食べ過ぎや運動不足でないにもかかわらず、アメリカ人より発病率が高い。アジア系の糖尿病発症は遺伝的要素だと言われている。パンと肉を中心としてきた民族と、コメと野菜を中心としてきた民族の違いなのかもしれない。
痩せている人にも糖尿病を患う人が多いのも、このためだ。自覚症状がなく気付いた時には遅い。発症後は様々な合併症に悩まされ、場合によっては失明、四肢切断になる。太っていないから大丈夫というだけでは認識が甘い。
日本も欧米化され食生活もアメリカ人並みになりつつある。高カロリーの食品に高脂肪のドレッシングをかけ、ご飯にマヨネーズをかけて食べている時代だ。日本人の予備軍も含めた潜在的な糖尿病患者数は現在の3倍とも4倍とも推測されている。
血糖コントロールをして感じる事
かくいう私自身も初期糖尿病と診断された。声が出なくなるほど喉が腫れ上がり、簡単な手術をした時に血液検査で判明した。肥満体なので糖尿病の疑いは、もともとあった。
現在はインスリンを使って血糖値のコントロールをしている。2009年に250~350だった血糖値も2013年には80~200に下がっているが、医師の目標数値である100~120をまだ上回っている時が多い。四年間、マメに血糖値を計っていると気付く事は多々ある。
① 夕食を外食で済ますと血糖値が極端に高い。
② 間食をした時は、朝まで血糖値は高いままだ。
③ 歩いたり掃除をしたりと、マメに動くと100前後まで下がる。
④ 忙しくて昼食を抜くと、夕食前は100を下回るが、翌朝は200を超える。
⑤ 朝の値が高い時は、一日中高めの値になる。
⑥ 夜食を食べると翌朝は確実に200を超える。
⑦ 朝が一番高く、寝る前が一番低い。
以上の七つの傾向からわかる事は、運動不足と感じたら身辺の掃除を15分程度やる。夕食は外食を避ける。間食を避け三食規則正しく摂る。特に夕食後の間食や夜食は避ける。そして朝食前の血糖値をコントロールする。
自分自身の体のことだ。血糖値の測定は測定器を使えば簡単にできる。一度、内科に相談し血糖値測定をしてみると体の様子がわかってくる。慣れてくると、ここでコレを食べれば血糖理は70上がるだろう、と予測までできる。気になる人は、一度やってみるとよい。